本屋、ひとりで本を作る。
ここ2ヶ月ほど、あまり趣味で本も読まず、noteに書くことからも離れていました。何をしていたかといえば、ふと思い立って、本を作っていたんです。
といっても、一般的に書店に流通するような本ではなく、いわゆるZINEと呼ばれるミニコミ誌。
今日は、その本を作るに至るまでの経緯をお話しさせてください。
そうだ、本をつくろう。
そもそもZINEとは何か?
一般的には、個人が作った印刷物や冊子のことで、magazineの後ろを取って「ZINE」と呼ばれています。
今回ZINEを作るきっかけになったのは、マーケットへの出店でした。
先日のnoteで、初めて古本屋を経験した私ですが、その記事を見て、なんとまた別の出店の機会をいただいたのです。
その名も「美須々の杜のモール」(インスタは @misuzu_mori_mall)
8月13日・14日というお盆の真っ只中、長野県護国神社の境内で行われる「ショッピングモール」がテーマのイベントです。
私の出店は13日のみです。とはいえ、松本市を中心に、本日までに40を超えるそうそうたるお店がエントリーをされる中、実績1の古本屋でも機会をいただけるなんて、どんなに有難いことか・・・!
大きなイベントに出店をするにあたり、一つ問題になったのが、品数です。
普段から古本屋をしているわけではないので、どうしても個人の持っている本だけだと数が少ないのです。かといって、読んでいない本を手当たり次第に集めるのもなんか違う・・・と思った結果思いついたのが、「そうだ、本を自分で作ればいいじゃん」でした。
ちなみにそれを思いついたのが6月中ごろ。実質本の中身は、1ヶ月ちょっとで作成することになりました。
その時はあんまり不安がなく、今なら作れるかもなーくらいの意識で、早速着手することになったのです。
作りたい本を作る、と決める
もともと紙モノが好きで、旅先でチラシやフリーペーパーを集めて帰ってくるのが好きだった私なので、ZINEの存在は昔から知っていました。
個人が「雑誌」を作れると初めて認識したのは、「a quiet day」という雑誌に出会った時。
今から5年以上前、編集長の岩井さんにお会いした時に「自分が読みたい北欧系の雑誌がなかったので、作ったんですよ」的なことをおっしゃられていて。
その時はそれほど深く考えなかったのですが、今回、本を作るというアイデアを思いついた背景には、その言葉がありました。
以前、アメリカのポートランドを旅行した際に購入した「You‘re Weird」という本。自分の中のへんてこ(Weird)な部分を、個性として捉えよう!というワークブックで、とても大切にしています。
ワークブックとか、落書き系の本って、個人的にやっぱり好きなんです。
子どもの頃のプロフィールブックもハマったけれど、大人にとっても「個性」を勇気づけるという手法で楽しくできるワークに昇華させている、ユーモアたっぷりなところが好きで。自己啓発書とはまた違う、知識を入れるのではなくて、ただ自分を見つめることを面白がるための本なんです。
この本みたいに、かわいいイラストがたくさんあって、大人も遊べるワークになっていて、しかも日本語で読める本には、これまで出会ってこなかった。
そんなイメージで浮かんできた本を、せっかくだから自分で作ってみることにしました。
大変だけど自由な、ひとり編集
今回は、スケジュールも短かったため、ひとりで作れる範囲に限られることがわかっていました。
文章も、イラストも、編集も、校正も全部自分しかいません。
ただ、自分が納得いくまで作業をすることはできます。どんなにスケジュールを動かしても、自分しかいないので、迷惑にもなりません(笑)
ZINE作りの大まかな流れは、作り方のZINEが出ているのでそれを参照したり、図書館で借りたりしました。まずは文章の大枠を作って、必要そうなメインの絵を描く。文章やページを作っていたら、ZINEとしてはやや厚めの32ページになりました。ページの配置が決まったら、メインの絵以外に足りない装飾などをCanvaを使って配置しました。
特に表紙はうまく納得できるものにならなくて、泣きそうになりながら何パターンも描いて、ギリギリで作成すること1ヶ月半。
できた本がこちらです。じゃーん。
はい、まだゲラの状態です。というのも、印刷と製本は印刷所さんにお願いしているため、今は印刷の真っ最中。届くまでにはもう少し時間がかかります。
うまく印刷できているかは最後までのお楽しみ。
まだドキドキです。
あとは手に取った方がどんな印象を受けるか、それがひたすら楽しみでもあり、ちょっぴり恥ずかしくもあります。
今のところ、8月13日のイベントでしか販売の目処が立っていないため、ご興味ある方はぜひ、足を運んでみてください。(屋外でのイベントですので、暑さ対策を万全に!)
ただ、せっかく楽しく作れたZINEですので、場所と機会さえあれば外部でも販売したいと思っています。地方では難しいように思いますが、また成果があればご報告します。
ちなみに、古本を売る際の屋号は『桶屋書店』としました。駆け出しの桶屋書店、およびZINEともども、よろしくお願いいたします。
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