見出し画像

障害年金の審査に落ちた!次にできることは?

※この記事は13分で読めます。


こんにちは。
ひきこもり歴4年目、
アスペルガー症候群のmokuです。

今回、私は「障害基礎年金」の審査に落ちてしまいました。

そのため、次にできる対応策を調べ、この記事にまとめます。

あくまで「私個人の一例」ですが
どなたかのお役に立てたらうれしいです。


・行政の判断が矛盾している?



先日。
私は、障害者手帳の申請と
障害年金の申請を同時におこない、
全くおなじ診断書を提出しました。


そして、結果は次の通りでした。

障害者手帳は2級、
「日常生活が著しい制限を受ける」


障害基礎年金は不支給、
「日常生活が著しい制限を受けない」


え…
え〜!?


つまり
手帳「生活が大変そうですね」
年金「普通に生活できますよね」
と矛盾した回答が返ってきたのです。


私は別次元の行政に
申請書を提出していたのでしょうか。


ひとまず結果をかかりつけ医に報告すると、お医者さんも頭を抱えていました。


「えー!?診断書のどこで落とされたんだろう…」



ですよね。

わりと自尊心をえぐられる診断書内容を、
私も思い出します。


とはいえ、結果が出てしまったので
うだうだ言っても仕方ありません。

幸か不幸か、
私の前職はデザイナー。

デザイナーの主な仕事は
「情報を整理すること」
「問題を解決すること」です。

そんな訳で、今回は
情報を集めて整理しながら、
自分の問題を解決できるように
働きかけてみます。





・手帳と障害年金では審査が違う


まずは管轄の年金事務所に、
不支給になった理由について
問い合わせてみました。

そこで下記のことを伝えられました。

・手帳と年金では採点基準がちがう
・手帳と年金では採点機関もちがう
・医師の診断書を採点し、その時の合計点数によって年金がもらえるかが決まる

別の機関で採点しているイメージ。


なるほど…?

つまり私は
点数が足りなかったということですね。


なんだか受験で不合格になった気持ちです。



…と

ここで私は
発達障害でおなじみの
「うっかりミス」を2点思い出しました。

自分で書く「病歴・就労申立書」の「続紙」の提出を忘れていたこと。
(初診が10代なので、大人の経歴分も出した方が良いかもと病院には言われてました)

診断書では引きこもりのうち、3年の自営業歴になっているが、個人事業主を始めてまだ1年目であること。
(私が話すのが苦手過ぎて、お医者さんに上手く伝わってませんでした。イラスト収入もトータル10万円台なんです…)


上記を伝えると、
年金事務所からは
このように返ってきました。


①について
基本は医師の診断書で、年金を支給するかが決まるので、病歴申立書はそこまで重要視されません。
そして病歴申立書は、追加提出ができません。
どうしても提出されたい場合は、またイチから障害年金審査を申請する時にお願いします。


②について
客観的に「事実関係が違う」という証拠を提出できるなら、不服申し立てをして審査請求が出来ます。


…なるほど。
つまり、

①に関して
現時点で私が出来る事は何もなさそうです。

②に関して、私は、
「開業届の写し」
「確定申告書の写し」
が証拠として提示できそうですね。


ちなみに不服申立て書は、
不支給決定通知書と一緒に送られてきません。


「結果に納得いかない」という場合は
年金事務所に、「不服申立て書」をあらたに送ってもらうよう自分で電話する必要があります。





・社労士さんは知っている



医師、年金事務所とお話を伺ったので、
今度は社会保険労務士さんの無料相談でも話を聞いてみる事にしました。


すみません、
障害年金の審査に落ちてしまって…
私は次にどういった選択肢があるのでしょうか。


社労士さんが教えてくれたのは以下です。

不服申立てをして審査請求を行う。
もう一度はじめから障害年金の申請をし直す。
(私の場合、提出しそびれた申立書を用意し、医師との診断書は変更があれば見直す)

そして、❶❷は同時に行う事ができる、との事でした。



また、❶の審査請求は
もう一度同じものを採点してもらう審査だそう。
たまに誤った採点になっている事があるため、「本当に見逃してませんか?」と念押しで見てもらうんですね。


そんな訳で、
❶の審査請求は
よほどの証拠資料を新たに提示できなければ、滅多に審査がくつがえる事がなく、期待はできない。

❷を同時に進めた方がいい、
との事でした。


また、医師の診断書は客観性が高いため
障害年金が貰えるかどうかは
診断書で9割決まるとの事。
(年金事務所さんも、医師の診断書が大事だと言ってましたね…)


そしてもしも、診断書が原因で
障害年金が不支給になっている場合、

お医者さんに「あなたが困っていること」を伝えきれていない可能性がある、という事でした。


なんと!


