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『絶対に行けない世界の非公開区域99』ノート

ダニエル・スミス著
ナショナル・ジオグラフィック社刊
2021年3月20日

 世界には様々な理由による〝立入禁止区域〟がある。
 軍事機密基地、研究施設、諜報機関の本部、宗教施設など歴史上秘匿されてきた施設や区域など、噂されているがどこにあるのかわからない、あるいは著しく危険な地域などが99ヶ所、写真や地図、非公開の理由付きで紹介されている。

 目次を見るだけで興味津々の内容である。以下、いくつかあげてみよう。
●「グーグル・データセンター」…世界中に10ヶ所以上あるとされ、100万台以上のサーバーが稼働していると言われている。
●「朝鮮労働党39号室」…「室」と名が付いているが、北朝鮮の政府高官が個人的に使用するドルを調達する機関である。金正日の個人的な資金調達機関であった。当然いまも活動中と考えられる。
●「CIA本部」…アメリカの小説などでは、よく「ラングレー」と呼ばれている。CIAはアメリカ中央情報局という世界最強の諜報機関である。バージニア州ラングレーにあるので、こう呼ばれる。
 世界最強といいながら、2001年の9・11同時多発テロの情報を得ながら未然に防ぐことができなかったことなど、多くの失敗を重ねている。新旧の本部ビルがあるが、新しい方は〝ジョージ・ブッシュ情報センター〟と呼ばれており、その名はCIA長官を務め、大統領にまで上りつめた父ブッシュに由来する。
●「米国疾病対策センター」…最近の新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延で、たびたび名前がTVなどで報道されるようになった機関で、略称は〝CDC〟という。ニュースで聞かれた方も多いだろう。
 ここは、いまは根絶された天然痘ウイルスの保存を許可されている2ヶ所の施設のうちの1つである(もう1ヶ所はロシア国立ウイルス学・生物工学研究センター)。このウイルスを巡っては、永遠にこの天然痘ウイルスを葬り去るべきか、それとも研究のために保存しておくべきか、WHOなどでも議論がされている。
●「エリア51」…UFOや宇宙人の遺骸が保管され、研究されているとの噂が根強くあるアメリカ空軍施設である。
 1995年にビル・クリントン大統領が特定の環境規制対象から除外するという大統領令に署名するまで、アメリカ政府はエリア51の存在自体を公式に認めてこなかった。そして1997年に機密解除されたが、この場所で行われているプロジェクトについては、いまも最高機密扱いとなっている。

 こうやって紹介し始めると、面白くてきりがないのでやめるが、以下いくつか施設名を挙げてみよう。

 ニューヨーク連邦銀行保管庫(世界の金の5分の1を超える5600トンの金備蓄があると言われている)、英国王室造幣局ロイヤルミント、バッキンガム宮殿のエリザベス女王の寝室(以前、ある男が侵入して、10分間にわたって女王と会話をしたという事件があった)、ヒトラーの地下壕、バチカン機密文書館、イスラエルの諜報機関モサドの本部、秦の始皇帝陵など。
 一風変わった場所として、1968年に北太平洋で沈没したソ連の核搭載潜水艦K-129(アメリカが密かに一部を引き揚げたといわれている)、コカ・コーラのレシピ保管庫、ジョージ・ルーカスの私有施設であるスカイウォーカー・ランチ(レーガン大統領でさえ見学を断られた)などなど。わが国ではただ1ヶ所、伊勢神宮がリストアップされている。

 筆者は99ヶ所のうち、名前を聞いたことがあったのは31ヶ所しかなかった。
 この文を書くために目次を見て、これは何だったかなと該当ページを開いてしまい、結局最後までまた読んでしまった。

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