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【TVCMの効果最大化のための基本的ノウハウ】2020年度版(前半)

約50回以上、30万GRP程度のボリュームのTVCMのディレクション、クリエイション、プランニングを企業側で行ってきた(他社コンサル含めるとそれ以上)経験と、成功体験(一部失敗体験)を活かし、今回は全10項目においてTVCMに関するノウハウを提供いたします。

<前段>

TV離れが叫ばれる中、TVCM出稿はやや低調に推移していたり、出稿ボリュームが実は伸びている(業界にもよる)と色々なデータがある。

マスの時代は終わったと一部ネット系代理店の方は言うがそんなとこはない。特有の視聴態度、日本国の特性などからも、マスはマスというところで、認知×リーチが獲得できる有効的代替手法も存在はしないのも事実である。特に決済者層や、東京以外で年収が平均より10〜20%程度低い層はまだTV視聴は根強いし、CMは効く。リーチ効率だけ見ると他メディアと比較して安いのもの事実である。

元電通の佐藤氏(ファンベース著)もマスを積極肯定している。
ユーザーや消費者によっては、大事なのは媒体(メディア)そのものよりも、それが自身のライフスタイルの中で必然か否かという部分で、TVだから云々というより、ターゲットとする人が、TVを見るのであれば、そのタッチポイントでコミュニケーションを図れば良いということである。
よって、TVCMは実施した方が良いのかと言われれば、結論はケースバイケースで正解はない。

CMは魔法でも何でも無く、あくまでコミュニケーションのイチ手段のため、資金があればCM出稿できて、売上や利益も伸びるのに!という考えの場合は、全くその前段である戦略が無きに等しく、平和な脳みそだと言わざるを得ません。短期・中期・長期で事業成長に貢献できるのか、ROIとして見合うのかを計算した方が良いでしょう。やる理由があればやるべきだし、やる理由が無ければ予算を垂れ流すだけです。またCMは水モノという方もいますが、しっかり設計すれば勝てます(そこが大変なのですが)

原則、一定期間の回収を前提に「認知×リーチ」に振り切る、ターゲットが未だにTV視聴者かつ、多少のプッシュ型要素もあるコミュニケーションが有効であると判断した、10億円を超えるキャンペーン全体の予算アロケーションとしてCMに一定予算を割く、リスクも大きいが、一定期間の母集団形成を行いたいといった目的であれば検討に至ります。サービスやクリエイティブも含めた打ち方次第では、健在層の獲得を主とするWebのダイレクトレスポンス系ADより低いCPA、CPI、CPOの成果を出し、予算を短期回収することもあります(マスの方がCV単価が高いというのは一概に言えません)

前提:TVCMが有効な場合×5パターン

1.特定のエリアにおいて認知、興味関心まで到達させたい
(特に獲得数重視であればWebより有効的である場合もあり、300万円程度で十分出稿が可能)

2.新しい概念、カテゴリで顕在層もいないため、まずは認知を図りたい
(プッシュ型は否定もあるが強制的な認知には向いている)

3,生活必需品だが、パーセプションチェンジによりシェアを取っていきたい
(大手消費財、キャリア、人材、旅行、不動産などが特に向いている)

4.予算が億単位であり、数年規模でマーケティング活動を行っていく計画がある
(Webマーケの限界があり、最終的な母数と成長率を最大化させる)

5.採用、社員ロイヤリティなど副次的な影響を得たい
(ROI、ROASを計測するのは難しいですが、そこは経営者の考え方です)

CMを実施したからといって、勝てる(成功)わけではないが、勝って(成功)いる企業は上手くCMを活用しています。ここでは勝てるCMのノウハウの基礎だけまとめております。どうせやるなら勝つための設計に拘る、そうすることで、数千万、数億円の予算が売上、利益となり回収されていきます。1億の1%を改善できるだけで、100万円分の予算が有効に働きます。

負ける(失敗する)ケースとして、多いのが既に予算が多くあるナショクラや、調達後のベンチャーがとりあえず安直なCMで、予算を溶かしてしまう(=回収ができない)ケースです。本当に勿体ないなと思いますが、いかんせん代理店、制作プロダクションの言うことを全て鵜呑みにしてしまうことが理由として大きいと思います(最悪なのはユーザー便宜視点ではなく、自分が作りたい、自分が過去の経験だけからしか引っ張ってこない発想の提案をされてしまうことです)

逆に良い担当に恵まれた場合は、それだけで成功確率が高くなります。代理店、制作サイドは最悪CMが失敗しても困ることはないので、つい潜在的に自分ごと化しきれずツメが甘くなる部分もあるので、上手くパートナーとしての関係を築きましょう。そのためには仲良しごっことではなく、広告主側からの精度とレベルの高いオリエン、ディレクションが非常に重要です。

(※過去最高の成果はアプリで「CPI:約100円」というものです。その時の同サービスにおいては、運用していたスマホ広告のCPIが約200〜400円だったため「10倍以上の"コスト効率"」と「約500万DL数という"規模"の両面がマスで担保できた事例です。これはCM前日のPRの仕掛けもハマったという追い風もありました。)

