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17世紀のアイルランド語

土日は京都にこもってアイルランド語研究会で17世紀のアイルランド語を読んでいた。その中で発見したことがあるので書いてみる。

・基本に忠実に
・文脈から読む
・名詞と動名詞

基本に忠実に

これは読んで字のごとくで、特につけ加えることもない。つねに初心に還る。

私たちの場合だと、出発点はアイルランド西部のアイルランド語文法なので、その基本に立ち帰る。

この姿勢は、時として途方にくれるような場合に、突破口を開いてくれることがある。虚心坦懐に見つめる。見えるものをそのまま受取る。ちょうど妖精をみる老人のように。向こうからは見えているのだ。見えないのはこちらの目の問題。

文脈から読む

端的に言うと辞書をあまりに頼りにしない。もちろん、可能な限り、すべての辞書や文法書にはまず当たる。それでも推測がつかない場合のことだ。

そもそも、17世紀のアイルランド語にドンピシャの辞書や文法書があるわけでもない。必然的に、現代アイルランド語や古アイルランド語といった、側面からのアプローチになる。周辺から攻めて行ってどれだけ推理力を発揮できるか。

文脈をじぃっと見る。すると、こういう意味や用法としか思えないという姿が浮かび上がってくる。あとは、それを裏づける記述を辞書や文法書で、それがあるはずだという目で探してみる。たいがい出てくる。出てこなくても、それを最良の推論としておけば、いつか解がみつかることもある。

名詞と動名詞

明らかに名詞であっても、それを動名詞と解釈するほかない場面は実は多い。そんなときに名詞だからと動名詞と見ることを尻込みする必要はない。

よく調べると、名詞が動名詞に由来していることも少なくない。

だから、動名詞として辞書に記載がなくとも、文法的に動名詞の役割がぴたりとはまるならば、その可能性は排除しないほうがよい。

某大学の生協がやっているレストランは日曜も開いていた。今日のランチ594円。ハンバーグとサラダとポテト、スープ、ライス付き。

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記念に、今日、最後に分かって疲れもふっ飛んだ文を書いておく。

Óir ní bhiadh ar súil-ne ré sochar ná somhaoin dár rochtain féin, ar siad, dá ndeachmaois do chathughadh ré Dál gCais .i. an cineadh is cródha 7 is calma i gcath láithribh; 7 an cineadh fós nár theith ré Lochlannchaibh riamh, is deimhin nach teithfidís romhainne acht mar sin.

(大意) 「というのも、我々が見込む財や富が我らのもとへ達することはないでありましょう」と彼らは言った、「もし我らがダール・ガシュと争いになれば、すなわち、戦場でこの上なく勇敢で強いダール・ガシュと争いになれば。さらにダール・ガシュはヴァイキングを相手にして逃げ出したこともなく、また実に我らを相手にして逃げ出したこともないのであります」。

ダール・ガシュは10世紀にアイルランド南部で強大であった一族。

#コラム #アイルランド語 #文法 #辞書 #文脈 #17世紀

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