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[英詩]Seamus Heaney, 'Fiddleheads'

※ 旧「英詩が読めるようになるマガジン」(2016年3月1日—2022年11月30日)の記事の避難先マガジンです。リンク先は順次修正してゆきます。

今回はシェーマス・ヒーニ(ノーベル文学賞を受賞したアイルランドの詩人)の詩 'Fiddleheads' (2006年)を読みます。詩集 'District and Circle'(2006年度T. S. エリオット賞受賞作品) に収められた詩です。日本人の名前が出てくるめずらしい詩です。

前回は 'Home Fires'「炉の火」を読みました。石炭バケツとストーブの蓋という「モノ」を通して、19世紀のドロシ・ワーズワースおよび20世紀のオーデンの時代を浮かびあがらせる作品でしたね。

目次
原詩
日本語訳
韻律
 頭韻
 母音韻
構文
解釈
虎岩
 アイロニー
 読みは読者にゆだねられる
食用としてのワラビ
本詩集におけるエロティックなもの

※「英詩が読めるようになるマガジン」の本配信です。コメント等がありましたら、「[英詩]コメント用ノート(201708)」へどうぞ。

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英詩の実践的な読みのコツを考えるマガジンです。

【発行周期】月3回配信予定(他に1〜2回、サブ・テーマの記事を配信することがあります)
【内容】〈英詩の基礎知識〉〈英語で書かれた詩〉〈歌われる英詩〉の三つで構成します。
【取上げる詩】2016年11月から主にボブ・ディランとシェーマス・ヒーニでやっています。英語で書く詩人として最新のノーベル文学賞詩人たちです。
【ひとこと】忙しい現代人ほど詩的エッセンスの吸収法を知っていることがプラスになります! 毎回、英詩の実践的な読みのコツを紹介し、考えます。▶︎英詩について、日本語訳・構文・韻律・解釈・考察などの多角的な切り口で迫ります。

英語で書かれた詩のバックナンバーはこちらをご覧ください。

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原詩

Fiddleheads
Seamus Heaney


Fiddlehead ferns are a delicacy where? Japan? Estonia? Ireland long ago?

I say Japan because when I think of those delicious things I think of my friend Toraiwa, and the surprise I felt when he asked me about the erotic. He said it belonged in poetry and he wanted more of it.

So here they are, Toraiwa, frilled, infolded, tenderized, in a little steaming basket, just for you.


日本語訳

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