見出し画像

キャリアは偶然の産物?

人事をしていた2013年から2023年の10年間で、キャリアに関する考え方は徐々に変わってきたと感じていました。IT企業だからか、10年前ですでに「終身雇用」を考えている人は少なく、「キャリア自律」や「プランドハプンスタンス」などの言葉をよく聞きました。

キャリア/コミット/モチベーション。自分を動かすエネルギー。

尊敬する上司から聞いた言葉をご紹介します。

「モチベーション」はすぐ上がり下がりするもの
「コミット」したことはそれなりの期間続くもの(目標・約束)
「その人のキャリアやビジョン」につながるエネルギーは長期間続く。

尊敬する上司の言葉

「社員のモチベーションを上げよう」とか「コミットしたことは責任持ってやり切ろう」など言ってしまいますが、自分の目指すキャリアやビジョンにつながることならエネルギーが長続きすると思い、この言葉に深く納得しました。
ただ中長期的なことは忘れてしまう人もいるので、思い出してもらうタイミングや施策をすることも人事やマネジメントの役割だと思っていました。

<3人のレンガ職人>
3人のレンガ職人に「何をしているのか?」と尋ねたら、
1人目は「仕事だからレンガを積んでる」といい、
2人目は「大変だけど報酬がいいからレンガを積んでる」といい、
3人目は「後世に残る大聖堂を作っている。光栄な仕事だ」と言った。

イソップ童話

キャリアレインボー。仕事だけが人生じゃない。

「『文部科学省』第1章 キャリア教育とは何かl」より引用

キャリア=職業とは考えず、年齢や場面のさまざまな役割の組み合わせと定義する理論。人は生涯にわたり、社会生活や家族の中において経験や役割を積み重ねていき、その中で自己のキャリアを形成していくという考え方だそうです。

同じ部署や同じ等級でも、仕事以外の環境や状況が違うし、ご本人の中での仕事の位置づけや求めることや成し遂げたいことが違うため、一律の対応はしないようにと心がけていました。
(もちろん全社員に個別対応もできないのですが)

キャリアドリフト。流される期間があってもいい。

キャリアドリフトとは「流れに身を任せてキャリアを積む」ことで、
「drift(ドリフト)=漂流する」からきているようです。

「身を任せる」というと受け身で主体性がなく、ネガティブに聞こえるかもしれませんが、自分のキャリアを、事前に「こうありたい」と決めようとはせず、節目ごとに起こる変化を楽しみ、自然の流れに身を任せるようにキャリアを楽しむことだそうです。

私はこの言葉を使う際、「キャリアのことを年中考えている人はいないので、流される期間があってもいいという意味。ずっと流されるだけではなく、節目を見つけたら漕ぎ出すことも必要」と言っていました。

プランドハプンスタンス。計画された偶然?

プランドハプンスタンスは「計画された偶然」と訳され、「キャリアは偶然の要素によって8割が左右される。偶然に対してポジティブなスタンスでいる方がキャリアアップにつながる」という理論だそうです。

■プランドハプンスタンスで大切なこと
・偶然の出来事を主体的に活用すること
・偶然を意図的に生み出せるような心や行動をしておくこと

なるほどと思う反面、「意図的に生み出したら偶然じゃないじゃないか」とも思うのですが、例えば「棚からぼた餅」だとしたら「ぼた餅が落ちてきそうな棚の下にいられるように準備しておく」と納得するようにしています。

その準備(偶然を生み出す心や行動)とは

・好奇心:今まで知らなかった分野に積極的に関わる姿勢
・持続性:失敗しても諦めずに続ける性質
・柔軟性:変化への対応力
・楽観性:失敗しても前向きに捉える性質
・冒険心:リスクを冒して行動できる正確

だそうです。

プランドハプンスタンスについてご興味があればこちらの本がおすすめです。


何かの参考になれば幸いです。
そしてもし良かったら、この記事への「スキ」や他の記事も読んでいただけたら嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?