私を変えてくれた日
結婚して10年の月日が流れ、ふと周りを見渡すと同級生や後輩だった子たちも親になっていた。
双子のママだったり、三兄弟を育てていたりと目紛しい毎日を送っている様子をSNSを通して感じ取っていた。
結婚して20代の頃は不妊治療に臨んだ時期もあったが、それも年数を重ねる毎に段々と諦めの境地となり、いつしか通院を辞めてしまっていたのだった。
だが、ちょうどその頃から趣味に没頭するようになり、功を奏して副業として確立することが出来た。
これからは自分の好きなこと、やりたいことを思う存分楽しんで生きて行こうと意気込み、アラサーに分類されるようになった頃からは今までに無いほどに人生を謳歌していた。
そんな感じで周りとは少し違った生き方を歩み始めた私だったのだが、ある日を境に私の人生観は180度変わることとなる。
体調不良が数週間も続いていた私は、様々な検査を受けており、その日は消化器内科でお腹のエコーを撮影していた。
すると、なんだか子宮に違和感を見つけたらしく、緊急で婦人科を受診することになったのだ。
不妊体質だったこともあり、なにか大きな病気なのではと胸騒ぎを抑えられないまま、紹介先の病院へと急いで向かった。
病院に到着し、再度お腹のエコーを確認して貰うと白黒のモニターに小さな物体が映し出され、淡々と語る女医さんから耳を疑う言葉を聞かされることとなる。
『あー!赤ちゃんがいるね。』
あれから数ヶ月経った今でも、その光景は鮮明に思い出せるほどの衝撃だった。
だが、次の瞬間にはママになる喜びと嬉しさが込み上げてきたのを覚えている。
これからはこの命と人生を作りあげたいと。
1つの小さな命が“私を変えてくれた日”となった。
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