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損する気づかい、得する気づかい(3)

社会に出て組織の中に身を置くと、嫌と言うほど身につくものが“気づかい”である。
仕事や取引を円滑に進めるために、一定の気づかいは必要だと思っている。
だが、誤った気づかいの仕方が時に仇となる場面もいくつも目にしてきた。
そこで今回私が選んだ1冊は【損する気づかい、得する気づかい】である。
ここでいう損得とは著者の価値観で区分けしているが、これは使える!と共感できた部分もあるので紹介しようと思う。

①わらしべ質問
これは相手の会話をわらの束に置き換えて考え、その束から1本のわらを抜き出して会話を繋げるという手法だ。
私はよく、顧客との会話で言葉の返しが思いつかないことがあり、沈黙が続いて気まずい雰囲気のまま見送ることがある。
笑顔で誤魔化すこともあるが、スマートな対応とは言えず悩んでいた。
このわらしべ質問はまさにそんな場面に有効的だと思う。

②役割を入れ替える
年齢を重ねると、良くも悪くもそれぞれ役割が固定されてしまいがちだが、この役割を入れ替えてみるというやり方はこれまで見えていなかった相手の苦労がわかるのだという。
これはビジネスシーンでも家庭内でも実践ができ、役割変えてみることであらゆる視点も変わり、感謝の念が生まれることもあるのだそうだ。
これは完成された関係性の人たちほど、相手に対する慣れを壊すチャンスになりうるのではないだろうか。

③相手が取りやすいボール(言葉)を投げる
会話は言葉のキャッチボールという例えがあるが、好き勝手に投げていてはキャッチボールは成立しない。
取引や交渉の場では、変化球などの多様な球種を用いることもあるが、相手にとって一番受け止めやすい球は恐らく直球なのだと思う。
これは決してストレートな言葉選びをしなさいと言っているのではない。
相手が返答しやすい球を意識して投げてあげればキャッチボールが続きやすい、つまりコミニュケーションが取りやすくなるのだ。

④スピード+行動力=信頼
これは私も常々思っていることなのだが、信頼できない人はメールの返信が遅く、依頼した案件に取り掛かるのもとにかく遅い。
もし進捗が遅れているならその報告をしてくれるだけでもいい。
フォローできる範囲が広ければこちらとしては有難いのだが、なかには挽回が厳しい局面にきてから相談をしてくる強者がいる。
正直、こうした相手とは一緒に仕事をしたくない。
何らかの問題が起きてもすぐ対処できる人とそうでない人では信頼に大きな差が出てくるように、スピードと行動力は信頼関係を築く上で重要なのだ。

⑤定番に+α
誕生日やサプライズのお祝いなどでちょっとユニークな贈り物や演出を考える人がいるが、それをセンスと捉えていいものなのか疑問に思っていた。
過去に友人のバースデーパーティーに招待されたことがあるのだが、今思い出してもその会はとにかく酷かった。
事前準備をしてきた主催者の頑張りは認めるが、そのパーティーは祝って貰うはずの主役よりも主催者の自己満足を強く感じたのだった。
そんな経験もあり、やはり定番が一番だと改めて感じている。
特別感を出したいのであれば、プレゼントに名入れするとか、誕生石のもの選ぶとか、定番に+αくらいがちょうどいいのはないだろうか。

兎にも角にも、気づかいとは他者視点であることを忘れてはいけないように思う。
普段気づかいとしてやっていた行いが、相手によっては迷惑にもなり得るのだ。

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