これまでの通院で
数々の自分ができないことや
とんでもない醜態を提示しながら

「ワタシ、宇宙人なのかもしれません…」

などとアピール(?)してきましたが
伝え切れていないとは…



社労士さん「そうですね、ご自分の診断書の裏面を見てください」

私「はい…(ガサゴソ…)」

あれ……




私「診断書のコピーを取るの忘れました」

社労士さん「…」


私「…」

社労士さん「年金事務所に、提出した診断書のコピーを送ってもらう事ができます

私「………はい…(白目)」

※診断書の写しは後日送ってもらいました。



社労士さんによると

精神障害の場合、
障害年金が貰えるかどうかは診断書の裏の
「日常生活能力の判定」がどの程度なのか
が大事なのだそう。


この判定項目には以下の7つがあります。

1:適切な食事
2:身辺の清潔保持
3:金銭管理と買い物
4:通院と服薬
5:他人との意思伝達及び対人関係
6:身辺の安全保持及び危機対応
7:社会性



これらの項目をながめて
私は気づきました。


「日ごろから問題を感じているのに、
診察では話してなかった項目がある…!」


例えば、金銭管理の項目。

私は、買い物に行ったら
お金が足りなかった…
なんて事がよくあります。

社会性の項目では、
バスや電車の乗り間違え、降り間違えで
目的地に辿り着けない事があります。

…そして、まだまだこの
10倍以上の生活エピソードがあります。

でもそんな話、
全くしてきませんでした。


なぜなら
私は会社をクビになったショックの方が大き過ぎて、ほぼ仕事でやらかした事ばかり話していました。


障害年金では
「労働に著しい制限を受ける」場合は
障害厚生年金の3級が支給されます。

しかし、私は10代が初診であり、
障害基礎年金が対象になるため、
3級はありません。

つまり障害基礎年金の2級の支給に当てはまる「日常生活で困っていること」を医師に訴えなければなりませんでした。

(※下記リンクの「障害等級とは?」の項目に、それぞれの等級が分かりやすくまとめてありました。)

保険テラス
https://onl.tw/TzNAJeP



この伝達漏れはなぜ起こるのか。


それは、医師は限られた時間の中で診察する必要があるため、
「最近どうですか?」
「困っていることはありますか?」
と端的に聞くのが一般的だからです。

そして医師は、
診察と検査、患者+患者の家族から聞いた具体例を踏まえ、総合評価していきます。


ただし、医師は年金の採点方法を知らないので、自分の診断書で、患者が年金支給に至るかまでは分からないのだそうです。
(公平性を保つため、当然だと思います)




……ん?

それを社労士さんがおっしゃるということは、社労士さんは、ある程度採点方法をご存知という事ですね…


社会保険労務士さんは、
そうしたことを踏まえ、
医師などに診断書の不足部分を指摘したり、働きかけてくれるのだそうです。

もちろん他にも、煩雑な窓口での手続きを一括で済ませて下さるので、心強いなと思いました。





・障害年金が出ない時を考える



どう頑張っても
支給されない時は仕方ない…

でも、なかなか一般企業では働きづらく
自分で自由に使えるお金が無いのって、
精神的にしんどいです。

しかも、色々と動けるようになるまで私はほぼ寝たきりだったので
すんなり障害者雇用でいきなり働くのは自信がなさ過ぎる…


というわけで、
A型事業所やB型事業所という
「福祉サービスを利用してお金を稼ぐ」という手段も考慮しておきます。

ただし、これらのサービスはすぐに使えるわけではなく、
事前に下記が必要になってきます。

障害者手帳

自分で利用したい事業所を探す。体験もする。
(A型は短時間雇用で月6〜8万円程の給与、B型は成果報酬型で1時間あたり200円代の工賃が出る。)

・市役所から相談支援サービスを行っている事業所一覧をもらう。自分で調べてコンタクトを取り、相談支援員さんについてもらう。
(福祉サービスを利用する際に、契約が必要になります。相談支援員さんは利用計画を立て、市役所への書類提出や、事業所とのやり取りを自分の代わりにしてくれる方です)

・市役所の福祉課で利用したい事業所を伝え、受給者証を発行してもらう。
(本来利用にお金のかかるA型やB型の福祉サービスを、無料や格安で使える証明書です)



ちなみに人気の事業所は
利用者の空きがでるまでに2-3ヶ月かかることもあるため、気長に待つ覚悟も求められます。

また副業がNGな場所も多いので、収入がどんなに低くても個人事業主を辞める必要があります。




・今出来る事まとめ


以上をまとめますと、
障害年金の審査に落ちた
今の私が出来る事は

①不服申し立てに証拠書類を添付して、審査を要求する。
②日常生活の項目に該当する困り事を、かかりつけ医に訴え、場合によっては更新した診断書を再発行してもらう。
③またイチから障害年金の申請を行う。
④念のためA・B型事業所の利用を視野に入れる。


という感じかな、と思います。


福祉サービスは
そのままでは知らない事も沢山あって、
「誰かが一貫して手厚く教え、支援してくれる」という事は、基本的には無いんだと知りました。

むしろ自分から調べて、グイグイ助けを求めていかない限り、さまざまな支援サービスが受けられません。

障害者にも自発性と自己責任が求められる世界だなと思います。


文・絵:moku

よろしければ、サポートを宜しくお願いします!頂いたサポートは大切に、こちらの発信活動の原動力として使わせて頂きます。