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呪いよ解けよ!

まさか私、呪われてる?そんな疑問が脳裏をよぎるほど今年はツイてない。長年生きてきたから、まあ持病だの不具合だの、カラダにガタはきていたけれど、こんなにも次から次へと不調が噴き出すことになろうとは・・・。

そんな時につい気になるのは、占い。ネットでチョチョイと調べてみると、結果は最悪。運勢悪すぎ!どないなっとん!?どこをどう見ても今年の運勢は底辺の底辺。うわぁショック~。

でもまあ運勢が悪いのは私にはどうしようも出来ないので、それはそれで受け止めて、時が不運を流し去るのを静かに待つことにしましょう。それよりも実際的に具合の悪いところを治す努力をしなくては。

という訳で、今年はもう何回もお医者さんのお世話になっています。

私の住んでいるフランスでは、基本、お医者さんは予約制。病院ではなくてBureau、つまりオフィスへ行くことになります。オフィスと言っても診察台や基本的な医療道具は揃えてあるので、触診や軽い処置くらいならそこでやってもらえます。

何か調子悪いな、と思ったら、先ずはかかりつけの一般医のところへ。かかりつけなので今までの病歴を把握してくれているお医者さんなのですが、専門的な治療はしてくれません。ここでは検査のオーダーを出してもらったり、対処薬(解熱剤とか湿布とか)を処方してもらったりします。

エコーやレントゲンなどの検査も予約制。そして、その結果を持って専門医、もちろんこちらも予約制、のところへ行きます。

もうお気づきですよね。そうです。フランスで具合が悪くなったら、とにかく予約を取りまくる。しかも評判のいい専門医は予約待ちで数週間、いや、数か月ってことも。

いやいや、今具合悪いんですけど。。。なんて言っても情け無用。受け付けてくれません。体調不良の中、必死で早く診てくれる専門医を探すことになります。

今でこそアプリが発達してポチポチっと予約が取れるようになったけど、ほんの数年前までは、予約は電話で取るものでした。受付の秘書や外注のコールセンターみたいなところに繋がるのでそこで懇願、

なるはやで、お願いします!!

ここでフランスの医療秘書あるある。全員が全てとは言いわないけれど、結構かなり高い確率で無愛想極まりない人に当たってしまいがち。ビックリするほどテンションが低くて無機質、又は攻撃的な口調で刺してくる人もいます。逆に「あなたは大丈夫ですか?」って聞き返したくなることもしばしば。。。早く予約を取りたいことを強調しすぎると、だったら救急へ行けば、と素っ気なく返されるので、細心の注意を払って会話をしなければなりません。あーしんど。この時点でもーぐったりです。

結局あちこち電話をしまくって、気力も体力も尽き果てた頃に予約が完了。専門医のところへ辿り着く時には心身ともにズタボロ状態なのでした。

フランスのシステムって合理的なように見えて実はそうではありません。合理的なのは働く人側の都合であって、お客様側には不合理な場合が多々あります。労働組合が幅を利かせているから仕方のないことなのですが、そのせいで不便を強いられるのはお客様側に立つ人、そう、まわりに回って結局自分達だって気付いているのかな?おーい、フランス人のみなさーん!

フランス生活でのおかしなエピソードは、書き出すとキリがないので追々、思いついた時に書くことにして、今回は、私が初めてフランスで一般医へ行って戸惑った時のことを書いてみます。

物心ついてから病院と言えば、歯科や耳鼻科、皮膚科だけで、普通の内科には小児科以来、かかったことがありませんでした。

そんな私がフランスで初めて一般医へ行くことになったのは、熱が出て会社を休まなくてはならなくなった時。普段なら38℃くらいの熱、一日休んで自然治癒を待つのだけど、その時は疲労もあって、2,3日会社を休む為の証明書を書いてもらいたかったので、近所の一般医へ行くことにしました。

予約した時間にオフィスへ行くと、40代くらいのおしゃれサラリーマン風パリジャン医師が、柔らかい笑みを浮かべてそっと私に片手を差し出しながら言うのです

Ca va?

英語で言うところのHow's going?「お元気ですか?」または「調子はどう?」的なご挨拶。

フランスに移住して間もないまだ20代の若い私は、一瞬、状況が理解できず、目をキョロキョロとさせて、ここは何処?私は何故ここにいるの?と自問することに。だって、熱でボーっとして具合が悪いからお医者さんのところへ行ったのに、開口一番でCa va?って言われても。。。ねぇ。

今なら何とでも会話を進められるけど、その頃はまだあまりうまくフランス語を話せない状態で、日常的に、Ca va?と聞かれたら、Ca vaと返す習慣がついていました。日本語で言うところの、「元気?」「うん元気」的な会話です。

癖でつい、Ca vaと言いかけたけど、いやいやCa vaじゃないのよと、意識の中でもう一人の私がお口にブレーキをかけてきます。熱で霞がかかったような思考を駆使して最適な返事を探そうとしましたが、結局、苦笑いだけして、「熱が、あるんです」と小さな声で言う事しか出来ませんでした。

呪われているからなのか、単に年齢や生活習慣のせいなのか、真の原因は分からないけど、各種不調は今も続いています。あれやこれやと手を尽くした結果、それぞれの不調に対する専門医は確保できました。今は経過観察中。

次は一体何が起きるのか。占いによると、来年からは少しづつ運気が上がってくるそうなので、もう少しの辛抱なのかな。そうであって欲しい!



注:もちろんフランスにも予約なしで診てもらえる一般医や総合病院はあります。ただし、都市部の一地域に一院とかその程度。急いでいる人が利用しがちなのに待ち時間が長く、かかりつけにするには不向きです。

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