①情報収集は、ググったり、CM実施企業の社長に聞いても意味がない

まず情報収集でググっても意味が無い理由は3点あります。

・実際CMを深く担当しないと分からないことが多く、表面上の知見は殆ど使えないため
・営業目的で、作られた正論が存在しているため
・色々な利害が存在するので、まともなノウハウは局、代理店、プロダクションサイドを考慮し、表に出さないし出せない

※Webマーケと情報の出方が違う

次にCM実施企業の社長に聞いても意味がないとしては、社長自らがプロモーションの複合的経験があり、現場最前線でディレクションしているわけではなく、担当や代理店からの表面上の情報しかないため、さも知ったかで話すものの、薄っぺらい、もしくは、その企業特有の方法や情報しか聞けなく、客観的にアドバイスは出来ないためです。聞いてちゃんとしたノウハウを持っている人は、業界でも数名程度しかいないかなと思います。

②目的の置き方

CMを実施する目的を履き違えないように気をつけないといけません。売上、利益を伸ばすため、それは全ての企業が共通としていることで、そのためにWeb広告、SNS、MA、SALES、DM、雑誌、新聞、各種PR・広報、動画、コンテンツ、SEM、SEOなどあらゆる手法が存在するわけで。。。

なぜ、CMを実施しないといけないのか?まずはキャンペーン全体の目的とKGIを定めてからです。その上で、戦術やKPI達成のためにCMが必要なら、初めてそこでCM実施の検討に至るわけです。さら後述しますが、同じCMでも配信エリアやボリューム、期間、クリエイティブなど、いわゆる打ち方次第で、全くもって目的を達成するものが変わってきますので、まずはベースとなる目的、戦略を第一に決めましょう。

ちなみに当たり前ですが、一定GRPにおける全国放映のCMで、無難?に有効なのが認知×リーチを目的としていて、かつ全国にターゲットが母数として多くいることです。

CPAやCPIを基準とするだけのアプリや、Webサービスだけであれば、オンライン中心のキャンペーンで良いわけですし、ダイレクトレスポンスでなくとも、あえてWebの特性を最大限活用する方が、キャンペーンのゴールを達成できるのであれば、Web中心のプロモーション設計で良いわけです。

実際、CM予算分を割いた、2017年頭の「SNOW✕ドコモ 卒アル(卒業盛ルバム)」キャンペーンはCMに投下する予算の1/3で、CMと同等の効果を得られたと担当部長はあるカンファレンスで公言していました。この場合のCMと同等の効果は露出(広告換算値)とアクション(検索)のみにフォーカスしています。

これは課題であった「ドコモは元気感が他社キャリアに比べ無く、若者人気が落ちてきている」というイメージを変化させるために、SNOWとタイアップして若者に浸透させるという施策を打ったわけで、ターゲットの憧れの「りこぴん」「本田響矢」を出演させ、「学校で何かあるのか?」というインパクトを設け、「懐かしいシーン」での共感、「メッセージの連呼」における定着化、「ストーリーを通じて楽しくなる」というベネフィット、しっかり検索させるという「アクション」ラストの企業名を出したスポンサード効果など、上手くハマった例といえるでしょう。

さらに同社の盛りコレキャンペーンでは「キレッキレのダンス」でインパクトを「懐かしいポーズ:で共感を、「そこまで遡る?」というツッコミどころを、目が離せないというカメラワークを、「アイドルの普段見られない姿」による良い違和感を、メッセージは盛るで、これも検索に間接的に落としています。

決してCMありきでは考えていない良い例です、というより、目的に対して、手段をしっかり考えられている例といった方が良いでしょう。

今一度、目的ありきで、CMを実施するか否かを検討するべきで、もしCMを実施したいのであれば、逆算した目的の設定が必要になってくるでしょう。全国規模のCM、つまりマスキャンペーンは社員ロイヤリティの向上や採用促進効果もあるので、そのあたりも若干加味しても良いかもしれません。

③局、代理店、制作、キャスティングの商流に関して

CMを実施する際に、考えないとならない「商流」こちらは正解はありませんが、それぞれメリット・デメリットが存在します。

まず、基本的にバイイングは色々な代理店で行えます。ただ汐留、赤坂さんが、優先的にキー局、準キー局、ローカル局、全ての良い時間帯に入れられることに変わりが無いので、この2社がオススメです。

ちなみにパブリシティ枠や番組仕込みの交渉や、各種膨大なデータからの仮説分析やレポーティングも強いです。番組に固執するスポットキャペーンもあまり、今や存在しませんが、どうしてもこの番組に入れるという目的が存在すれば、汐留のみ、赤坂のみという場合もあるので、それは事前にCMの局担に探りを入れるのも良いでしょう。

