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ななころびやおき 7/26*転職日記*

6:30のアラーム。
よく寝たのですっきり目覚めた。まだ少し頭が痛いけれど昨日よりは調子がいい。
なんだかやる気に満ちてきた。

朝ごはんはいただいてた麦芽の食パンに目玉焼きをのせてキムチをトッピング。赤い食べ物って元気が出る。
パンを冷凍にしてたので長めに焼いたら焦げてしまったけれど、これもご愛嬌。

ラピュタ飯のようにはいかない…あれパン焼いてないし


今日は浅草に芝居を観に行く。
渋谷から銀座線で30分くらいかかる。電車内は夏休みの子供たちもいて賑やかだった。最後尾の車両では座れたのでワクワクしながらもぐっすり寝る。
暑さで歩くだけでもほんとに疲れる。


開演は13時だけど行きたい喫茶店があったので早めに到着。それでも11時だと思ってたのが12時開店でぶらりと浅草散歩。外国の方が多いな〜とふつうな感想を抱きながら、楽しそうな様子に嬉しくなる。
平日だし、まだ7月だし、本来ならきっと涼しいオフィスにいたんだろうけれど、炎天下に汗をかきながら夏の観光地にいる自分というアンバランスさに心が軽くなった。

こっちはまだ空いてた


時間を潰していたら先日面接を受けた第一志望から結果が来ていた。「ご希望に添えない」とのお祈りメッセージ。うむ。なるほど!
メンタル無敵モードで見てよかった。ちょっと残念だけど、ご縁がなかったんだなーとすぐに別の会社からのオファーにエントリーする。
いちいち落ち込んでられないよね。
次行こう、次!

そんなこと言ってたら12時になった。
純喫茶『天国』
日陰を探そうにもジリジリと太陽に焦がされていた身体に染み渡る穏やかな冷房と冷えたお水。
天国だった。

入って良いのか悩んだ
パンケーキセット 1200円

オリジナルマグカップとか缶バッジとかグッズが出るほどの人気店で、何かの作品に出てきた時から気になっていてようやく来られた。
注文してから卵を溶く音が聞こえて癒される。
サクサクとふわふわのパンケーキにバターとメープルシロップのシンプルな甘みが染み込む。一口ひとくち、丁寧に口へ運んだ。
コーヒーも浅煎りなのがまた良い。
気持ちがふわふわ浮いていくようだった。

好きなことをしてるって、良いなぁ。

ちょうどお店も混んできたところで劇場へ向かう。
商店街のなかの小劇場だけど、出演者のファンの女の子でとても賑わっていた。

The Mysterious Stranger 
ザ・ミステリアス・ストレンジャー

「トム・ソーヤの冒険」などを書いた児童小説家のマーク・トゥエインが晩年残した作品で、中世オーストリアの田舎町を舞台にしている。
教会への背神を理由に禁固された神父の無実を信じる少女と、少女に片想いする少年の前に天使を名乗る男が現れ、なんでも望みを叶えるという。

天使に畏れながらもしだいに魅了されていく二人。教会を操る存在との奇妙な駆け引きのレトリックがシンプルてわかりやすく、面白かった。
休憩なしで90分なので飽きも来ないし、小劇場の規模を活かした演出もすばらしい。

信仰や宗教に頼らざるを得なかった時代の神父という肩書きの大きさ、重さ、そして民衆の動きもよく表現されていた。
「モラル」なんてものを持っているからキミたちは集団で動くことしかできないのだと、天使がバカにしたように笑う。その“キミたち”にまとめられていた少年が見せる最後の狂気、これもまた人間が併せ持つ爆発的な感情の恐ろしいところだ。

人間の本質は変わらない。
集団意識に内包された善悪の定義などは500年以上前からグラついたままなのだと気が付かされる。
歴史劇とか政治劇が好きなのでとても良かった。
いまの時代に上演されるべき、そして観るべき芝居だったなと劇場下のカフェで一休みしながら思う。

桟敷。バータイムも来てみたい。


進まない転職活動が暗礁に座しているのは否めないけれど、それも自分の本質も向き合う時間なのだといまは落ち着いた気分だ。
まずは検定試験に合格してから考えよう。
焦って落ちて、就活もうまく行ってないなんて本当に笑えないから。

一歩、一歩を確実に。
なんだか本当に気分がいい。
冷房で冷えた身体を、浅草を抜けるあたたかい風が包んでくれた。


実は行ったことない花やしき

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