本当の私を知ってもらう空気作りも大切～会社の空気全てがあなたを成長させるわけではない～
仕事ができる人間とは
仕事ができる人間とはどんな人を指すだろうか？
今、この記事を読み始めた皆にまずは一度考えて欲しい。
期限内にきっちり作業をこなす人か？言われた仕事を全部こなせる人なのか？残業を快く受けてくれる人か？上の人にすぐに頭を下げて言いなりになれる人か？有休をとらずにいつも休むことなく働いてくれる人か？風邪をひかない人か……？
なんでもできる完璧なスーパーマンは仕事ができる人と言えるのか？
確かにそんな人は憧れるかもしれない。すごいかもしれない。
評価も高いかもしれない。
でも、みんなが喜ぶ社内のスーパーマンは本当に全てのお手本だろうか？
評価が成長だと思った
私は新卒の会社で働き始めた頃、仕事がバリバリこなせるすごい人になりたいと思っていた。いつか頼られる先輩にもなって、仕事を心から楽しいと言える毎日を夢見ていた。
だから、先輩のいうことにはちゃんと「はい！」と答えて実行した。上の人の期待にも応えるために、笑顔を忘れずとにかくどんな時もにこにこして頷きながら話を聞いた。無賃出勤の休日もしっかり活動した。
「規則ではいつでも取れるようになっているけれど、会社の空気的に有休がとれるのはだいたい３年目からだよ。インフルの時は別だけど」
その言葉を信じて、先輩の意見を否定せずに「そうなんですね！」と笑顔で答えた後に〝基本休んではいけない〟という空気をちゃんと飲み込んだ。
先輩は言った。休まず、上の人の言うことを聞き、愛想を振りまいていれば評価が貰え、給料が増える。それが成長だと。
だから私は成長する為に一生懸命頑張った。
休日のはずの時間も出勤か資格の勉強をした。
帰らないといけないはずの時間も残業すれば周りが喜ぶから取り組んだ。
50を過ぎたおじちゃんが集まる取引先との飲み会も、おさわりがあってもセクハラがあってもとにかく笑顔で接待した。
そして、評価を貰えば安心をした。それが自分が社会人として成長できた分だと感じることも出来た。私はこのまま周りの為に頑張れば給料を貰え生活は安定し、幸せな未来が待っていると信じていた。
それは日常生活でもそうだった。正社員を頑張れば家族が喜んだ。周りが安定だと笑ってくれた。「自慢の子」そう言ってくれた。
でも、私の中にあった頑張ることのできる糸は突然ぷつんと切れて、仕事へは行けなくなってしまった。
何もできなくなってしまったのだ。
一番大事なのは誰でも自分
認められるのは嬉しいことだ。どんなに辛くても苦しくても、我慢してでも誰かに認められ喜ばれることはきっと自分も嬉しい。
でも、一番大事なのは自分だということを忘れてはいけない。お客様などの誰かの為に働くことも大事だが、一番は自分なのだ。
そして、誰かの為に働く自分が幸せであることもとても大切だ。
どんなに評価がほしくても、自分を殺してまで我慢をして取り組んだ後に貰った評価は自分の成長とは言えない。
それは、会社の為に自分を犠牲にして与えた成長だ。
一時的に満足して嬉しいかもしれない。給料が増えて安心できるかもしれない。
でももし、その会社が一時的に業績が伸びて成長したって、働く人や会社は本当の意味で成長はしていない。働く人の我慢が成長になってしまえば働く人の本当の心はいつかは死んで、抗えなくなる、何もできなくなる。
評価と会社とお金だけの為に働いていることに気が付いた時、今までの努力は我慢した分辛さで返ってくる。
「私は何のために頑張っていたの？」
自分を大事にしなかった分、自分がわからなくなり無になってしまう未来がいつかある。
私はやっと切れてくれた自分の糸が教えてくれた。
「なんのために働いているのか考えなさい」と。
自分で自分にちゃんと働く意味を問いかけた時に、私は本当の自分と向き合うことができた。
正直に生きることにした
私はぷつんと糸が切れてから一切会社に行かなくなった。
気が付けば退職届を出して、転職活動を始めていた。
そして、新しい会社ではもっと自分で自分に正直になって仕事をする努力をした。正直な自分をわかってもらう空気を会社に作るようにしたのだ。
私は新卒の会社で自分に嘘をついてまで評価を求めてしまっていた。だから次の会社では会社の空気ではなく自分の空気を作ることを忘れなかった。
まず、できるだけ辛い時は定時で帰った。最初は「残業してくれない」なんて思われたかもしれないが気が付いた頃には「あの人は残業しない人」という空気が私の周りに生まれていた。そして、休みたいときには休んだ。最初は「困るなあ」なんて顔をされたけれど、気が付けば「あの人はよく休む人」という空気が生まれて誰も何も言わなくなった。
