Err202-Episode01
2022年7月。
始めてのクリニックに行くことがとても嫌いだ。
もとはといえば、10年程前にパニック障害になってから
アクティブだった自分の行動に制限が若干かかった。
今はもう、ほぼ寛解しているけれども。
それはまた別の記事で書こうと思う。
初めてのクリニック探しは何を基準にして探せば良いかわからない。
とりあえず、何かあった時のために通いやすさを考えて
大きめの隣駅で探してみることにした。
検索して口コミサイトを見てみる。
優しそうな先生だ。
ここにしてみようかな。
決め手が分からないからとりあえずで予約して、予約日の今日である。
クリニックに到着後、ドクターらしき人から全身をちらっと見られる。
見た目で目立つのはわかっているし、慣れているけれど嫌な視線ではなく
何かを考えているような視線。
何だろうなと思いつつ、すぐに呼ばれて採血と採尿。
数値が出るのを待ってから呼びますねと言われて少し待つ。
この慣れない場所での待ち時間は余計にドキドキする。
「〇〇さーん、診察室へどうぞ。」
呼ばれた。
グレイヘアのドクターがニコニコ笑いながら座っている。
優しそうな先生だ。
「色々聞きたいんだけど…。」
「まず、ごめんね。この数値だと糖尿病は確定なんだよね。」
すごく穏やかな声で謝られながら先生が注意深く話してくれる。
「でも、〇〇さんの体型でそんな訳ないって思ってたんだよね…。」
「まだ若いしなぁ…。」
ドクターがつぶやきながら、私に言う。
ーーーいやそんなこと言われても、現時点でその数値出てるんでしょ…。
私はどう受け止めたら良いんだよ…。
と心の中では思いつつ、現実味もないまま話を聞く。
「一時期にすごく甘いものを飲んだとか、糖質制限のダイエットをしたとかなんかある?」
「スタバとか好き?」
矢継ぎ早に色々と質問されて、戸惑いつつも答える。
「飲んではいたけど、毎日とは飲んでないですね…。糖質制限はしたことあって、10kgくらい痩せたかな…。」
「仕事柄よくカフェには行ってはいたけれど、甘いものよりそこまで甘くない方が好きだけど、行くのを辞めたがいいですか?」
「どの飲み物でもすごく砂糖がたくさん入っているから、できる限り行かない方が良いかな。」
「分かりました。」
「糖尿病ってね、Ⅰ型とⅡ型があってね、たぶんⅡ型だとは思うんだけど、その結果はまだわからないから2週間後にもう一回来てもらっていい?それまではインスリン注射を始めようか、1日1回で良いから。飲み薬はゆくゆくってことで。」
突然の病名。
まさか自分がそうなるとは思ってもいなかったし、さらっと説明されたけれどⅠ型とⅡ型ってなんの違いがあるんだ…。
不安そうな顔でドクターが察してくれた。
「Ⅰ型は自己免疫疾患で、一生付き合っていかなければいけない。Ⅱ型は生活習慣を変えることで改善されるケースが多い。すごく分かりやすく説明するとこんな感じ。」
「Ⅰ型だったら、この先ずっとインスリン注射はしないといけないし、一生付き合っていかないといけないことになるね。
ーーーマジかぁ…。
心の中なんて、そんな感じである。
よりによって私が。