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☆本#550,551 意思「だからダスティンは死んだ Before she knew him」ピーター・スワンソン著、「その手をにぎりたい」柚木麻子著を読んで

前者は著者の5作目。これまで著者の本は数冊読んできたけど、これは話が進むほど面白くなってきた(個人的見解)。が、日本語タイトルが、そこポイントじゃない気が。
主な語り手は二組の夫婦。

ヘンと夫のロイドはボストン郊外に越してくる。近所のパーティで隣家の夫婦、マシューとマイラと知り合い、家に招待される。あまり行きたくなかったヘンはマシューの書斎で、殺害されたダスティンのトロフィーを見つける。彼女がそれを見つけたことを、マシューが気付く。

ヘンはロイドに、マシューがダスティンを殺したのではと話すがあまり信用してもらえない。彼女は長年躁鬱病で苦しんでいて、現在も薬が手放せない状況だから。マシューはいつもヘンの体調を気にしている。
ヘンは警察に通報する。警察がマシューを取り調べるも、特に怪しい点はなく、ヘンの過去の病状等を知り、彼女の妄想だと考える。

実はマシューはほんとうにダスティンを殺していた。彼はひとまずトロフィーを箱詰めし、場所を移す。
マシューは私立高校の歴史の教師で、同僚のミシェルが恋人のことで悩んでいるのを知っていた。そこで、その恋人の始末も考えていて、ある日実行する。マシューを怪しいと思っていて後をつけたヘンは、それを目撃してしまう。
その後、マシューはヘンに、真実を告白して重荷から解き放たれるも、弟のリチャードもついに事件を起こし…。
一方、ヘンはマシューに夫について意味深なことを言われ…。


欧米の小説は文字数が多い傾向が高く、作中に複数の現状が描かれる。ので、その説明いるのか、と思うこともあるけど、今作は悲劇が悲劇過ぎずさらっと描かれている点はよかったかも。


後者は、最近同じ苗字の作家の作品を数冊読んでいたので、こっちも読みたくなって久々読んでみた。
1983年から1992年までの10年間、田舎から都会にできた女性の、高級鮨店・すし職人とのつながりを基軸とした、成長と独自の恋愛ストーリー。

本木青子は24年の人生で初めて高級鮨店のカウンターに座る。故郷に帰るため退職することになったので、送別会として社長がわざわざ予約してくれたのだ。そこで、若手の職人が出してくれたヅケのおいしさを知り、同時にその職人にも興味を持つ。

その後、帰省は結局やめて、不動産会社に転職。
あの鮨店の常連になるべく、数カ月おきに通うようになる。
仕事は激務だけど昇進し、同僚と付き合うようになるも、職人が結婚することを知り…。


その後、恋人との別れ、友人との決別、バブル崩壊、入院等、様々なことが起き、最後、タイトルに結びつく。
主人公は最後の章ではまだ33歳だけど、描写は40代のよう。






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