きつく怒られた日、パワハラだと感じた日、セクハラされた日、おかしいし理不尽だと感じた日の次の日は全部休んだ。
すると、怒る人はいながらも「あの人はきつく言うと休むからやめとこう」そんな空気が生まれてあまり私に嫌なことをする人も減った。
私には反論する勇気が無かった。だから、自分の正直な気持ちを言葉にしなくても行動することで空気となって守ってくれた。
それを繰り返しているうちに今は強く言えるようになった。嫌味を言われて真顔でこう対抗する。
「なんでそんなこと言うんですか？」
長く楽しく働くことの大切さ
今、私が自分の経験から思うのは一生懸命働くことはとても良いことだけれど、自分を犠牲にしてまで会社のいいなりにはなってはいけないということだ。
そして、自分の働くペースの空気作りを大切にして日々の仕事は行うようにして欲しい。できないことはできないとはっきり言っていい。そうすれば「あの人はこの仕事はできないからもう頼まないようにしよう」と文句を言いながらも周りはなんだかんだ折れて諦めてくれることもある。
それは、悔しいと感じる人もいるかもしれないが大切なことでもある。
逆に限界なのに我慢をしていると、周りの人は「この人はいつも無理を言っても聞いてくれる人だ」「この人にはこれから残業をお願いしてもいいんだ」「ストレスのはけ口にきついことを言っても平気な人だろう」と思い込み次もその次も同じことの繰り返しにもなる。
それが癖になるとこっちも断りにくくなるし言えなくなる。自分にも相手にも癖として離れなくなってしまう。
なんでも我慢して受けてしまうと、周りも悪気なく何かを押し付けてしまう恐れもある。
それに、無理をして、背伸びをしてまで自分に嘘をついて働いた先に良い未来があるかと言うと、そうとも限らない。実際私は精神疾患を酷くさせたこともあるし、自分の周りで体を壊している人を沢山見てきた。
私は長く楽しく自分のペースで仕事をすることが一番だと思う。
ありのままの自分で出来る仕事にチャレンジしながら、職場の誰かを助けながら、働く意味を見つけながらスキルアップしていくことが本当の成長になる。せっかく一生懸命働きたいと思えた職場だからこそ、自分のペースで長く働いていって欲しい。
一番願うことはこれから、間違っていることは行動や態度でちゃんと間違っているのだと誰でも言うことができる社会になって欲しいということ。
しかし、それにはまだまだ遠い。だからこそ、ひとりひとりが社会で自分を表現して自分の空気を今ちゃんと作ることで、その先に我慢して働くことのない意見を交換し合える社会が生まれてくれることを願う。
そして、自分の空気作りを大切にしながら会社にはなくてはならない存在になれたら、もっと成長できるし自分らしい新しい扉をもっともっと開ける。
誰でもその人にしかできない仕事がきっとある。苦手や嫌いがあったり、出来ない仕事や言われたくないことがありながらも知識面でも人間面でも、仕事面でも貴重な人材に長く働くことでなれた時、もっと素敵な自分が待っている。
あなたらしくありのまま、あなた本人にしかできない周りが喜ぶ仕事や仕事の仕方は長く働いていればきっと見つかる。そして、ありのままの自分にしかできない仕事ができた時、その仕事を行う先で先輩や後輩、お客様などの誰かが喜んでくれたら、助かると褒めてくれたら……それは自分の本当の喜びにもなる。
それはきっと生きる意味にもなる。
我慢するくらいなら行動していい
私は我慢するくらいなら行動することが自分を守ることに繋がると強く感じている。我慢で自分を守ることは実はできないのだ。我慢すれば安心できるは違う。我慢は自分を追い詰めることに繋がる恐れもある。
もし、我慢しないことが例え怠けだとか甘えだとか言われても、自分を殺して本心に向き合わず通り過ぎてしまうくらいなら、おかしいことにはおかしいんだと反抗してほしい。
それには勇気がいるけれど、自分の成長の為にも必要なことだと思う。
もし、仕事で我慢し自分に嘘をついてまで笑ってハイハイと業務をこなしてしまったら、これからの自分の仕事だけでなく人生にも自分の本心と向き合わず周りを一番大切にする癖が付いてしまう。
どうかそれだけはしないで欲しい。
自分の本心と向き合い、正直に自分を感じて生きることが大きな成長にもなり豊かな人生にも繋がっていく。
自分が自分でいる為に、我慢しないことはとてつもなく大切なことだと今、一生懸命頑張りすぎて自分を見失っている人には伝えたい。
我慢までして周りの期待に応えてしまうくらいなら、まずは自分の気持ちに正直な返事をするところから始めてみてはどうだろうか。
▽大切に生きるをテーマに執筆中▽
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