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”迷う”と”考える”は何が違うのか

人間は迷う動物?

私はとても優柔不断で、何かを決めるのに時間が掛かったり、決めなかったり(=誰かに決めてもらったり)するタイプです。
そして人事の仕事は「答えがない」と思うものが多く(他の仕事も同じかもしれませんが)、迷うことがありますが、そんな時に以下の言葉を思い出すようにしていました。

関心と影響の輪。「雨が降りそうだなぁ」を気にしない。

関心と影響の輪

スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」の、第1の習慣「主体的である」にある「関心の輪と影響の輪」の図です。
外側の輪は「関心があること」で、内側は「関心があることの中で、自分で影響を与えらえること」の輪です。

この教えを強く意識するようになったエピソードを紹介させてください。

ある宿泊型の研修を企画・運営することになり、準備のため前日から会場入りしていた時のこと。

翌日の参加者たちの集合時間が早かったため、
「誰か集合に間に合わないのではないか」
と気にする私に、一緒に宿泊していた当時の上司が
君は『雨が降りそうだなぁ』ということを気にしすぎている
と言いました。

気にすべきは「雨が降った時はどうするか」で、
・参加者を集合時間に間に合わせるためにできることはないか
・仮に誰か遅れた時のリカバリー策は何か
だと気付いたという話。

michi_540の実体験

”迷う”と”考える”は違う

光栄なことに「イシューからはじめよ」の著者の安宅和人さんとお話しする機会があり、「”迷う”と”考える”は違う」のお話をお聞きしました。
そして著書の中にも記載がありました。

「悩む」とは「答えが出ない」という前提のもとに「考えるフリ」をすることで、「考える」とは、「答えが出る」という前提のもとに、「建設的に考えを組み立てる」ことである。
「悩む」と「考える」の違いを意識することは、知的生産に関わる人にとってはとても重要だ。ビジネス・研究ですべきは「考える」ことであり、あくまでも「答えが出る」という前提に立っていなければならない。

『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』

また同著には、

君たちの賢い頭で10分以上真剣に考えて埒が明かないのであれば、そのことについて考えることは一度止めたほうがいい。
それはもう悩んでしまっている可能性が高い。

『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』

と書いてありました。
(原文そのままではないかもしれません)

3倍考えたら3倍の答えを出そう

安宅さんの言う通り、ビジネスでは「答えがあることを前提に『考える』」ことが重要なので、人事の仕事も「答えがない」と諦めず、考えることにしました。
さらに、同じことを10分以上考えていると気付いたら、違う角度や違う方法を模索するようになりました。

そんな時に、以下の言葉に出会いました。

3倍考えたら3倍良い答えが出そうなら考える。
そうじゃなかったら早く判断した方がいい。

元ヤフー株式会社社長宮坂学さんの言葉

2012年、それまでパソコンでのインターネットを牽引してきたヤフーが、スマホへシフトするために経営陣を刷新し、宮坂さんが社長になりました。
事業面だけではなく、人事制度も大きく変更された中で、ヤフーバリュー(行動指針)が掲げられ、その1つだった「爆速」について聞かれた時に宮坂さんが上のように語ったと記憶しています。

安宅さんや宮坂さんの言葉を私なりに解釈すると、
答えがあると思って考えるのは良いが、掛けた時間や労力に見合ったアウトプット(答え)を出さなければならない。
まだまだその通りにできていませんが、この言葉を忘れないようにだけはしています。

迷ったらワイルドな方を選ぼう

同じく当時のヤフーバリューに「ワイルド」という言葉がありました。
バリューは行動指針なので「ワイルドな行動をしよう」ということなのですが、人によっては「乱暴にやる」と勘違いする可能性があります。
その説明では以下のように言っていました。

ヒトには防衛本能があり、未経験・未開拓なものに対面すると恐れが出る。
だけど迷ったらワイルドな方を選ぼう

たしか宮坂学さんの言葉

防衛本能は、自分の生命を防衛するための反射的な行動で、例えば、水に溺れそうになったらもがくとか、熱いものに触ったら手を引っ込める行動のことのようです。

でも何か変化や変革をもたらす時には、防衛本能を超えて行動する必要があるときもあります。
たぶん初めて「火」を見た大昔のヒトは、炎が熱いので防衛本能が働いたはずですが、誰かがその壁を超えたおかげで、火を道具として扱えるようになったと思います。

生命の危険を感じることがほぼないビジネスの場面でも、防衛本能が働くのかどうかかわかりませんが、リスクを気にしすぎたり、前例のないものを避けようとばかりした時には、
迷ったらワイルドな方を選ぼう
という言葉を思い出していました。

このエントリーをまとめると、
・できるだけ影響の輪の内側にあることに脳を使う
・脳を使うときは答えがある前提で考える
・考えている状態が10分以上続いたら、他の角度や他の方法を考える
・掛けた時間や労力に見合ったアウトプット(答え)を目指す
・それでも答えが出ない(迷っている状態)ならワイルドな方を選ぶ※
 ※大きな変革や変化をもたらしたい時は特に

何かの参考になれば幸いです。
そしてもし良かったら、この記事への「スキ」や他の記事も読んでいただけたら嬉しいです。


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