清水明『統計力学の基礎』10/2刊!『統計力学』43冊,また買うの!?
清水明先生といえば、
これらの本ほどに、世界的に見ても非常にユニークな入門書はありません。従来の枠組みを破壊し、再定義しつつ、それでいて理論の厳密さが保たれ、非常に展開がわかりやすい。
量子論や熱力学は、物理学の中でも、とくに抽象的で捉えがたいに分野です。専門に学ぶ者のほとんどが、果ての見えない霧の迷宮をさまよい続ける絶望を味わいます。この2冊は、そんな重い霧に包まれていた苦境に、一筋の光を差し込んでくれる導きの書なのです。
英語で出版されていれば、物理学の専門書として、世界中の研究者の間で広く読まれているベストセラーになっているでしょう。
理論物理学を学ぶ学生はもちろん、研究者にとって、いまや必須の愛読書になっています。
そして、とうとう出版されます。
清水明先生のHPにて「易しいバージョン」が公開されていました。いつか出版されると告知されて、数年間。すでに東京大学教授を定年退職されており、出版が雲散霧消してしまったかと思っていました。
※ 現在はPDFの公開は中止されています。
統計力学について馴染みがない方は
こちらの動画がその世界の入り口になります。
統計力学は、アヴォガドロ数以上の非常に多くの粒子が関与する物理現象を扱う分野です。統計力学が扱う領域は広く、エネルギーの分布や温度の変化、あらゆる物質の化学的性質(超伝導も含まれます)、ほとんどすべての日常的な現象を描写できます。時間の流れに関する物理観は統計力学に起因します。相対論ではありません。相対論は時間の尺度を取り扱います。時間の向きやその起源については統計力学の研究領域です。
この動画を通じて、統計力学の面白さを体感してみてください。
普段使いの『統計力学』
ところでなんですが、
私は紙の書籍をほぼ全て処分しています。壁一面本棚は卒業し、電子化したPDFを使用しています。ファイルサーバーとクラウドストレージにそれらPDFを配置しています。
このSynologyNASを使えば、相当量のクラウドストレージをタダで使えてしまいます。わたしはいくつかのクラウドストレージを組み合わせて1TBほどを合法的に無料で使っています。詳しい方法を書きません。
実は、蔵書から調べる際にはかなり苦労しています。
探しにくい。本にメモしにくい。
そのため、いつくかの主要な本は必要な箇所だけを印刷して、冊子にしています。
「統計力学」について調べたいときであれば、『久保亮五編,大学演習 熱学・統計力学,修訂版』理論部分だけを印刷した冊子を使っています。これだけでも128ページ(熱力学が54ページ、統計力学が74ページ)あります。計算過程は載っていないので、この冊子だけでも重要な項目が網羅されています。
もっと詳しく知りたいときには、PDFを開いて調べています。
PDFを開くのが面倒、紙の本がほしい。
わたしは電子書籍やPDFをかなり使いこなしている、と自画自賛してもいいはず。
すべてのPDFは、ファイルサーバーとクラウドストレージの両方で同期されており、必要なときにはすぐにファイルを探し出せる。書き込み・作成・編集も全て自動で同期されいる。PCやタブレットで、これらPDFを即座にアクセスでき、これら端末でも同期状態が維持できる。
それでもPDFを開くのが面倒なのだ。
WEBでの検索をつい利用してしまう。
なんのために、仮想図書館化にしているのだろう。
所有している統計力学の本(PDF化済)
おすすめ順ではなく、ファイルサーバ内の検索結果を並べただけです。
一番思い出深い、使い込んだ本は
でしょうか。
紙で持っておくなら、と候補にしている本
でも、熱力学はいらないから、
※ 原田義也『化学熱力学 修訂版』,裳華房,2002を紙の本で残している。
書店で見掛けて、そつなく全般的に載っていて、一冊だけを持つなら、これでもいいかなと考えていました。
鈴木増雄ほか,統計物理学ハンドブック: 熱平衡から非平衡まで,朝倉出版,2007
確率過程から非平衡系までも含む、全部盛り。非常に詳細かつ高度。しかし、高価すぎます。
しかしながら、すぐに『統計力学』が必要ではなく、購入を先延ばししてきました。
もうすでに清水明『統計力学の基礎 I』は、紙の本で購入する候補に入ってきそうです。発売日が待ち遠しいですね。
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