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プラグマティックな古典文法 2':天才肌向き? 硬いけど優しい。

まず、日本古典文学を専門にしたい方向けではありません。

あくまで趣味として、古文を読む際に、気軽にお安く習得できる方法です。

この意味でプラグマティック(実用的)としています。

大学受験対策にも使えるかもしれませんけど、高校生が好む方法ではないかもしれません。

わたしは理系ですし、高校生の頃に古文の意義を認識しておらず、国語・古典の授業は数学・物理の内職ばかりしていました。

こういう人が書いています。
古文を読むモチベーションを、あえて書きません。本を読んでいると古文に稀に出会うため、古文を読めるように維持しているだけです。

どのように古文を読み込んでいるのか、専門家さん、大学の日本古典を学ばれた方が、このような記事を書いてくれると嬉しいのだけれど。

の続きです。

この記事を書きたかったので、「プラグマティックな古典文法習得法」シリーズを書き始めました。

古典といえば、関わるのは大学受験の時だけ。このため、予備校に関連した参考書が人気があります。

とはいっても、前回に紹介したスタディサプリ: ベーシックレベル古文<読解編>のような、

若いねーチャンの講義なんて見るのはヤダね

という天才肌な方もいるでしょう。

そのような方向けに、古典読解習得法があります。伝統的というべきか、従来型というべきか、現代では絶滅してしまいました。

このルートは正統派すぎるために、学習者がそもそもモチベーションを持っていることが前提となっています。「なぜ古文を学習しないといけないのか、読む必要があるのか」といった疑問を抱きながら学習する方法ではありません。「モチベーションがまずありき」なのは、数学や物理といった理系科目では当たり前のことなんですけど。

モチベーションがあるという前提で、まずこちらの資料をDLしてみてください。文献を探す際に手引書になります。

その方法とは?

3パターンを紹介します。

その① 硬い? でも優しい?

つぎの3冊(少なくとも上2冊)だけで、「プラグマティックな古典文法習得法3:実戦」に進めます。わたしは、これらの本を数年前に知ったので、実際にはやっていません。古文学習を初めた時に知っていれば、必ずこのコースをしていました。今からはじめる方にはぜひ検討してほしい、硬くて優しいルートです。

  1. 『理解しやすい 古文 (シグマベスト)』秋山虔 文英堂

    • シグマベスト理解しやすいシリーズ。『政治・経済』は佐藤優さんが著作で推薦され、ベストセラーになりました。『古文』も取り組みやすいです。教えてもらえる状況になく、教科書もない、といった場合、まず第一に信頼ができる内容。年々進化しており、デザインも都度読みやすくなっており、類書中で最も使い勝手がよかったりします。2023版も出るようです。

  2. 日本古典読本 秋山虔,桑名靖治,鈴木日出男 筑摩書房

    • 名著です。本格的に古文を読みたい方への最良の指南書です。詳しくはこの記事を参照ください。

    • 四六判サイズ、上部1/5に頭注(語句の解説・意味)、中部3/5本文、下部1/5に脚注(作品解題, 本文解説 等)、現代訳は別冊子、使いやすさ抜群です。約250ページにわたり、古代から近世の古典作品が収録されています。有名作はもちろん、大人向けに「正法眼蔵」「歎異抄」、杉田玄白、高野長英など、学習参考書には見かけない古文も選出されています。

  3. 源氏物語読本 秋山虔,桑名靖治,鈴木日出男 筑摩書房

秋山虔さん、鈴木日出男さん、この2人のお名前を知っている方は、そもそも古典通です。

秋山虔さんは、岩波新書『源氏物語』も書かれており、紫綬褒章受章されるほどの国文学者です。
鈴木日出男さんも『源氏物語』の研究で有名だけでなく、古典文学の多く書籍を書かれています。
お二人とも著書、記事が膨大にあるために挙げきれません。日本古典を調べると必ずお目にかかる方です。

その② 百人一首コース(和歌を使って古典を学ぶ)

百人一首は、古典文法、レトリック、古典単語、古典常識が凝縮されています。

1.百人一首を暗記する

わたしは80首ほどで止まっていますけれど。。。

2.和歌を通して古典文法を学ぶ

その③ 品詞分解が載っている本を使う。

この趣旨の本は、出版社倒産など、増刷が見込めません。現代社会での"古典の意義"を如実に象徴していますね。

  • 中道館 古典新釈シリーズ

    • 中道館 倒産のため、古本でしか手に入りません。品詞分解アリの本では最も内容が豊富です欲しい古典作品の巻を見つけたら、即購入しておくのをオススメします。わたしは、『古今和歌集』『新古今和歌集』『徒然草』『平家物語』を持っています。

  • 旺文社 文法全解 (古典解釈シリーズ)

    • 参考書で有名な旺文社さんですけど、古典解釈シリーズは増刷されておらず、古本でしか手に入りません。わたしは『万葉集』の巻だけ持っています。『万葉集』は少なくとも出来が良くて、愛用しています。他の巻を見たことがありません。

  • 同様の参考書につぎがあります。内容は「中道館 古典新釈シリーズ」に劣ります。

作品を詳しく調べたい時

上記のコクタメ以外に、

をあたってみると目から鱗となるはず。ただし、学燈社はすでに倒産。図書館や古書でしか手に入りません。多くの日本文学についての「必携」シリーズが出版されていました。掲載記事がプロに寄り過ぎない、ほどよい詳しさがあり、目を通しておいても損はありません。

最後に

随時追記しているかも。





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