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☆本#345 期待を裏切らない「六人の嘘つきな大学生」浅倉秋成著を読んで

書評で知り、面白いことが前提で読んでも面白かった。

前半と後半に分かれていて、前半は、就活で5000人の中から選ばれた6人の優秀な大学生の話。最終選考はグループディスカッションと言われ、全員が採用される可能性があると聞き、結束。チームワークもできてきたところで人事から、採用は1名のみと連絡がくる。最終選考で、思わぬ展開となるも、1名決定。
後半は数年後。最終選考日の事件の真相が暴かれる。語り手は、関係者に会って話を聞き、犯人もわかり、気になっていた別の問題も乗り越え、フェアに終わる。動機は意外だったけど。最後まできっちり伏線回収。

ポイントは、ひとの多面性。なんか納得なのが、人事部に人を見る目があるとは限らないとか、企業は優秀な人材獲得のために装っているというか繕っているというか。
この作品ではスティーブ・ジョブズの例が出てきたけど、彼みたいなタイプを人事担当者が採用するのは確かにハードル高いだろうな。とはいえ、大部分のポジションは、応募者が取得した資格等から判断できるだろうけど。

著者の本は初めて読んだけど、デビューが20代前半と早いせいか、これまでの作品は学生が主人公のものが多い。次に読むとしたら、デビュー作だな。

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