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2、痩せるための原理

痩せるという辞書的な意味

まず「痩せる」という言葉の意味を考えてみる事にします。頭に浮かぶ意味合いとしては「体重が減る」とか「身体が細くなる、スリムになる」といったことをではないでしょうか。私もそう思っていたのですが、辞書的には少し考えさせられるようです。

手元にあった紙媒体の国語辞典では「体重が減って身体が細くなる、植物を成長させる土の力や栄養分が減ってきて育ちにくくなる」と言った意味の事が書かれていました。最初の意味が普段使われている内容と同じと考えてよいでしょう。もう一つ、現代の言葉を少し茶化したような辞典がありましたが、その中では「痩せる」という言葉が記載されていませんでした。

ところがインターネット上の辞書では「体の肉が落ちて細くなる、土地が持つ草木を育む力が弱くなる」といった意味が書かれていました。このニュアンスだと「枯れる」に近いというような、肉付きが悪くなるといったイメージになりそうです。

どうやら痩せるという言葉は本来、あまり好い意味には使われていなかったようですね。とは言っても、言葉は生き物です。意味や使い方も時代を経ることで少しずつ変化していっても不思議ではありません。

いつの頃からかは分かりませんが、人間の身体に限れば痩せるという言葉は努力を必要とする行動につながるからでしょうか、肯定的な意味としても定着したようです。

痩せるための原理

生命あるものはすべて、その生命を維持するために何らかの形で代謝を行ないます。そして代謝を通してエネルギーを獲得するために、必要な栄養素を取り入れ、不要になったものを排出します。そして生み出したエネルギーを使って生命を維持するための活動を行い、その活動によってエネルギーを消費します。これは人間も同様です。

ただ、今の時代の人間にとっては栄養素の獲得はさほど困難ではありませんし、必要に応じていつでも望むものを手に入れることが出来るでしょう。しかしこれはごく最近になって可能になったことです。本来はそうそう簡単にできる話ではなかったでしょうから、余ったら貯蔵しておくという事が必要だったことは容易に想像がつくと思います。これは人間の身体にとっても同じことです。

そう考えると、獲得したエネルギーと消費したエネルギーのバランスが適正かどうかは、痩せるという事を考えるうえで重要な課題になってきそうです。エネルギーという言葉では分かりにくいので、カロリーと置き換えてみると分かりやすくなります。

結論から言うと、(獲得したカロリー量)と(消費したカロリー量)を比べて、前者が多ければカロリーを脂肪の形に変えて体内に貯蔵しますし、反対に後者の方が多ければ貯蔵した脂肪をどんどん使っていくことになります。その脂肪を貯蔵する場所が内臓の周辺で、これを内臓脂肪と呼んでいるんです。

体についた脂肪は銀行の口座に例えられたりします。皮下脂肪は定期預金口座で内臓脂肪は普通預金の口座というわけです。何故かというと、内臓脂肪は必要があればどんどん消費して身体の代謝に使われますので、出すも貯めるも自由に出来るということです。因みに皮下脂肪が出し入れがしにくい定期預金口座だと表現されるのは、皮下脂肪は身体の内部を護ったり体温を維持したりする役割があるからだとされています。

その内臓脂肪ですが、生活習慣病を引き起こす元凶の様に言われていますし、身体にとってもあまり好くないんじゃないかとして減らすような指導を受けたりもします。健康診断などでメタボの疑いが~なんていうことになったら、しっかりと指導を受けることになりますよね。経験した事がある人もいらっしゃるでしょう。

そして無理やりでも減らすために運動を推奨されることになって、少しでも頑張って減らしましょうという圧力(?)を受けるわけですね。運動をすることでカロリーの消費を促進させると同時に健康的な身体を作るために、出来れば生活の中の習慣の一つにまで成ればいいですねとなるわけです。

いずれにしても、入るカロリーが多いので消費するカロリーを増やしてバランスを取ろうということです。この辺りのコントロールは自分で行うのが原則ですが、こうして自分の身体をデザインして、健康的な生活習慣を身につけることを目指しましょう。

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