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スパイス界隈、ゆるりの時間。

建築スケッチ画展…を見に図書館に行ったが、休館で、そのまま帰るのもなんだと思い散歩。柴崎友香の『その街の今は』を思い出しながら。

がちゃがちゃした大きな商店街の路地の入口に看板が出ていて、スパイスカレー、とある。一人でゆっくり食べることが少し煩わしく、空腹感もあまりないがちょっと魅かれる。時間もあるし、入ってみよう。

二人がすれ違うのにぎりぎりくらいの幅の路地で、ちょうどお店から出てこちらに歩いてくるワイシャツの男性が、おいしかった~、と後から出てきた男性に満足そうに声をかけたのに出くわす。これはたのしみ…と、お店のドアを開けた。

店長さんも奥さんらしいお姉さんも、気さくな雰囲気で、一人や二人組のお客さんが好きなようにじゆうに、今自分は食べたいものを食べているのです。おいしい。とそれぞれスプーンを持つ背中が言っているような感じがした。

ご飯を少なめにしてもらい、私もそれにならい、チャイも頼んで、そのおいしいものを食べた。
さっきこの店から出てきたお客さんが…と先のエピソードをお会計のレジで話すと、それは嬉しいですね!と奥さんの女性がすごくきれいな表情でにっこりされたのでびっくりした。

おいしいものを作る人と、それを食べる人の幸せな気分を目の当たりにして、またびっくりした。おいしい。の魔法は最強だ。

骨董市に出くわしてぶらぶら眺める。皆の足取りはゆっくりだ。目的もなく、気になれば立ち止まったり近寄って眺める。久しぶりのゆるりの午後だ。

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