脂肪とは何なのか

 脂肪はなぜ嫌われるのか?

 筋肉をつけるためにはとにかくタンパク質とか、エネルギー補給のために甘いもの(糖質)とか言われる中、身体のために脂質取らなきゃ❗とはならないのは何故だろう?
 三大栄養素はタンパク質と糖質と脂質と言われているが、あまり知られていない脂質の実態。
でも、その役割が分かれば、脂肪も取らなきゃってなれるはず❗ってことで解説


 そもそも脂肪って何?

 タンパク質はアミノ酸が集まって出来たもの。では脂肪は?脂肪酸が集まったものです。って言われてもって感じですよね。
 脂肪を分解してみると、グリセロール(グリセリン)と脂肪酸3つが合わさって出来たものです。グリセロールはアルコールの1種でアルカリ性です。脂肪酸はその名の通り酸性です。アルカリ性のグリセロールと酸性の脂肪酸が合わさることにより中性になる。これが中性脂肪と呼ばれるものです。
 グリセロールはどんな脂肪であっても同じですが、脂肪酸にはさまざまな種類があります。例えば、お肉の脂肪は固形ですが、サラダ油などは液体です。これは脂肪酸の種類が違うからです。

 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

 脂肪酸には大きく分けて「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類できます。脂肪を構成する脂肪酸が3つとも飽和脂肪酸ならば飽和脂肪となり、1つでも不飽和脂肪酸がある場合は不飽和脂肪となります。
 そもそも「飽和」とは何でしょうか。辞書で調べてみると、ある条件下であるものが増加していき、それ以上増加できない状態、最大容量に達した状態とあります。それを踏まえた上で脂肪酸を見てみましょう。
 


 脂肪酸の構造

少し専門的な話になってしまいますが、タンパク質や糖、脂肪も全て炭素(C)、酸素(O)、水素(H)の組み合わせによって出来ています。タンパク質には窒素(N)と硫黄(S)も加わってきますが。
 上の図の左側にある「- COOH」の組み合わせをカルボキシル基と言います。上の図の右側にある「CH3 -」をメチル基と言います。そして、その間に挟まれた炭素(C)が鎖状に連なっているものを「脂肪酸」と呼ぶことになっています。
 この炭素(C)には、他の原子と結びつくことの出来る手を4つ持っています。2つの手が炭素(C)同士を結び、残りの2つの手が水素(H)と結びついています。つまり炭素(C)の手が全て結びついて「飽和」しています。これを「飽和脂肪酸」と呼びます。
 では、「不飽和脂肪酸」は?
 上の図のオレイン酸を見たいただくと、真ん中の炭素(C)が1つの水素(H)としか結びついていない物があります。つまり「飽和」していません。このような構造のものを「不飽和脂肪酸」と呼びます。
 そして、このように不飽和の部分があることにより曲がりやすくなり、不飽和部分が多ければ多いほどグニャグニャになり液状になります。つまり、サラダ油などの液体の脂は不飽和脂肪酸が多いと言うことになります。逆に飽和脂肪酸が多いとお肉の脂のように固形になります。

オメガ3、6、9

 オメガ3やオメガ6という言葉をよく聞きます。ですが、これがなぜ3なのか6なのかわからない方がほとんどだと思います。
 これはメチル基(上の図の右側)から数えて何番目に二重結合があるかをみます。先程の上の図のオレイン酸ですと、炭素(C)と水素(H)が結びついていない部分、二重結合が9番目にあります。なので、オメガ9となるのです。

脂肪と脂質の違いって?

 始めにお話した三大栄養素では「脂肪」ではなく、「脂質」となっています。この違いはなんでしょう?「脂肪」は先程お話させて頂いた脂肪酸とグリセロールで出来たものが「脂肪」ですが、さらにリン酸や糖質、タンパク質が合わさったものを全てひっくるめて、「脂質」と呼びます。

脂質がなんで三大栄養素?

 結論から言ってしまうと、エネルギー源になるからです。他にもいろいろな役割があります。細胞膜やホルモンの材料になる。男性ホルモンや女性ホルモンは脂質の摂取量が少ないと下がっちゃうので魅力ねぇーぞぉ❗ってなっちゃうってことですね。極端な低脂質は危険ですね。さらに脂溶性のビタミンの吸収率を上げてくれます。脂溶性ビタミンには、D、E、Aなどがあります。
 脂肪って意外と重要なんですね。

 

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