またほとんどのクライアントはやっていませんが、事前に局に軽いネゴシエーション(局担当と繋がり無いと出来ないです)をしておき、その後、代理店経由で情報を入れるとスムーズでしょう。
ただ、あからさまに行うと代理店さんの顔も潰すことになるので、慎重なコミュニケーションを推奨します。上手くやると、より代理さんからの支持も得られます(局からタイムの提案を直で受けたら、基本受けるが、まずタイムは実施意義が普通は非常に低いので、上手く交わしつつ、代理店さんと相談します ^_^ という回答が優等生です)

なお、代理店経由で行う際には、指名かコンペかも決める必要があります。信頼できる代理店および担当がいれば指名で良いと思います。「指名しますので、宜しくお願いします、コミットしてくださいね。」ということで優位な条件を引き出せるのであれば、です。

ただ、それがなく、ストイックに決めたい場合はコンペで良いと思います。経験が薄い企業か、他店の提案も見たい場合などもコンペで。ただコンペの仕方を知らないと微妙です。基本は同時に時間をずらしたオリエン、からの提案とし、もし絵コンテ以上のレベルまで求める場合は、クリエイティブフィーも発生することも多いので、そのマナーはしっかりした方が良いでしょう。

あと、知らないベンチャーがやってしまうのが、2つの代理店から局に見積もりを入れてしまうこと。これをやると局が混乱するのと、これはコンペのCMだなと分かってしまうので、断言しますが、交渉が効かなくなってしまいます。

コンペではコミットできる単価を出してもらい、最終局調整が最も上手く交渉できます。このあたりは多くのベンチャーが知らず知らず損をしてしまっています。(局は言ってきませんが、実際印象が良くないです)

代理店サイドにもいたので分かるのですが、クライアントの前では悪い顔はしませんが、一定リソースの中、クライアントに本当にコミット出来るか否かは、クライアントの対応に左右される部分が大きいです。代理店は使うものはなく、運命共同体の大事なパートナーとして、一緒にやっていくスタンスを最初から持つべきです。それが結果、細部に活き、効果となって還元されてきます。

ちなみに局はあくまでメディアで、その局の枠さえ売れれば良いわけなので、話半分、最終的なプランニングはあくまで代理店マターとしましょう。

あと考慮すべき点としては、制作とキャスティングを直で行うか、代理店経由で行うかです。

◎代理店経由で行うメリット
・商品、サービスに関するオリエンが1回で済む
・プランニングに対してのクリエイティブで認識の齟齬が無い
・コミュニケーションが一括で済む
◎代理店経由で行うデメリット
・制作とキャスティングはバックマージンのためプラスのフィーが発生する
(制作直だと5,000万円で済む制作料が、5,500万円〜となるなど)
・制作に微妙なニュアンスが代理店経由になるため伝わりににくい
・スピード感が少し鈍る

わたくしは両方経験がありますが、クライアントサイドで制作ディレクションと、さらにはキャスティングのマネージメントもできる人間がいれば(あまりいない)、代理店経由ではなく、直で進める、方がコスト的にもおすすめです。

そうでない場合は、代理店経由で、制作は基本は代理店であるものの、CCで制作サイドと直のコミュニケーションも許容いただけるとベストだと思います。

最初に商流の部分も考えた上で、代理店にオリエンやコンペの相談をしましょう。昨今、汐留や赤坂より独立し、動いている方も多く、そういった方を上手くコンサル(なんちゃってマーケターとクリエイターが凄く多く、単価も安くないので要注意)に入れるか、有効なバイイングのためにお手伝いいただくのも手ですが、ちゃんとした代理店の担当営業がいれば問題ありません。

④実施期間に関して

CMは時期によって単価が異なります。6月は少し安い、など。
よって時事的影響が受けにくい商品商材は単価が安い時期にキャンペーンを打つのも良いでしょう、また競合が必ず実施する時期にあえて重ねるのか、前に外すのか、後ろにずらすのか等も狙った目的や、商品、サービスのポジショニングによって変わってきますので、慎重考えましょう。

バッドケースは、単価が高い時期に放映し、さらに競合に食われ、認知至らずということです。詰めが甘いと、このようなケースに陥る場合もあります。CMは競合他社との情報戦でもあります。

ちなみに「あくまで」傾向ですが、以下月毎のコストイメージです(100をベースとしております)

1:80
2:90
3:120
4:90
5:90
6:100
7:100
8:80
9:100
10:100
11:120
12:120(年末年始は100〜110)

⑤コスト単価に関して

TVCM単価は昭和初期にエイヤで決まり、キー局がこれくらいだから地方局はこれくらという形で、意外とゆるく決まった背景があります。

またコストは以下の式で決まります。
(年契などもありますが、その要素は省く)

「出稿回数」×「企業銘柄、定性」×「過去出稿量」×「今回の出稿量」×「時期」×「?」


?は何かというと「関係性」です。局と代理店、局と広告主、代理店と広告主、この関係で決まり、差分は1.5倍くらいあります。下手な交渉をしても安くはなりません、逆に嫌がられます。原則はマージンを引いてという交渉も無しです。出稿が10億以上で、クリエイティブも全て代理店にお任せするとかなると別ですが・・・

