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☆本#245 「国境の南、太陽の西」村上春樹著を再読

最近、この本の評価が前より上がった的な記事を読んだので再読してみた。
以前読んだ時も、ほかの長編とは違って不倫ものだったので記憶に残らなかった。今回発見というか気付きはあったけど、なんというか主人公に都合が良過ぎる気がして微妙。

主人公は男性で30代半ば過ぎ。妻と、子供が二人いて、バーを2軒経営している。仕事はうまくいっているし、夫婦仲もうまくいっている。たまに浮気してもばれず。朝はプールに泳ぎに行ったりする。

先日読んだ短編の女性経営者と被る。

で、小学生のころの初恋の人と再会し、昔も今も両想いであることを知る。妻子を置いて彼女のもとに走るも、翌朝彼女は消えてしまって、2度と会えないことはわかる。妻のもとに戻る。浮気は気づかれていたけど、ひとまず元さや。

途中、10代のころの美人じゃない恋人の話が出てくる。この美人じゃない設定は、ほかの短編でもちょいちょい出てくる。美人じゃないといっても不細工というわけではない。

設定が不倫じゃなくて(主人公が独身とか)、2冊以降続く長編だったら、女性を探しに行ったかな。どこか異次元(?)にいる彼女のもとに…。

先日読んだ短編には「やれやれ」というセリフが出てきて、なんかちょっと懐かしかったけど、この作品では「損なわれる」というのが出てきてまたちょっと懐かしかった。どちらも著者の比較的多頻出ワードではないかと。

作家の佐藤愛子は、2回連続して芥川賞候補となり、翌年(?)直木賞を受賞したらしい。著者も、芥川賞候補後、直木賞を獲得してもよかった気がする、その後の実績を考慮すると。ただ、なんとなくだけど文体が洋書風というか、そこ選考委員に好まれなかったんだろうなと推測。。。独特といえば独特な気もするけど…。評価した一人は丸谷才一。

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