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☆本#334 他国で生き直す「ブルックリンの少女」ギョーム・ミュッソ著を読んで

著者の本はまだ数冊しか読んでないけど、失踪したり、死んだと思っていた人が実は生きていたり、というパターンがよく見られて、今回も同じく。
ただ、主な語り手の主人公が男性で、けんか別れした婚約者を探すことからが隠したがっていた過去、ある事件を暴く流れが、著者のほかの本よりミステリー本っぽい。

舞台のフランスから後半はアメリカにわたるけど、そこでの日々が数日程度にもかかわらず、展開が早くて、ページ数は結構あるけど、一気に読み進んでしまった。

主人公はおそらくアラフォーの人気作家。バツイチでかわいい盛りの幼い子供がいる。婚約者は20代半ばの研修医。結婚まであと3週間のバカンス中に、過去をあまり話さない彼女に詰め寄ったため喧嘩となり、その後彼女に見せられた画像に打ちのめされたところ、彼女が失踪。
友人の元警官の助けを借りて彼女を探すも、どうやら誰かに拉致された模様。いろいろ調査していくうちに、彼女がフランス人ではなく、アメリカ人であることや、どうやら10代でほかの少女とともに拉致監禁されていた経験があることがわかっていく。
彼女の出身地アメリカのニューヨークに行き、関係者に会ったりしていくうちに、真実にたどり着く。

ラストでは、なぜ元警官が出てきてたのか意味が明らかになるけど、著者の感情描写はきめ細かい。

著者の作品は、アジア人がちょいちょい出てくるのも好印象。

この作品の肝でもある、監禁事件について、いくつかここ10年くらいで起こった事件を思い出した。例えば、ヨーロッパの事件では実の娘を地下室に閉じ込めて暴行とか、アメリカのある事件でも複数の娘を誘拐して、やはり地下室に個別に閉じ込め暴行し、それで子供が生まれたり。。。のちに、見つかったひともいるけど、その後の人生は生きづらかったに違いない。この事件かは忘れたけど、誘拐犯との疑似恋愛的感情が生まれるケースがあることを知った。脳による、精神の破綻回避策か?
オーストラリアのある事件にいたっては、親族のみが集まって暮らしている土地があって、そこでは娘が生まれると親族で暴行するとか。。。ひどすぎるし、恐ろしい。


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