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音楽と雨とコーヒー

ラジオから流れてくる音楽を聴きながら、運転をする。ビビッときた曲が流れたら信号待ちの間に曲名をチェックしてSpotifyに移動してプレイリストに追加する。
運転中は景色と窓からの風が加わってドラマチックになる。

音楽のプレイリスト作りは大学生の頃から。
今ほどスピーディーではなくて、ラジオから流れてきた曲をまずはカセットテープに録音してからそのミュージシャンのレコードを買い足していく。アルバムの中から選んで少しずつ増えてくる。たくさん集めたレコードは、レコード針が生産されなくなった上に、引越しを繰り返すうちに面倒になって中古レコード屋さんに売ってしまった。最後に残ったお気に入りの1ケースはレコード好きの百草の安藤さんに引き取ってもらった。
近頃のアナログレコードブームで処分したことをちょっぴり後悔するけど、実際持っていても置く場所もないし、メンテナンスもできないから、私にはこれでいいのだ。

それにしても今と比べると音楽収集にどれだけ時間を費やしたか!あの頃の1ヶ月かかったことが今では信号待ちの間にできる。便利な時代になったものだ。
でもあの経験があるから、「ピンと来る曲」がわかる。自分のセンサーは使い続けないと錆びるからね。

自分がやりたいことをするために、日々の我慢を重ねていると、「あれ?なんかおかしいぞ。これって違うぞ。」って気がつく。いい人になることもない、嫌なものは嫌なのだ!
自分が作ったプレイリストを聴いていると、そういうふうに自分を取り戻すことができる。自分で自分を助けるってやつ。

今日は雨降り。てくてく歩いて最近オープンしたコーヒーショップにコーヒーを飲みに行った。「若い女の子がひとりでお店を開くなんて。トンガリ気味にがんばってるな。」とかつての自分を見るように、オールドの私は、刺激をもらいに行った。
雨の日だから、他にお客さんがいなかったので少し話すことができた。媚びずに話す感じが「なんだか私みたい。」と思いつつ、ふと、ライブラリーの中に『ミアズブレッドのパンの作り方』の赤い背表紙をみつけた。やっぱりな。あー親近感。そして「あ!私の本がある!」と正体をバラしてしまった。
急に打ち解けて「何度もイングリッシュマフィン作りました!」と言ってくれて嬉しかった。
ひとりでその店舗兼住居に住みながら頑張っている姿を見て、私もがんばろ。って思った。
自分が試行錯誤でやってきたことは、なんらかの形で繋がっていくんだな。これも自分で自分を助けるってやつか。

歳を重ねても、世間がどうであれ、自分の道を行くのだ。


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