珈琲についての私流の3つのこだわり
一つは、砂糖、ミルクは入れません。それについては、3つ目でその理由を書きます。
二つ目は、豆についてなのですが、それには、こちらへ移住してきて以来、ずっとお世話になっているカリオモンズ・コーヒーロースターという珈琲店の存在が大きいです。
このお店の凄いところは、ダイレクト・トレードといって、オーナー自らが、直接現地まで行って買い付けを行っている、ということ。スタッフの方も交替で、現地視察に行かれています。なので、そんなスタッフの方から、直接それぞれの農園の様子を聴くことが出来るというのもまた魅力的なことです。
自分の口に入るものが、どのように作られ、運ばれ、調理、あるいは処理されてきているのか。生産者の方がどんな思いで、育てているのか。それを知ることは、コーヒーに限らず、全ての食べ物にあって、とても重要で大切なことだと思っています。なるべく、それがわかるものを購入したいと思っています。
このカリオモンズコーヒーロースターは、長崎県の時津町に元々お店があって、私たちがそこへ通い始めてほどなく、大村にお店が出来ました。以来、時津よりも、大村の方が近いこともあって、何度もお店にお邪魔させて頂きましたが、その大村店が今月いっぱいで営業終了し、長崎市内に新たに移転オープンするとのことで、どうしても最後大村店にお邪魔したくて、昨日、出掛けてきました。31日金曜日の閉店後18時からクロージングパーティがあるとの事なんですが、仕事の都合でその日はどうしてもお伺い出来ないのです。
そして、昨日店内で頂いたコーヒーが、ニカラグアのラ・ベンディシオン農園で作られている豆『ラ・ベンディシオン』と『エル・ボスケ』の2種類だったんですが、実は、この二つは、同じ豆との事で、それは飲み比べが出来て面白いなと、どちらもフレンチプレスで淹れて頂きました。
同じ豆で、何が違うかというと、収穫したコーヒー果実の精製方法の違い、だそうなんです。
『エル・ボスケ』はナチュラル製法、そして『ラ・ベンディシオン』はハニープロセス製法で処理されています。(例年、ラ・ベンディシオンは水洗式と呼ばれる処理方法のものを買い付けされているとのことですが、今回のロットはハニープロセスとの事で、ぜひ香りを試してみたくなりました。
ナチュラルというのは、収穫したコーヒーの果実をそのまま乾燥させた後、皮や果肉を取り除く精製処理のことで、いわゆる、水を使わないということで、乾式精製とも呼ばれています。
一方、ハニープロセスというのは、収穫したコーヒー果実から、コーヒー豆になる種の周りについた蜜のような粘膜質を除去することなく、そのまま乾燥させたものだそうです。なので、その果実の甘みが、そのまま吸着するといわれています。
そして、飲み比べてみた結果、その違いに驚きでした。
自分の言葉で上手く表現するのは難しいのですが、カリオモンズコーヒーロースターのコーヒー豆のインフォメーションカードの言葉を少し借りるのであれば、ベリー系の爽やかでとても明るいフレッシュな酸味の中に、お花の蜜のような、キャラメルのような深く優しい甘さが、あとからググッと口の中に広がってくるのがエル・ボスケ。
対して、お花を連想させるフローラルさは、とても明るくて透明感がある中に花の蜜の甘さも感じられて、瑞々しく、それでいて清々しさを感じさせてくれる複雑な味わいのラ・ベンディシオン。
同じ豆とは思えない風味の違い。
どちらがいいとか、悪いとかではなく、どっちもそれぞれに良くて、両方買って帰りたかったのですが、今回は、『エル・ボスケ』を。1月に通販でも購入していたんですが、自宅で自分で淹れて飲むのと、お店で淹れて頂くのではだいぶ風味が違っていました(;^_^A
あれ、エル・ボスケってこんなに果実感が強かったかなあと。以前、その香りのことで相談したときに、抽出時の温度が高すぎるか、抽出時間が長すぎるのでは、と言われたことがあるんですよね。自宅では、金属フィルターのハンドドリップで淹れているのですが、この金属フィルターというのが意外と曲者で、すぐ目が詰まってきます。以前は目に見えてなかなか落ちなくなってから詰まりを取っていたのですが、今ではこまめに取るようにして、抽出時間がかかりすぎないようにしています。なので、あと、気を付けるところといえば、やっぱり、抽出温度しかないのかな、と。どうしても高めで淹れてしまうので、次の休みのときには、温度に気を付けて淹れてみたいと思います。
ちなみに、カリオモンズさんのコーヒー豆は、本当に大好きなのですが、普段使いのコーヒーとしてはコストが高くなってしまうので、普段は、生豆を購入して、自分で焙煎しています。
三つ目のこだわりが、この自分で焙煎する、ということです。
手焙煎するようになってからかれこれ8年ぐらい経ちますが、これをするようになってから、いわゆる量産品の焙煎豆は買えなくなりましたし、強い焙煎で苦みを出した豆よりも、浅く焙煎したコーヒーの果実っぽい風味を残したものが断然好みです。なので、その風味を損なってしまうような、ミルクや砂糖は入れません。
というよりも、コーヒーも含む全ての飲食から、一時、砂糖断ち、ミルク断ちをしたことがあって(今は糖類は時々取ってます)、ミルク、砂糖を入れずに美味しくコーヒーを飲みたいな、と思っていたら、最終的にここへ辿り着いた、という感じなのです。
更に、カリオモンズコーヒーを知ったことで、よりコーヒーについて様々なことを知ることが出来ました。
あれこれ書いたら長くなりますので、これについは、また少しずつ書いていきたいと思います。
改めて、大村店がなくなってしまうのは寂しいですが、長崎市内の新しいお店のオープンは5月頃の予定とのことなので、今度はそちらへお邪魔したいと思います。
読んで頂いてありがとうございます。ご縁に感謝します。頂いたサポートは、フィルム写真を今後も撮り続けていく活力や、美味しくて身体にも良い食を広めていく活動に使わせて頂きます。