よって、実はナショナルクライアント級の一定ボリュームを出稿をしている定性が良い企業よりも、ベンチャーの方が単価が安くなるケースもあります(稀ですが)

結構最近あるのが「汐留とか赤坂なんかに頼んだら高い。我々はリーズナブルに打てる。しかも1本から可能。」
⇒これ実は結果としてタイムバイイングであったり、バイイングの交渉が、ほぼ発生していないため、高くなっています。

ベンチャーにとっては特に単価が安い(線引も大事)だけで、投資回収が早まるので、このあたりは非常に重要です。考慮しておくと良いでしょう。

もし、提案された単価が高いのでは!?過去打った単価は適切だったか?と思う場合はご相談に乗ります(noteには書けませんが単価の目安をお伝えできます)

⑥素材秒数に関して

素材は原則15秒オススメです。とはいえ、30秒が悪いということでは一切ないです。
15秒で伝えられる限界があり、30秒だと、全く世の中に認知されていないカテゴリに対して、一定の時間で伝えることがしやすくなる、また世界観やコンテンツとしてのストーリーも作りやすいというメリットがあります。

ただ、難点は以下のようなことがあります。

・十分なリーチが取れない(同日で流せる本数が下がり、リーチは理論上数割落ちる、どんな番組が反応するかのデータが無い場合は、一旦最低リーチは取っておいた方が良い)
・1GRPあたりコストが2倍になる
・線引が少し不利になるので、本末転倒になってしまう
・クリエイティブによるが、30秒は飽きられやすいので途中視聴離脱する
・リーチを低くして、ターゲットコストを重視しすぎると、FQが高まりすぎる

ただ、番組属性による反応が顕著で、タイムをバイイングするといった場合には、30秒は間違いなくあった方が良いです(別素材であれば、15秒×2本も良いのですが・・・)

また、サイトに置いたり、Youtubeにアップする際にも、30秒は有効だったりもします。よほどの事情がない限り、基本15秒と考えて良いでしょう。

⑦エリアと局に関して

配信エリアに関しては全国満遍なくなのか、理由があってエリアを絞るのか、そのあたりのプランも重要になってきます。まず、商材、サービスでエリアを絞る特段な理由がなければ全国で良いと思いますが、予算を抑えたい、情報感度の高い人からの口コミ形成もセットで考えている場合は、東阪名古福札を中心とした10都市配信の方が効率的である場合が多いです。

さらに、関西だと、大阪府以外も関西テレビは視聴出来ますし、九州なら福岡の電波は近隣に入りますし、人口が少ないエリアはあえて配信しなくてもエリアによっては到達していきます。

全国と首都圏のハイブリット型として、全国傾斜というバイイングもあります。例えば5年ほど前であれば、ガラケーユーザーも地方には一定存在しましたので、スマホサービスのキャンペーンであれば、スマホ保有数と率を各都道府県抽出し、リーチ数と効率が良いエリアを中心に傾斜をかけて配信ボリュームを変えていくという形が有効だったりします。

局に関しては、キー局は顕著ですが、定期的に視聴者の傾向が変化します。それによって、どの局に厚めに発注するのが、効果的かを考慮しましょう。とはいえ、1局集中は結果としてリーチが取れないことになるので(その局をあまり見ない人に当たらない、ないしUUが偏る)注意しましょう。

4局あれば、全てに入れつつ、どこかを厚めにするとか、あえて3局以下に絞ることで、次回以降の価格競争(局値引き)を優位に進めるかなど、駆け引き、交渉において、細かいテクニックがあるので、そのあたりは、平均的にどの局にも入れれば良いというものでは決して無いので注意しましょう。

また少し広報的な要素となりますが、CM出稿と合わせ、無償で、パブ、もしくは番組内で取り上げをいただくことも出来ます。が、その方法は、あえて触れません。ただ、広義でいうPR会社の中には「ペイドパブ、プロダクトプレイスメントででいくら」という提案等を、してくるところがありますが、どう考えても高いケースがほとんどなので、番組内取り上げにおいては、特にCM出稿企業は別途コストを払うことなきよう進めるべきです。

⑧期間と配信方法、配信ボリュームの考え方

何週間のキャンペーンとするか、予算との兼ね合いもあると思いますが、一定の認知を図ることを前提に行うのであれば、3週間は欲しいところです。

消費財メーカーのキャンペーンで、全日でバイイングしたとして、3週間、平日最低で90GRP以上、土日130GRP以上(これは配信エリアやバイイング方法によって異なる)で、合計2,130GRPです。

せめて、2,500GRPないと、いわゆるターゲットが「見たことある」というレベルには到達しないので、平日と土日どちらに、どちらだけ寄せるかは既存のサービスのCVR傾向を元に代理店と相談という形とするのが良いでしょう。

約3,000GRP以上行うと「見たことある」というレベルに到達します。その場合は3週間より、4週間に伸ばす選択を取った方が懸命です。また3,800GRPまではある程度認知曲線は伸びるので、予算と相談しながらプランニングしましょう。

