なぜ砂糖は悪者扱いされるのか?

 よく甘いものを食べると太っちゃうとか、食べすぎると糖尿病になると言われます。その仕組みはどうしてなのか?
 まず砂糖は、ブドウ糖と果糖という糖類がくっついて出来ています。ここで問題になってくるのが、果糖の方です。普段、私たちがエネルギーと呼んでいるものは、糖質から作られていますが、このエネルギーを生み出す過程で果糖が問題になってきます。
 エネルギーを生み出す(*1)解糖系において、ブドウ糖の場合、「グルコース6リン酸」、「フルクトース6リン酸」「フルクトース1,6ビスリン酸」と反応していくのですが、全てに酵素が使われます。この時に、エネルギーが充分に作られると、「もう作らなくていいよ」と解糖系がストップします。
 しかし一方で、果糖の方はと言うと、小腸から吸収され肝臓に入ると、「フルクトース1リン酸」から「フルクトース1,6ビスリン酸」になり、いきなり解糖系に入っていきます。ブドウ糖では酵素の調整を受けますが、果糖では酵素による調整は受けません。そのため、果糖による解糖系は歯止めが利かず、全てをエネルギーとし、余ったエネルギーは中性脂肪として蓄えられてしまうのです。これが肥満の原因です。
 さらに最もいけないのが、「ブドウ糖果糖液糖」や「果糖ブドウ糖液糖」と言われる物です。これは、ブドウ糖にグルコースイソメラーゼという異性化酵素を働かせて、ブドウ糖を果糖にしたものです。


*1解糖系とは

 摂取した糖質からエネルギーを作る仕組み、ブドウ糖(グルコース)をピルビン酸や乳酸に変換させる経路のこと。


糖質制限ダイエットの罠

 一般的に糖質制限というと、120gまで摂取可能ですが、ただ糖質をカットしただけでは意味がありません。
 糖質は小腸から吸収される際に、水分も一緒に吸収します。この時の割合が、糖質1gに対して水3gです。なので、ただ糖質をカットしただけでは体内の水分量が減っただけで食事を元に戻すと体重も元にもどります。


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