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食欲の爆発を和らげるために何ができるのか

この日、妻の食欲がとどまることを知らなかった。浴室の天井についている水滴たちを「ゼリーみたいでおいしそう...」と虚ろな表情で眺めている。

(ときおり訪れる、目の前のすべてが食べ物に見えてくる食欲爆発タイム。

くれぐれも、「ぼくは太ってもいいし、関係ないからお菓子食べちゃおうー」みたいなことは絶対にしてはならない。「わたしはガマンしているのに!」と噛みつかれる。「なんで自分がガマンしなきゃいけないの?」などとは例え自分がデブでも言ってはいけない。

食欲モンスターと死闘を繰り広げている彼女らの横で、協力してくれると思っていたパートナーが「大変だねえー」と言いながらお菓子の袋をこじ開け、むさぼり食っている。その姿を見た彼女たちの絶望度合いときたら。

こうなってしまったら、誰にも止められない。お菓子を投げつけられても当然の報い。彼女たちの極限まで溜まったストレスをただひたすらに全身で受け止める肉壁になるしかない。)

就寝前になっても、妻は「食べたい食べたい食べたい」と呟きながら、辺りをさまよっていた。自分もなんとかしようと、寝る前でも身体に負担がない食べ物を調べていた。

そうしたら、妻は突然「めんつゆ...めんつゆをお湯割りで飲もう」と思い立った。「正気か?」と思いつつ(こうなったら誰にも止められないので)、「じゃあ、おれも飲むよ!」と付き合うことにした。結果、これがすごい効果があった。

念のために調べたら、そもそもめんつゆダイエットなるものがあるらしい。

食欲は胃ではなく脳からの信号ですので、実際に胃を埋めなくても食欲を満たすことが出来ます。何か食べたいと思っている時は、言い換えると「タンパク質・炭水化物・塩分」の3つを欲している時。麺つゆには、アミノ酸(タンパク質)・糖分(炭水化物)・塩化ナトリウム(塩分)が含まれているので、欲している3つ全て満たして食欲を抑えることが出来るんです。

まとめ記事はそんなに信用していないけど、食欲は脳からの信号という部分はなんとなくイメージはできた。たしかに、めんつゆお湯割りを飲んでいると「さっきまで蕎麦食べてた?」みたいな気になってくる。カロリーが低いのも嬉しい。

たまたま、妻が少しお高めなめんつゆ を買っていたこともあって、罪悪感が少なかったのも功を奏した。めんつゆで脳をうまくダマせているうちに寝てしまえ、と布団にかけこんだ。

今後も非常事態に備えて、冷蔵庫にはめんつゆを一本そなえておきたい。この時期で、もっと食について、身体について理解を深めておくことにする。

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