北上 愛

食、旅、本、自然、アート、語学…ほかいろいろ好き。 フードコーディネーターなど食の資格…

北上 愛

食、旅、本、自然、アート、語学…ほかいろいろ好き。 フードコーディネーターなど食の資格を複数取得。 中国語学習をのんびりと継続中。 書く仕事、少しだけ経験あり。

最近の記事

【本と食べものと私】いつかイギリスへ、おいしいものを探しに行きたい ー おちゃめなふたご ブライトン著、ほか ー

最近ネットで、「イギリスの食事は洗剤の味がして最悪」という内容の書き込みを何度か目にして、驚愕している。洗剤の、味?? どうやらイギリスは恒常的に水不足で、洗剤で洗った食器を洗い流さずそのまま乾かす、ということがあるらしい。そうやって乾かしたお皿にのせて出された食べ物は、洗剤の味がする、と。情報が少ないのでどのくらいの頻度でそうなのか分からないけど、これは手ごわい、と怯んでしまった。 すでに、いつかメープルシロップを楓の木から採ってみたいと書いたけど、私には食べることに関し

    • 【本と食べものと私】粟ぜんざいを食べながら昔の恋愛事情を想う ー 散歩のとき何か食べたくなって 池波正太郎著 ー

      寒いし、カフェじゃなくて甘味処でおしるこはどう?ということで、久しぶりに神田の竹むらへ、友人と行った。ここの粟ぜんざいが好きで、たまには別のものを...と思うのに結局いつもこれを頼んでしまう。 題名も含めここまでわざと漢字をつかって「粟ぜんざい」と書いているけど、今回メニューを見て気になったのが「あわぜんざい」とひらがな表記になっていたこと。いつからこうなのか、もしかしたらもうずいぶん前からなのかもしれないけど、以前は「粟ぜんざい」だったと思う。 さては、「くりぜんざい」

      • 【本と食べものと私】おいしくてハマる!青いバナナの揚げ物 ー なかなか暮れない夏の夕暮れ 江國香織著 ー

        本の中で、登場人物が本を読んでいる。よくあることだ。 でも、その、本の中の本、の文章がそっくりそのまま、書かれていることはめずらしい。 登場人物といっしょに、私もその本を読む。 知らない街へ行く、大切な人を探す、殺人に遭遇して顔面蒼白になる。 緑の濃い南国、カリブ海の島、つぶして揚げられるプランテイン。 その登場人物(稔、という名の主人公)は「プランテインをいうものを、どうしてもたべてみたく」なって、作り始める。 おお。私といっしょだ。 本に出てくる食べ物が食べたくな

        • 【本と食べものと私】お正月なのでお雑煮のこと ー 田辺聖子さんの小説から ー

          お正月といえばお雑煮。 でも私は子どもの頃からかなり長い間、ほとんど食べていなかった。 我が家のお雑煮が好きじゃなかったので。 母が作ってくれるお雑煮は、すまし汁にひとかけの鶏肉と青菜が入ったもの。柚子の皮を浮かべてあったかもしれない。 今ならば、もう大人なので(笑)このシンプルなお雑煮をおいしく味わうこともできるけど、なにせ子どもの頃のこと。ぜんぜん魅力を感じなかったし、食べたくなかった(ごめんなさい)。 縁起物なんだから食べなさい、という父の言葉も断固拒否して、でもお餅

        【本と食べものと私】いつかイギリスへ、おいしいものを探しに行きたい ー おちゃめなふたご ブライトン著、ほか ー

        • 【本と食べものと私】粟ぜんざいを食べながら昔の恋愛事情を想う ー 散歩のとき何か食べたくなって 池波正太郎著 ー

        • 【本と食べものと私】おいしくてハマる!青いバナナの揚げ物 ー なかなか暮れない夏の夕暮れ 江國香織著 ー

        • 【本と食べものと私】お正月なのでお雑煮のこと ー 田辺聖子さんの小説から ー

          【本と食べものと私】日本語訳の出版事情と、メープルシュガーへの憧れ ー 大草原シリーズ ローラインガルスワイルダー著 ー

          前回書いた豚のしっぽをきっかけに、たくさんある大草原シリーズをずっと読んでいる。 シリーズの一冊目「大きな森の小さな家」に選んだのは角川文庫、中村凪子さん訳のものだった。何冊かの装丁を見比べて、これ、と思って。そのまま二冊目も同じく角川文庫のものを。 だかしかし。 三冊目の「プラム・クリークの土手で」を読み終わり次の「シルバー湖のほとりで」に進もうとしたところ、ないんですね、角川文庫には。 続きものを途中までしか出してないことってある?(それもこんな名作シリーズ的なものを)

          【本と食べものと私】日本語訳の出版事情と、メープルシュガーへの憧れ ー 大草原シリーズ ローラインガルスワイルダー著 ー

          【本と食べものと私】豚のしっぽに呼び覚まされた記憶 ー 大きな森の小さな家 ローラインガルスワイルダー著 ー

          某スーパーで買い物中、冷凍肉のケースの中にふと、豚のしっぽがあるのが目に入った。豚のしっぽ。 その瞬間、私の頭の中にぱーーっと、ある光景があざやかによみがえった。 よみがえった、というのはおかしいかもしれない。それは私が実際に見たわけではなく本の場面なのだから。 でも、よみがえった、というのがその時の私にとって一番的確だったのだ。 一軒の小さなログハウス、その前には二人の小さな女の子。二人ともクラシカルなかわいらしい花柄ワンピースのようなものを着ている。庭では焚火にかけら

          【本と食べものと私】豚のしっぽに呼び覚まされた記憶 ー 大きな森の小さな家 ローラインガルスワイルダー著 ー