Kasugai Miyako

本や舞台の感想書きます。

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最近の記事

『烏の緑羽』感想

阿部智里さんの最新刊、『烏の緑羽』八咫烏シリーズ第2部3作目。 今回は長束さまサイドのお話。 長束さまと路近の話をしていくのかと思いきやまさかの路近と翠寛の話だった。緑羽って翠寛のことか。 初っ端の一行目「首が飛んだ。」から始まるとは今作もメンタルズタボロにされそうな予感…!と思ったが近年の追憶や楽園に比べたら全然平和な作品でした。長束さまと路近はどっちも赤ちゃんだったっていうことですね。初めてのおつかい可愛い。 今回はすごく哲学的だなって思った。 「忠誠とは何なのか」

    • 『朗読活劇 信長を殺した男 2021』感想

      『朗読活劇 信長を殺した男 2021』 桔梗チーム千秋楽公演を観劇。 今まで色々な朗読劇を見てきたけど、釈台や張り扇を使った講談のような演出(講談をちゃんと見たことないので分からない)でテンポが良くておもしろかった。音楽はほぼ三味線の音だけだったがそれが世界観をよく表現していた。 場面転換する時、足音が結構聞こえたのもあり、めちゃくちゃ早いなと思っていたが後に納得した。信長の登場シーンでゆっくりと威厳に満ちた姿で歩いて来たのを見て、ここを際立たせるためなのではないかと思った

      • 『葉桜の季節に君を想うということ』感想

        歌野晶午さんの長編推理恋愛小説『葉桜の季節に君を想うということ』 時系列や視点が何度も変わり、序盤は状況理解するのに時間がかかった。種明かしまではなんだか釈然としない感じで長いなと思っていたが種明かしが始まると納得できることが多く、急におもしろくなったように思った。 特に描写はなかったが、何となく成瀬将虎や麻宮さくらは20~30代ぐらいだろうと勝手に思っていた。しかし読み進めるうちに矛盾が起きていることに気づく。まさか高齢だったとは。誤解してしまうほどに何歳になっても愛は変

        • 『舞台 あれから』感想

          宮下貴浩×私オムproduce10周年記念公演舞台『あれから』 初日と千秋楽に観劇。 タイトルからして一見、宮下貴浩さんと私オムさんが10周年だと思うが、実際は主演の安里勇哉さんを含めた3人が10周年。知らない側からするとちょっと紛らわしく思うかも。 安里さんが縁をテーマにした作品にしたいということでできた作品。彼らは過去3回タッグを組んで上演していて、その作品をすべて見てきたがどれも違ったテイストでおもしろい。個人的に笑いどころがツボにハマりやすく毎度爆笑する。今作では笑

        『烏の緑羽』感想

          『追憶の烏』感想

          阿部智里さんの最新刊、『追憶の烏』八咫烏シリーズ第2部2作目。 このシリーズに出会ったのは高校の図書館。シリーズ1作目の『烏に単は似合わない』だった。読んでいた本の近くにあり、表紙に惹かれて手に取ったのがきっかけだった。展開が読めないのと世界観のおもしろさにどんどんのめり込み、気づけばシリーズすべてを集め、今では10冊目を手にしているが、今後の展開は読めないでいる。 今作は前作の『楽園の烏』では描かれなかった山内側のお話が描かれている。雪哉が博陸侯雪斎になるまでの経緯を知

          『追憶の烏』感想