加えて、注意点としてGRPありきというより、過去の出稿量の程度(新規か否か)と業種業態ににおいて最適なFQ(フリークエンシー)は異なります。

目的を達成するのに2,000GRPで十分なケースがあります。認知の最適FQの一回目は3〜5回、次に7回前後と言われておりますが、TVをつけっぱなしで、CMを数十回見る人もいれば、0回の人もいます。よって平均GRPではなく、FQ毎のユーザー割合の分布図グラフを作成し、最適FQ以上のリーチするユーザーに当てるべきGRPを見つけ出すと良いでしょう。少なすぎてももったいない投資ですが、無駄な出稿も同様に気をつけたいものです(本来の理想としては該当視聴者がWeb広告に当たるFQも考慮することで、マスとWebの予算アロケーションも決めていくことです)

⑨クリエイティブとキャストの考え方

<クリエイティブ本数>
上記⑥の流れで、クリエイティブは最低2本以上作りましょう。どういう訴求で分けるべきかは、商品、サービスや目的に応じて変わります。2本以上制作する理由は以下3点です。

◎理由.1
2つの訴求を合わせることで、相乗効果を発生させるため
(例:商材、サービスの認知とブランドイメージ向上がKPI+商材の利用方法や利用シーンによる実際の申込数がKPI)

例えば某アイドルグループを知ってもらうにはAさんだけ露出するのではなく、Bさんも別軸で露出させた方が良いということです。訴求を変える方法もあれば、訴求の方向性は一緒だが見せ方を変えるというどちらかが一般です。

◎理由.2
検証ができるため

1週目にクリエイティブA、2週目にクリエイティブB、3週目にABミックス、4週目に3週を通して効果が良かったクリエイティブを起用、というキャンペーン中に効果を見ながら差し替えが出来るため(差し替えは入稿日の都合もあるので、早めに代理店と相談しておく必要あり)

◎理由.3
言わずもかな、次回キャンペーンのクリエイティブを制作する際の参考になるため


以上、最後に、TVはながら視聴が非常に多いです。そこで見ることだけにフォーカスを当てずに、聞くCMを意識しましょう。音でハッとTV画面を見るという動線を視聴者に与えるテクニックが大事です。これは某企業の宣伝部長が大事にしているテクニックです。

総じて、クリエイティブに関しては、定点的にCD(クリエイティブディレクター)を握るようにしましょう。とはいえ、CDがつかないケース(九州電通など一人何役もするケース)もあるので、そこは該当者を中心としたコミュニケーションを取るイメージです。

<クリエイティブのレバレッジ>
クリエイティブは最もレバレッジが効く部分です。3,000GRP未満あたりまでは、比例していわゆるCM自体を見たという認知度は上がるものの、3,000GRPを超えたあたりから、クリエイティブが半無意識に心象に残るものではないと、それ以上の認知が超えにくいです。特にCMは見たことあるかもしれないが、で、何のCM?という形で最も大事なところに落ちないケースが発生します。

一見、同じようなクリエイティブでも5〜10倍程度は効果(商材がWebサービスだとCTVR)が異なります(事例も多い)ので、クリエイティブを馬鹿にせず、しっかり企画しましょう。

どんなプランニングが上手くいってもクリエイティブ次第でハネるか無風か大きく変わってきます。

そしてクリエイティブは正解がない中で、時代とともに傾向があります。
本質的には目的を達成するためにどうするか!ですが、音や動きで興味を引かせるもの、有名タレントのイメージで引っ張るもの、ストーリーで共感させるもの、サービス名を連呼するもの、課題を最初に問いかけ自分ゴト化させるものなど・・・

ただ、最近こういうものが流行っているからうちも、、だと大抵上手くいきません。二番煎じで本質的ではないからです。

例えば音や動きで興味を引いても、今は、相当な意味がそこにないとサービス認知まで落ちませんし、連呼もプロダクトのカテゴリが既に認知されていないと、どんな連呼をしても、何のこっちゃ?で終わります。

ビズリーチは当時、サービス名の連呼をBtoB業界で当たり前にした大きな事例ですが「採用サービス」というマーケットが既に確立されていたので、有効でした。そのマーケットが確立されていない、ないしカテゴリが確立されていない中での連呼は無駄であると言える。そもそもカテゴリの認知を優先させた上で、そのカテゴリ=サービス名の図式を作るか、が重要である。

それくらい、クリエイティブにはテンプレートがあるようでないのです。なんちゃってマーケター同様、なんちゃってクリエイターも多いので、CD(クリエイティブディレクター)を誰にするか、の見極めとオリエンは相当大事と言えるでしょう。名前は売れている、過去実績があるから、だけでは不足です。

<クリエイティブの差し替え頻度>
クリエイティブはあくまで戦略にもよりますが、細かいチューニングは定点的に行う(あまり頻度が短すぎると検証さえもできない)

