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産業保健師のいろいろ。どんな保健活動がしたい?

産業保健師として歩み始めてから、特定保健指導が始まり、ストレスチェックが義務化されるなど、時代の変化と共に活動の幅が広がりました。
産業保健の求人も昔に比べてだいぶ増えたように思います。その分、自分がどんな保健活動をしたいのか、自分のキャリアを再考する機会も増えたような…。
今回は、「産業保健活動のいろいろ」について書きます。(あくまでも、私なりの解釈です。)

1-企業常駐の産業保健師
★ミッションは『生産性の維持・向上』


①従業員一人ひとりが元気に自分らしくパフォーマンスを発揮できて達成感や自己効力感を感じられる。
⇒組織が活性化し生産性向上
⇒会社が世に質の高い製品やサービスを提供できる
 (企業の利益に貢献できる)
⇒世界中の人々の生活が便利になったり豊かになる

考えが飛躍しすぎでは?との声もあるかもしれません…でも、これくらいやりがいある仕事だと私は思っています。

①のために、②心理的安全性が保たれ、ワークエンゲージメントが向上するような職場環境づくりをストレスチェックの職場分析結果や個別相談、休業者の復職支援等をきっかけに、職場と一緒に考えていきます。
そして、①のために③従業員が主体的に心身のコンディションづくりができるよう支援します。具体的にはセルフケアに必要な情報発信や研修、各種健診・ストレスチェックの事後フォロー、個別健康相談(休業者の復職支援含む)、健康づくり企画等々。
さらに④社会情勢や時代の変化を捉えた持続的な労働力の確保を考えることも必要になってきたと感じています。企業は70歳まで働ける機会を提供することが求められるようになり、「エイジフレンドリー」や「治療と仕事の両立」などのキーワードが登場しました。「早いうちからの疾病予防+体力づくり」は「長く働きたい」従業員のニーズと「長く活躍してほしい」会社のニーズに必要な取り組みと考えます。

会社の一員として従業員と職場に寄り添い、「今、何が必要か、今できることは何か」を常に一緒考え①〜④に取り組みます。

2-医療機関の健康管理センターや労働衛生機関の保健師
★ミッションは『疾病予防』


病気の早期発見、早期治療のために質の良い健診(検診)を提供し、検診後のフォローをしています。近年は健診(検診)だけにとどまらず、特定保健指導や産業保健サービスを提供するところも増えているようです。また、新型コロナワクチン接種、インフルエンザ予防接種も実施している機関も多いです。
企業だけでなく自治体の健診(検診)、保健指導、健康教室なども実施し、地域に住む働く人を対象にすることもあるため、幅広く、人・企業・地域と関わることができると思います。(健診機関にもよりますが、採血ができることが採用条件に含まれる場合が特に地方では多いです)

3-健康保健組合の保健師
★ミッションは『医療費削減』

「日本再興戦略」(平成25年6月14日閣議決定)において、「全ての健康保険組合に対し、レセプト等のデータの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画として「データヘルス計画」の作成・公表、事業実施、評価等の取組を求める」ことが掲げられました。(厚生労働省ホームページより)

データヘルス計画がスタートしてから保健師を採用する保険者(健保組合)が増えたように思います。データヘルス計画を基に、医療費削減のために被保険者・扶養者の特定健診・特定保健指導、糖尿病の重症化予防、がん検診の促進、企業と連携したコラボヘルス、健康インセンティブを活用した健康づくり施策などなど。
医療費削減→介護予防は、今の日本には急務で重要なお仕事だと思います。
データ分析力、保健指導スキル、企画力が磨かれると思います。

4-産業保健サービスを企業に提供する会社の保健師 
★ミッションはきっと『働くすべての人に産業保健サービスを届ける』

特定保健指導やストレスチェック業務、健康管理研修や保健指導ツールを提供する会社、健康経営をトータルサポートしてくれる会社等々、近年急増しているように思います。開業保健師さんもここに含めさせてください。
産業保健スタッフが常駐していない会社の産業保健、常駐している企業でも、研修や健康づくりツール等、一部活用させていただいています。
幅広い業種、様々な事業所規模、様々な健康経営の価値観や考え方に合わせた産業保健活動を経験できるのでは?(いつかチャレンジしてみたい)

さいごに。

累計約15年、企業に勤める産業保健師ですが、1~4の産業保健スタッフの方々と一緒に仕事をしたり、勉強会でお話しする機会があります。私自身、家族が転勤族なので、都度就活する際に、次はどの扉を開けようかな…と考える機会があります。自分はどんな保健活動がしたいのか、自分に合った仕事は?と毎回、自問自答しキャリアの見直しです。
大好きな産業保健の仕事を今後どういう形でやっていこうか、また考える時期が来そうなのでここにまとめてみました。
#産業保健 #産業保健師#保健師#健康経営#キャリア 

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