デンマークと、精子・卵子提供による未婚の親という選択
デンマーク在住者のエッセイを読んでいたら、デンマークで有名な50代半ばの男性が卵子を購入し、シングル・ファーザーになったというのが気になった。
男性で珍しい、と違和感。男性の場合購入せずとも子どもを持つことは可能なのに。
それでちょっと調べてみた。
デンマークは九州よりちょっと小さいサイズで、人口は兵庫県と同じくらいで約581万人。若年層の人口が増えている。医療費無料、出産費無料、教育費無料、充実した高齢者サービス。
独身女性で子どもが欲しい人は精子バンクを利用するのは普通。世界最大の精子バンク・卵子バンクの会社はデンマークのクリオス・インターナショナルで、昨年日本に上陸した。ちなみに、提供者の写真を見て選べる。
不妊以外で、結婚せず子どもが欲しい女性や、レズ、ゲイからの需要が増えているらしい、世界的に。
なるほど。
とはいえ、シングル・ペアレントと住む子どもの割合はアメリカが130か国中23%で一番多かった(FACTANKリンク)。 日本は7%で意外と少ない。デンマークは17%。
2015年のガーディアンの記事に、なぜデンマークの女性はシングルマザーを選ぶのかというのがあった。
デンマークでは学費が無料なので30歳ぐらいまでは勉強に集中する。それからキャリアを始めるとすぐ35歳ぐらいになり、女性は子どもを欲しいと思い始める。でも男性はキャリア優先でまだ先でいいと思う。そこで、子どもの欲しい女性はパートナーを探すより産むほうを選択し始めた。
つまり、産むには年齢制限があるから。
なので、クリオス・インターナショナルによると2015年時点で女性客は約半数がシングルで、85%が31~45歳、その内半分が修士かそれ以上の高学歴。2020年は70%がシングルではないかと予測している。
デンマークでは再婚や養子で血のつながらない家族も珍しくないらしいので、子どもを産んでそれからパートナー探しというひともいると思う。
家族のかたちは多様化している。
以前、アメリカで女性が年齢に関係なく自分の遺伝子を持つ子どもを持てる研究が進んでいるという記事を読んだ。実現したら、年齢の制限からは解放される。
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