大訴求方針をガラッと変えるのは1年が目安です(打ったGRPによる)
例えば王道の訴求をまずは1年間し続ける、ただそれだと到達し切れない視聴者が必ずいる。そこで思い切って変化球としてのアプローチをとすることで、不思議と今まで反応しなかった視聴者が発生する、また既存ファン層に対してもプレゼンスが高まるという相乗効果があります。その大方針の中で四半期ないし半期に一度クリエイティブは差し替えて良いと思います。全く同じクリエイティブを一定GRP配信すると、昨今の視聴者は特に飽きる、逆に嫌悪感を感じる、という結果となります。

全てのイベントは1年単位で繰り返されるので、週、月、四半期、半期の目安に加えて基本は1年という単位で戦っていくことを頭に入れておくと良いでしょう。

<キャスト>
次にキャストですが、著名人を必ず利用することが正ではありません、ジャンルにもよりますが、著名人=演技が上手いかは別であるのと、何よりキャスティンフィーが高い(1,500〜3,000万/1クールは少し高いなレベルです)ので、制作や枠代に回した方が全体を通すと効率が良い場合があります。また著名人過ぎると、良くあるのが「あの人が出てるCMだよね!見たことある、で何のCMだっけ?」というケースが意外と多いためで。結果、演者さんのイメージが強すぎて、その絵の認知はクリアするものの、肝心の商材、サービスに落ちない、ということです。これはクリエイティブとセットで考える必要があります。著名人を使う場合は、その人を使う明確な理由がある場合や、競合がいれば、対競合対策として有効な場合もあります。

あくまで、どういう目的のキャンペーンで、それを達成するための、プランニングとクリエイティブ、ではそのクリエイティブを実現するには、キャストは誰が良いか、という思考の順番です。

もちろん人気著名人ほど、競合指定が入っており、オファーが通らなかったり、スケジュールが合うとも100%限らないので、初期段階から、演者のことは頭に入れて進めていくべきです。

個人的にはネクストブレイク枠がおすすめです。凄く著名人ではないものの、今話題かつ今後活躍していくという方です。なぜ良いかというと、キャスティング代が安いのと、活躍しだすと、Youtubeで公式CMとしてアーカイブであげておくと、皆が見に来るので、二次的な訴求も無償で可能なためです。またエンタメ系のニュースで一定取り上げていただける機会にも繋がります。

自分が関わったものだと、有村架純さん、山本美月さんの初期の方のCMが、見事ハマったというケースでした。また契約期間においては、最初にある程度お願いしたいことを盛っておきましょう。後出しジャンケンはご法度です。なお、Youtubeは、その特性上、アーカイブで暫く残しておく(CMは1クール契約だけど、Youtubeは1年など)ことを前提に交渉した方が良いでしょう。事務所によって考えも違うので、上手く交渉する必要があります。

⑩テストマーケティングの考え方

テストマーケを実施する3大ケースは以下です。

【ケース.1】
10億規模のキャンペーンを全国で打つことが決まっており、それを確実に成功させるための事前地方テスト(一般的)
【ケース.2】
使えるMAX予算が限られているから地方しか打てない(どうしてもCM実施の理由がある)
【ケース.3】
失敗できない(回収出来ないと困る)から、テストを行う(失敗しても最小限のリスクに留める)
最後の失敗できないからという理由ですが、最小限のリスクに留めること優先であればOKですが、効果最大化が優先であれば、テストは実施せず、狙ったキャンペーンを最初から実施した方が効果的であると考えます。リスクを鑑みるのであればトラッキングが曖昧で、再現性が少ないCM自体がリスクとなります。

具体的なテストの場合は、予算にもよりますが、検証ボリュームに十分な人口と最適なGRPが確保でき、一定の効果(認知×獲得)も見込めるところが良いでしょう。静岡県が良く選べれるのは、その県民性が日本の平均値とされているからです。逆に県民性=国民性となりにくいのが愛知県(名古屋)のため、このあたりは留意しましょう。また県別でクリエイティブテストをしたい場合は、消費者属性が似ているエリアが近い北陸4県(新潟、富山、石川、福井)あたりで、設計すると良いでしょう。

総じて、サービスと県民性、世帯(個人)当たりのリーチコスト、などなど総合的に加味して慎重に設計しましょう。正解はあるようでありません。

なお、TVとWebでは視聴態度が異なるため、TVで反応が良いものがWebでも良いとは限らず、その逆も然りです。ただ地域性や時期的要素で、公平なテストがし切れない、テストなので、予算を極力押させたいという場合は、旧式方法ですが、ターゲットユーザーに実際テスト視聴をして、その後にアンケートなどで、N1分析をして本番に挑む、ないしマスに近いWeb上のAD枠(Youtubeとは限らない)して、最終アクションまでの行動傾向(CTVR)だけ見るといったやり方でもテストの補完は可能です。

