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☆本#552,553 迷走「失踪者 上下」シャルロッテ・リンク著を読んで

ドイツ人作家のイギリス人・イギリスが舞台の小説。

イギリスの田舎に住むエレインは幼馴染のロザンナの結婚式に招待され、ジブラルタルへ行くため空港へ向かう。本来なら午前の便で行く予定が、障がい者の兄ジェフのため午後便に変更したところ、霧のため欠航に。
初めて兄の世話や田舎から出ていくことを楽しみにしていたのに。翌日の便でも式には確実に間に合わない。絶望して涙が止まらなくなる。間違って男性トイレへ向かっていたため、男性とぶつかる。話の流れからその男性の家に一晩泊めてもらうことになり、翌日エレインは姿を消す。

エレインの失踪から5年後、ロザンナに元上司ニックから連絡がくる。失踪事件の記事を書く依頼で、1つ目がエレインの事件だった。5年経った今も彼女は見つかっていない。
夫のデニスと義理の息子で16歳のロバートのけんかや、夫の管理下にいてただの専業主婦なことにも不満のあったロザンナは、ちょうど父親の誕生日で久しぶりにイギリス本土へ行くことになっていたので、仕事を受けるかどうかニックと会って決めることにする。

デニスはロザンナが自分の下を離れたのが気に入らない。息子がパーティに行くのも心配で、いつものようにけんかになる。ロバートは絶対パーティに行くと宣言し、出かけたまま帰って来ず…。

父の誕生日で久しぶりに兄のセドリックと会うロザンナ。兄と、彼の幼馴染のジェフに会いに行く。

田舎のパブで働く女性は、ある男から逃げて、田舎に隠れていた。
大家の老人男性がしつこくなってきたので、引っ越すことにする。彼女の名前はエレイン。

犬の散歩中の女性が、女性の死体を発見。それは、行方不明のティーンネイジャーだった。フィールダー警部は、別の女性殺害事件との共通性に気付き…。

ロザンナは空港でエレインを連れて帰った男性マークに連絡し、乗り気でないマークとなんとか会うことになる。

ニックから連絡があり、失踪事件についてロザンナがテレビに出演することになる。マークが犯人と思えず、番組でも彼が犯人だと決めつけられていることに反発し、擁護するような発言をしてしまう。すると、エレインは生きていると言う男性から連絡があり…。


複数の登場人物が語り手で、主な登場人物の迷走がありつつ、複数のドラマが展開。

イギリス人が描写するイギリス人はもう少し毒舌というか、ぎりぎりのブラックユーモアというか、そういうのがあるような気がする。
ジブラルタルの位置確認。



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