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様々な考えと考察

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世にある様々なことへの考察や人生を軸とした考えなど。
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記事一覧

スタートレック:ピカード(S3)有終の美を飾るための「作品愛」

Star Trek:Picard Final Season "Ep.10:The Last Generation"をもってピカードとそのクルー達の長い長い物語が完結しました。 前回や前々回に続いて感想です。 これまでと最終シーズンの概要(このセクションはネタバレなし)Season.1では ピカードの隠棲からの再起、人生の再生とデータとの別れ。 が描かれ、Star Trek Nemesisからの空白の期間を補完するようなかたちで展開し、ピカードが必ずしも幸せとはいえない人生

日本ドラマの「サイコパス/ソシオパス」表現は違和感がすごい。

日本のドラマや映画などでは、ある人物がクライマックスに本性を示し豹変して「ワハハー」「ヒャッハー」って大笑いする、傍目にも恥ずかしい演技の演出がありますね。 あれはサイコパス/ソシオパスをまるっきり間違って捉えてるんだと思う。 たぶん、発狂者か演技性パーソナリティ障害の切り取りだ。 そもそもサイコパス/ソシオパスの「問題」は共感性と倫理観の欠如で、その人におけるごく一般的な心理状態のままその延長線上で悪さや迷惑行為を働いてしまう点で、急に豹変したり笑ったりしないし、むしろ淡々

スタートレック:ピカード シーズン2感想文おかわり。Qの心境を深掘る。

以前にスタートレック:ピカード Season.2についての感想はざっとまとめましたが「おかわり」的な感じでもう少し。 Q連続体の一員「Q」とジャン=リュック・ピカードの関係について改めて触れたいと思います。 新スタートレック(TNG)から長くトレッキーとして観続けている人にとっては、この二人の因縁の…というか奇妙な関係はよく心得ていることと思います。 その前提で話を進めます。 Qとピカードと作品への関わり知っている人は読まなくてもわかるはずなので飛ばしてください。 TNG

「アルコール依存症」の二次被害を知っていますか?

アルコール依存症は、一般的には長らく「アル中」という言葉で認知されてきていたし現状もその通りだと思う。 身の回りを見渡してみれば重度ではないにせよそういった気(け)のある人は思い浮かぶんじゃないでしょうか。 これを読む人達がどこまでその深刻性を理解しているかはわかりませんが、それぐらい社会に身近な依存症であり社会問題です。 WHOのファクトシートに基づく見解では「アルコール」は以下のような好ましくない結果があると結論づけられています。 この記事は具体的にアルコール依存症に

'21年度の素晴らしかったコマーシャル麒麟特製レモンサワー「みな美しき(華)篇」

麒麟特製レモンサワー「みな美しき(華)篇」(30秒Ver.) ちょうど1年前となる2021年3月から展開された、キリンビール株式会社による「麒麟特製レモンサワー」のブランドCFとして内村光良をメインとしたバージョンの「華篇」。 …というメーカーのプレス文言にもある通り、屋形船というロケーションとディテールを照らす照明演出だけで表現されているシンプルなこの構成は「日本人の意識における情緒と共感」に全振りしてすごい作品だなと感じていました。 屋形船、花火の光で浮かび上がるデ

「私はコミュニケーションができる」と勘違いさせるSNSという「罪」

SNSによって人と人との距離は縮まったが、本質的なコミュニケーションは遠ざかったと思う。 SNSの過剰な発達によって「コミュニケーションが不得手な人」でさえも人と接触できるようになったが、それは「私はコミュニケーションができる」と錯覚=勘違いさせてしまう弊害を生んだ。 そもそも本質的な対人関係の仕組みをわきまえていない人間が、仮想的な環境でコミュニケーションを築くのはリアルより難しい。っていう事実を忘れさせるぐらいSNSというのは社会を変えてしまったということだ。 例えば

ユーザー体験を売る店「山谷酒場」に行ってきた

最近はUI/UXという言葉が広く普及し「体験」を重視する/したものが増えた。とりわけお店などは体験を売っている部分があると思う。 そんな前置きはいいとして、前々より一部では話題になっていた「山谷酒場」という店に行く機会が作れたので行ってきた。 ずっと行きたいと願っていた場所でもある。 山谷酒場の詳細はこちら↓をどうぞ。 結論からいうと、山谷酒場は「体験を売る」がしっくりくる飲食店だった。メニューにはエスニック料理やスパイスを活かしたアレンジ料理が盛りだくさん。でも、専門

昭和風俗への回帰ってなんでしょうね

ここ数年、とりわけ去年・今年と昭和レトロや昭和風俗をテーマにした商業活動が増えている気がする。 時代が令和に変わり改めて昭和の良さに想いを馳せる、振り返るといった意味もあると思うがその取り組み方には釈然としないものを感じる。 ―主にそういった施策を実行しているのは大手土地不動産業の方々で、展開先は商業施設となってくる。 例えば「○×横丁」のような名目で展開したりと様々だが、それはあくまでも雰囲気だけを取り繕い"昭和的な"エッセンスを掻い摘まんだだけの魂の宿らない器だ。そう

たしかに国は夜から衰退した

寝るな日本人 国は夜から衰退する数年前に、この挑発的な見出しの記事が批判的な意味合いで話題になった。 寝るな日本人 国は夜から衰退する 日経ビジネス 2017年9月22日 https://business.nikkei.com/atcl/NBD/15/special/091900772/ 雑誌タイトルが「寝るな日本人」で賛否両論! 「薄給激務で夜遊べない」vs「消費しろというのは間違いではない」 https://getnews.jp/archives/1913025 こ

悔いなく生きる

「悔いなく生きる」って難しいことですね。 人生というのは悔いだらけで終わるものだと思います。 ただ、自分の選択で納得してその結果に至ることができるのならば。 やらないことやらなかったことを悔やむぐらいならば。 選択と覚悟さえできればその後悔ぐらいはせずに済むのだろう。 生きている人間として「まずやってみる」って姿勢は重要だ。 わたくしはもともと決断力も行動力もあるほうではあったけど、それでもどこかセーブして自ら熱量を抑えているところはあった。 それは仕事があるからとかやら

"自分"ブランド化に迷走する人々を見て思うことあれこれ

自分をいろいろなかたちで売り出している人が増えたけど、ブランドとしてどのように確立させていくかという部分を理解している人は少ないので、誰もが迷走している感じがする。 あと、(セックスワーカー/ポルノコンテンツメーカーは本職なので別)サブスク型サービスで自分のエロを中途半端に切り売りしている人が驚くほどに増えたが「それであなたの未来はポジティブに変わるんでしたっけ?」という感覚が強い。たぶん中長期的に見てネガティブな影響が出る。 そこまでの未来や影響力を考えて腹を据えていない