<テストマーケティングにおけるクリエイティブ>
テストマーケティングにおいて「クリエイティブのどこを変えるか?」ですが、色々なパターンがあると思います。例えば有効的なのが問題提起に使われる最初の約3秒(もしくは〆のラストカット)を変更して試す。

例)「◯◯の時間がない!」「〇〇は大変!」「◯◯は嫌い!」
極端な例ですが、これだけで最も良いものと悪いものは7〜8倍の差がありました。

この上で、最終的に良いものを残した形で、さらにABテストをするとこ、より効果的です。

次にターゲットが2種類存在する場合、訴求(クリエイティブ自体)を、ターゲット用に用意します。それで比較して差異が大きく出る場合は、その効果が良い方が、マスコミュニケーションにおいては向いているはずなので、残す。

あまり差異がない場合は両方にそれぞれの訴求で効くということなので、両方とも残しておいた方が良いでしょう。

⑪線引とアクチュアル

意外と知らない線引とアクチュアル。

プラン時の線引はいわゆる全日、コの字、逆Lと言われるものです。GRPを変えずにセグメントが薄くなるほど、単価は高くなります(全日でも5時立ち上がり、6時立ち上がりで若干異なります)ある意味、従来のネットのターゲティング広告と同じ考えです。

ベストなのは出来るだけ広めに引きつつの、その後、出来るだけこの時間、この番組に寄せて欲しいという線引交渉を放映前に2回、放映中であっても毎日チェックはすることが費用対としては有効的です。ただ難易度は高いため、代理店とのリレーションが非常に大事になってきます。

次に「アクチュアル」CMは1,000GRPといって見積もっても、結果視聴率の影響もあり、800GRPなどという着地になります。20%もショートです。1,000GRPは保証ではないので、何の文句も言えません。ただアクチュアルを握ることで、足りない部分を補うアクションが生まれます。せめて、アクチュアルとして、90%超えを目指したいものです。ハマればアクチュアルは100%を超えますが、相当厳しいです。

またアクチュアルを追いすぎるがあまり、GRP(Gross Rating Point)重視主義も良いですが、GAP(Gross Attention Point)=注視(Attention)している割合が結局大事なので、ターゲットとコンテンツの性質を鑑みて、番組単位でしっかり線引をしていくことをオススメします。時間帯というよりは、むしろ番組毎で効果が大きく変わってきます(かためにみても1.5倍以上)それほど番組属性と商材(プロダクト)の関連度は重要です。

キャリア(au、docomo、softbank)など、オールターゲットにように見える商材においても、番組属性で反応は異なります。

なお、線引は細かくかつ毎度改案までしっかり見ていきたい場合は、最短で週単位でも行えますが、1ヶ月出稿するなら1ヶ月と広めの期間で実施するほうが、週マタギのバーター交渉が出来るので、結果オトクであると考えます。

⑫効果測定の方法と考え方

CMの効果測定ってどうするのか?こちらも目的に応じた効果測定になります。当初決めた目的を達成したかは、どういった効果測定をすれば良いのかも、キャンペーン前に必ず決めて準備しておく必要があります。

今回は「ブランド名の認知」という指標であれば、ブランド名の認知調査と、ブランド系ワードの検索クエリなどを見ていくことになると思いますが、実際は、もう一歩二歩深掘りする必要があります。

まず、CM放映のタイミングでは、見せ方次第ですが、必ず検索クエリは少なからず増加します。それがキャンペーン終了後の残存期間(GRPによるが約1週間)以降でどうなっているのか?まず、認知そのものは、30年前と違い、さほど意味の無い指標となってきているため、どう認知したかと、認知の先の態度変容(例:好感度、選好優先度)はもちろん、誰が、どういう行動をしたか、という部分をCMの放映データと、各種取得できるデータを付け合わせ、点ではなく、多面的に、かつ定点観測をしながら見ていく必要はあります。

それにより途中でクリエイティブ差し替えなどの対応も可能です(最初にどうなったら差し替えするかは決めておく必要あり)

・CMを見たと思われる人(それも何回見たか)の瞬発的な各種アクション率・数
・見込み客の母集団形成。問合せ数・質
・Webサービスであればセッション数、CPC
・最終アクションまで辿る経路
・LTVの比較
・CMによって口コミ掲載がどう変わったのか(ソーシャルリスニング)

なども含めて売上、利益にどう貢献したかという投資の評価をしていきたいものです。その上で、マーケティング予算全体のアロケーションを時期によってどうしていくかを計画するための仮説精度が高まります。

このあたりは代理店側で無償、有償で出せるものと、社内データの方でしか出せないものもあるので、こちらもセットでキャンペーン開始前に押さえておきましょう(始まってさあどうしようではな遅いものもあります)

社外では「放映確認のためにビデオリサーチ(県によっては抽出可能なデータは異なる)」「電通のSTADIA」「各種MMMツール(パス解析が主)」「他企業の測定ツール(昨今優秀なものもある)」など、色々ありますが、それらでトラッキングしつつ、Webが受け皿ならGoogle Analyticsなどはもちろん、社内の取得データをつけ合わせ、CMチャンスが、どう視聴者の行動に影響を与えたか、継続的に分析のPDCAを回せるようにしましょう。

