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☆本447-449 「上級国民/下級国民」橘玲著、「土を喰う日々」水上勉著、「あきらめません!」垣谷美雨著を読んで

「上級国民/下級国民」は、下級国民の誕生、女性の非正規が増えた理由、経済低迷の理由、世界一高い賃金をさらに引き上げるフランス、リベラル化する社会、リバタニアとドメスティックス、アメリカ社会の分断、等々、興味深かった。

以前も何かの記事で読んだことがあるような気がするけど、ユーラシア大陸の大半を制覇して巨大なハーレムをつくったというチンギス・ハンの子孫の数がすごい。

モンゴル人の4人に1人がチンギス・ハンの「直系の子孫」

「遺伝人類学入門 チンギス・ハンのDNAは何を語るか」太田博樹著

「グローバル化によって数億人が貧困から脱出」し、「世界全体における不平等は急速に縮小」。「世界が全体としてゆたかになった代償として、先進国の中間層が崩壊」、というのは、なるほど。

「人工知能が人間の知能を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)は2045年」だという。知識社会は終わるのか?

勉強に関しては、過去に読んだアメリカの調査によると、幼少期のケアがポイントだと思うが…。

「土を喰う日々 ーわが精進十二カ月ー」は、映画を先に観て興味を持ち読んでみた。著者が軽井沢で自炊してる12か月の話。子供のころ寺で習った精進料理はどれも、多少手間がかかりそうだけど、旬のものを食すって贅沢。

著者の父親は大工で、弁当箱に味噌と塩とめしだけ入れて、山で惣菜を収穫して食べていたという。そのおかげか、筋肉もついていて、栄養失調にもならず、長寿だったとか。
アイルランドのノーベル賞作家も確かベジタリアンで長寿だったことを思い出す。

料理を作る手順も載っていて、その中にある梅干しは作ってみたくなった。

「あきらめません!」の主人公は会社を定年退職した60代主婦。夫も既に定年退職しており、今は元いた会社に嘱託として勤めている。
ある日、夫が母親が心配なので、田舎に帰りたいという。実は、会社を辞めたいらしい。ひとまず退職には同意し、結局、夫の田舎に移住する。
ところが、思ったより退屈な田舎暮らしで、偶然出会ったシニアの女性議員に説得され、議員を目指すことになり…。
語り手は、この女性だけでなく、アラサー主婦もいる。彼女は夫の収入だけでは少ないので、パートをしている。家事・育児、パートの仕事に忙しい中、義母が家出し…。

田舎での男尊女卑、威張るシニア男性と彼らのセクハラ、議会で男性議員がほとんどなので女性が望む保育や安全性への補助が出ない等、様々な問題も描かれ、展開が少々できすぎ感もあるけど、読んでてすっきり。

しがらみのなさ、クオータ制の即導入、スピード感がポイント。多分その前提でバランスって大事。

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