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『朗読活劇 信長を殺した男 2021』感想

『朗読活劇 信長を殺した男 2021』
桔梗チーム千秋楽公演を観劇。

今まで色々な朗読劇を見てきたけど、釈台や張り扇を使った講談のような演出(講談をちゃんと見たことないので分からない)でテンポが良くておもしろかった。音楽はほぼ三味線の音だけだったがそれが世界観をよく表現していた。
場面転換する時、足音が結構聞こえたのもあり、めちゃくちゃ早いなと思っていたが後に納得した。信長の登場シーンでゆっくりと威厳に満ちた姿で歩いて来たのを見て、ここを際立たせるためなのではないかと思った。緩急がとてもあって良かった。

キャストさん全員聞きやすかったし、役の演じ分けが素晴らしかった。声色もだけど、表情や仕草から役の特徴が出ていて見ているだけでも退屈しなかった。
特に平野良さん、安里勇哉さん、横田龍儀さんがとても印象に残った。平野さんの表情仕草は朗読劇というよりは普通の舞台を見ているようだった。明智光秀を演じるのは3回目らしく、違和感など感じることなく、明智光秀はこういう人なのだというのが見えてきた。平野さんが座る度に袖を払うのがかっこよかった。
安里勇哉さんは序盤は語り手を担っていたが、その時とは一転、織田信長として登場した時には覇王の存在感を露わにしていて圧倒された。威厳のある声色でお芝居されていて、カテコで声が枯れているように聞こえたので少し心配になった。
横田龍儀さんは悪役を多く担っていて、悪役っぷりがとても良かったが、足利義昭のなよっとした公家感?が個人的に好きだった。信長退場の時に笑ってるのって秀吉としてだと思うんだけど、秀吉の野望が現れていてすごく良かった。

終盤はもう世界観に飲まれ、迫力に圧倒された。信長の最後の台詞、信長退場で気づけば涙が流れていた。
織田信長も明智光秀も嫌いにはなれないな…。
とても良かったので配信チケットも購入して再度見たけど、やっぱり劇場で見て、肌で音を感じるほうが臨場感あって良かったと思う。もう一度劇場で見たい。

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