また以下3点は全て大事な留意事項です。

▶直接的効果と間接的効果
▶マス・Web(各種ADNW、SNS)の異なるチャネル間の相関効果
▶短期的成果(先行指標)と長期的効果(遅行指標)

CMが直接的にユーザーアクションにダイレクトで繋がった数と効率、間接的に繋がった数と効率、Web広告へどういった影響があったか、オーガニックへどういった影響があったか、認知目的に振ったCMであれば、それが長期でどれくらいのROI・ROASになるか、それぞれで投資の対して、どう評価し、どうCMへの投資戦略を決めていくかが大事です。データを読み違えると、投資戦略も誤ります。

仮にWebサイトがCVポイントである場合、GAのClient ID(Cookieベース)は自動で取得できているので、その先のCV該当フォームでユニークのUserIDを付与する仕組みを設けておくこと。それにより、クラウドCRM(SalesForceとかkintone)にユニークIDと顧客情報が紐づく。それをGAに入れてあげて、例えばSTADIAのデータと統合すれば、CM接触者のLTVまで追えます(殆どの方が意外と知らなく勿体ないなと思います)

⑬CM連動のキャンペーンの設計方法(YouTube、Web、PRなど)

CMと連動したADやPRに関して基本的なことを抑え、それを実行することで狙った効果が最大限期待できます。

◎CM期間中には必ずリスティングで指名検索キャンペーンを誤字も含めて設ける(スマホも)

◎ダイレクトレスポンス系のADNWはCTRが約10%以上アップするので、予算を引き上げ、場合によってはセグメントも広げ機会損失をなくす(効率だけ重視するのであれば広げなくても良い)

◎クリエイティブ全体のとんまなを合わせ、タッチポイントとフリークエンシーの最大最適化を行う

◎山をCM開始時期より後ろにずらす(例えばCMを4週間、ネット広告4週間であれば、重ねずに、CM実施1週間経過時点から4週間とする、特にOOHはCMが終わった後からでも問題ない)
※CMで初期認知を測ってからの連動キャンペーンの方が効果的である

◎PR企画は、CMにちなんだものも検討する(例:演者が出演する企画やキャンペーンなど)

◎YoutubeにCM動画をアップする際は、特にラストカットを微修正する(TV画面で見る検索ボックスの見やすい最適な大きさと、PC、スマホで見る検索ボックスの見やすい大きさは異なる)

◎出来るだけ賑やかしを行うためにメイキングは演者出演の際は撮影しておく(できればサービスで)

◎Web限定CMもセリフ違いで撮影しておくと、YouTube視聴も若干あがる

◎YouTubeにアップする際はmeta情報もしっかりSEO(ASO)を意識して設計する+全国放映の場合は「ネタ」を設けてプレスリリースを配信し、そこにYouTubeへの動線を図る。

◎TrueViewは慎重に(そもそも視聴態度とターゲットのペルソナ属性がCMと異なるので、単純にTVの補完として実施しないこと)

なお、やりがちですが「CM実施中」といったWebのバナークリエイティブは、ほぼ意味が無いので、やらなくても大丈夫です。むしろターゲットや訴求クリエイティブ次第では逆効果となります。

コンビニでアサヒスーパードライの缶に「CM実施中!」と貼ってあっても、それが消費者は買う理由にならない時代といえば分かるでしょうか。

⑭やって良い交渉と、やってはいけない交渉

裏技というと聞こえは微妙ですが、テクニックとしていくつか大事なことと、ご法度なことをいくつか網羅します。ご法度なことをしたクライアントも知っていますが、その後、成功したキャンペーンを見た記憶がございません・・・

<OK事項>
・グロス予算と他社へ浮気をしないことを理由に値引き交渉
(代理店×局との年契でそもそも単価を安くするという方法もありますが、年契分は配信しないといけないリスクも存在します)
・メイキングや、Youtube映像などの編集を無償で相談すること
・線引コミット交渉
・アクチュアルコミット交渉
<NG事項>
・2つの代理店から放送局へ見積もりを入れること
(局が混乱し、印象を悪くします+単価交渉がし難くなります)
・コンペ決定後に他店に相談、流すこと
・代理店経由なのに局や制作と直でコミュニケーションを頻繁に取ること
・現場で監督に直接指示すること(オフライン時や、本編集で場合によってはOKだ が、ちゃんと分かっている人がいることが前提です)

以上
TVCMは一言で行っても奥が非常に深く、投資額が多いいからこそ、ざっくりではなく、しっかり進めることで短中長期的な商材、サービスの、しいては企業の成長に繋がります。予算は大事に使いましょう。

またCM関連の事業を営む企業も増えておりますが、自社利益を得ての事業なので、提案は慎重に受けた方が良いです。スタートアップ企業で、これは下手な提案受けちゃったな、と思う案件がチラホラ垣間見られます(T_T)
(応用編は別途)

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