[統計学]なんでも載ってる母艦的な統計本を3冊。あまり知られていないかも。
統計学の勉強中に、式の導出(計算)で困ったときに、これら3冊に当たってみてください。
ほとんどのケースで載っています。
たとえば、あの分布の
平均値、分散ってどうやって導出した?
積率母関数(mgf:Moment Generating Function)の導出、そのmgfから平均値・分散の導出がわからないよ。
というときに役立ちます。
確率と統計の基礎 増補版 (MINERVA数学講義),ミネルヴァ書房
一般的な数理統計学の内容について説明と導出をほぼ網羅。
わかっている人向け。基礎ではありません。
1巻 ユーズド2000円とは、これは買いです。
Rovert V.Hogg,数理統計学ハンドブック,翻訳:豊田秀樹,6e,2005
原著"Rovert V.Hogg, Introduction to mathematical statistics" 第6版の翻訳です。(リンク先は8e(2018)です。)
「ハンドブック」と銘打っていますが、けっして、公式集のような数式の羅列ではありません。しっかりと説明がなされている数理統計学の専門書です。
米では定評ある統計学入門書です。第8版までリリースされているくらいです。
800ページありますが、前提とする知識は低い。しかし、到達するところは、和書の「数理統計学」本と同レベル(よりすこし上)。ページ数が多いため、アプローチが丁寧です。これ一冊で、統計学(統計検定1級)程度まで習得できます。
和書「数理統計学」は数理的なエレガントを醸している分、数学的衒学さあります。このHoggの「数理統計学ハンドブック」は読者目線の数式処理で、数学を専門にしていない人でも読み進めやすい。
こういう本がアメリカにあるかぎり、日本は統計分野でもアメリカに追いつけない、のかもしれません。
2023年時点では、原著(8e,Global Edition,2020)が出版されています。ペーパーバック版が8000円で、内容量を考慮するとかなりオトクです。
数理統計ハンドブック,蓑谷千凰彦,テコム
蓑谷千凰彦先生の渾身の一冊。
公式集にも使えるし、独学書としても使えます。
日本の学者による、日本語の"Hogg, Introduction to mathematical statistics"の位置づけといってもいいでしょう。
惜しむらくは、現在ユーズドでしか手に入らずプレミアがついていること。
メジャー出版社からの出版ではないのが残念です。
……………………………………………………………………………………………………………………
今回挙げた3冊は、つぎのレベルのお話。
2023年ごろであれば、これらが3巨頭だと思います。
黒木学先生の本が、わたしは好みです。
黒木学先生といえば、因果推論(Judea-Pearl『統計的因果推論 -モデル・推論・推測』)の第一人者として有名です。
統計学検定でいえば、2級以上~1級レベルです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?