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オランダからこんにちは!#28 ‐夏のバカンス編‐

連載28回目。今週のテーマは世界各国の「夏のバカンスの過ごし方」。

この記事では、オランダの人々とバカンスの関係性について、色々な面からお伝えしていきたいと思います。

*2020年"with コロナ"の夏休み*

1年に何回もバケーションを取る人もいるほど、旅好きが多いオランダですが、今年は他の国々同様、いつもとは勝手が違う夏を迎えました。バケーション好きなオランダ国民にとっては、ちょっとつらい夏かもしれません。統計によると、75%のオランダ人が今年は夏のバカンスでの海外旅行を控えると回答しました。

今年多くの人が過ごすオランダ国内には、ザ・夏という観光地があまりないため、バケーションハウスコテージを借りて、のんびり過ごしたり、キャンプ場でキャンプを楽しんだりする人が多いようです。なども今年に限らず、人気です。

オランダ国内のリゾート地については、こちらの記事にまとめていますので、気になった方はぜひ覗いてみてくださいね!

さて、ここからはオランダの人々の通常の夏の過ごし方について、書いていきたいと思います。個人差はもちろんありますが、夏の間に2週間や3週間の休暇を取る人が多いです。日本と比べると、……長いですよね~!

*いつもの夏なら…*

毎年夏になると、オランダでは多くの人たちが南ヨーロッパやカリブの島国(*オランダ領のところもいくつかあります)など、夏らしい気候を求めて世界中へと出国していきます。

近年は温暖化の影響を受け、オランダでも30℃を超える夏日が数日続くのも珍しくなくなってきました。が、基本的には残念ながら南ヨーロッパや南国の島ほど夏らしい天気には恵まれません。そのため、オランダ人の間で特に人気の旅行先には、夏の太陽が燦々と降り注ぐフランス(南部)やイタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、キュラソー島、インドネシアといった場所があがります。太陽ビーチプールなどがキーワードのようです。

ほとんどの人が大体2~3月くらいから、その年の夏のバカンスでの行き先を決めるので、そのくらいの時期には旅行関係のテレビCMがたくさん流れ始めます。もっと早い人だと、前の年の年末や年明けくらいにすべて決めちゃう人もいるそうで、夏が近づくと「今年はどこに行く?」という話題がよく出ます。

6・7・8月は完全に休暇モード、みんな徐々に"夏を楽しむぞ態勢"に入っていきます。暗く長い冬があるため、太陽光のありがたみを身をもって知っているオランダの人たち、夏に対する本気度が違いますねっ!笑

*オランダのバカンス事情*

○休暇に占める海外旅行の割合

オランダ人の85%以上が休暇を取り、そのうちほぼ4分の3の人々が海外旅行に行きます。他の国や場所、世界に行ってみたい!という冒険心開拓者精神が、中世のオランダ大航海時代から脈々と続いているんだなあという気がします!(←言い過ぎ!笑)

○移動手段

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オランダ以外の国に行く人のうち、約49%が飛行機で目的地まで移動し、約44%が車で旅行しています。残りの7%はバス、電車、ボートなど他の交通手段で旅行します。夏休みにヨーロッパ内の他の国々に行くと、オランダナンバーの車を高頻度で見かけます。

これはとても特徴的なことを表しているのですが、オランダの人は車で行けるところであれば、(ある程度)どこまでも自家用車やキャンピングカーで行きます!笑 これには、自由や自主性を重んじるオランダ気質が間違いなく関係していると個人的に思います。

数年前、私もパートナーの家族と1000キロ以上離れたフランスのニースまで車で行きました。車でと聞いて最初はびっくりしたのですが、たしかにかなり時間はかかるものの、自分たちのペースで休憩したい時に適度に休憩を入れながら移動することができます。現地に着いてからは交通手段など諸々に制限されることなく、好きなように自由に広範囲を回ることができました。ただし、運転する人は絶対大変ですよね(汗)

飛行機でありがちな荷物の超過料金などを気にすることなく、必要な物を好きなだけ詰め込んで持っていけるのもメリットかもしれません。

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○海外旅行に使う金額

1年に1回長期間の海外旅行をする人たちもいますし、年に数回海外に旅行する人たちも多くいるので個人差や家庭差があるとは思いますが、オランダの人は海外での休暇に平均830ユーロを費やしているそうです。

○滞在の仕方

オランダ人のバカンススタイルを見ているとわかるのですが、旅行中の日程にハードに予定を詰め込む人はほとんどいません。それよりは、メインの滞在拠点を決めて、そこを基点にその地で暮らすように滞在するスタイルが主流のようです。

○休むことの大切さ

ともすれば、オランダ人はバカンスに出かけるために働いているのでは?と思えるかもしれません。私はとっても良いなと思います。仕事ももちろん大事ですが、オランダの人々はそれ以上に家族や大切な人たちと過ごす時間をとても大切に考えているのです。

そして、みんな良い意味で無理をしません。とてもメリハリが効いていて、「やることはしっかりやるけど、休む時はしっかり休むべき!」、「人間にとって休むことは必要だ!」という確固たる信念?をみんなが同じように持っています。こうしてみんなが共通認識を持っていると、休みを取るのが申し訳ないと引け目を感じることもなく、結局全員が気楽に休めていいですよね!

とは言っても、そんなに長い休みをどうやってみんな取っているの?それで仕事回る…?と思った方のために、オランダ社会の合理的なシステムを紹介して、終わりたいと思います。

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