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将棋のマスクなし反則負けを通して考えたこと

どーも、ゆーすけです。

2022年10月28日にA級順位戦永瀬拓矢王座-佐藤天彦九段戦において、
マスクの不着用を理由とする佐藤九段の反則負けが発生しました。
この出来事は様々な面で波紋を呼んでいます。
そこで今回は、起こった事象を整理し原因を分析した上で、自分の生活にどう生かせるかを考えてみることとします。

事実の整理

当日におこった出来事を整理すると以下のようになります。

  • 佐藤九段が対局中にマスクを外す。

  • 永瀬王座が日本将棋連盟に相談。

  • 臨時対局規定に則り、反則の裁定を下す。

臨時対局規定は以下のように運用がなされています。(日本将棋連盟HPより抜粋)

第1条
対局者は、対局中は、一時的な場合を除き、マスク(原則として不織布)を着用しなければならない。但し、健康上やむを得ない理由があり、かつ、予め届け出て、常務会の承認を得た場合は、この限りではない。
第3条
対局者が第1条の規定に反したときは、対局規定第3章第8条冒頭各号の違反行為に準じる反則負けとする。
第4条
前条の反則負けの判定は立会人が行い、立会人がいない対局においては、対局規定第3章第9条第4項の順序に従い、立会人の任を代行するものが行う。この判定に不服がある対局者は、対局規定第3章第8条第6項に準じて、判定後1週間以内に、その内容を常務会に提訴することができる。


同規定は本年2月1日から施行しており、弊社団に所属し、公式戦に出場する棋士・女流棋士に事前通知し、第1条のマスクを外す「一時的な場合」として、
 ●食事をしているとき
 ●飲み物を飲むとき
 ●周りに人がいない(2m以上離れている)とき
等を想定しており、その他のケースについては対局規定第1章第2項に基づいて常務会の判断となる旨を併せて通知しておりました。

https://www.shogi.or.jp/news/2022/10/post_2196.html

原因

なぜこのようなことが起こってしまったのか。
一言でいえば、当事者意識が欠如していて、
指摘がなかった(対応しなかった)からだと考えます。

問題は誰が?ということです。
それは連盟の上層部や現役棋士だけでなく、将棋への興味の有無に関わりなく日本語を読める人全員です。
なぜか。
この対局規定は週刊誌、スポーツ新聞、インターネット配信などあらゆる媒体で公開されているパブリックなものだからです。


どこか「自分は引っかからないから」「将棋をしないから」と当事者意識に欠けていたのではないでしょうか。

現役棋士

この出来事のあとに規定がおかしいと声を上げた棋士の方々がいらっしゃいます。
おかしいことにおかしいと声を上げたことは一人の人間として尊敬します。
しかし、なぜ8ヶ月も放置をしてしまったのかということを振り返っていだだきたいです。

外野

SNSで指摘をした、コメント欄で批判したという人がいるでしょう。
ただそれは「指摘」ではありません。
指摘するとは相手に、ここでは日本将棋連盟に「伝える」ことです。
SNS、例えばTwitterに書き込んだところで果たしてその意見は届くのでしょうか?
相手のもとに届かない限り、それは自己満足でしかありません。
もちろんこの記事も自己満足です。

連盟執行部

対局規定は2月のうちに拡散されていました。

棋士、女流棋士、奨励会員の健康を守るため、やむをえない決定と考えます

やむを得ないならばなぜ、臨時対局規定廃止の条件を決定しなかったのでしょうか。
8ヶ月もあるのならば、条件を定め、数回見直すことができたはずです。
その理由の1つとして、競技団体特有の事情があげられます。
それは「実績=団体での立場」となりがちだということです。
この規定に反対していた日浦八段はタイトル出場経験がなく、立場が低くなりやすかったことが想定されます。
それ自体が悪とするつもりはありません。
しかし、そうではない人の意見にも耳を傾けることが必要ではないでしょうか。

今後自分がどう生かすか

自分がこの騒動で感じ、今後に生かせると感じたことをざっくりとまとめてみました。

  • あらゆることに関して当事者意識を持つ

  • 自己満足で終わらない。相手に要望し、行動に移してもらえるような行動をとる

  • 一旦、意見に耳を傾ける(傾聴する)

「ルールはルール」の本当の意味

「ルールはルール」という言葉が、ルールの見直しに後ろ向きの姿勢を表す言葉として使われています。
自分も「ルールはルール」だとは思っていますが、それには前提があります。
ルールが不条理であった場合、それに直面する前にルール改定に向けて動くべきであるということです。
理想論かもしれませんが、

  • ルールが邪魔になる前にルールを変えていく

  • 「ルールが邪魔」と然るべきところに然るべき手段で伝えていく

ことが必要だと思います。

ルールを守ることとルールを変えることは、決して矛盾するものではありません。
だからこそ、実現のために当事者意識を持っていく必要があると思います。

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