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夜更けの考え事と牛すじカレー

一昨日家に帰ってずっと一つの事を考え続けていた。

そしたら頭が痛くなってきた。

風邪でもコロナでもない。

普段使わぬ脳が疲労で出しているSOSであろう。

頭が痛いのに腹が減ってきたのはその証拠だと思う。

安売りで買った冷凍室のスジ肉でカレーを仕込む。

たぶん違う脳を使うからだろう、そんなことが疲れを癒してくれる。

私にとって料理が一番の気分転換かも知れない。

合気道の稽古よりも集中しているかも知れない。

そしてまたスイッチを入れ直して続きを考え直そうと温かく美味しいカレーを食べた。


7月20日は私にとって夏休みの始まりの日だった。

夏休みが始まるこの時期には必ずあの時の気持ちが心の底から湧き上がってくる。

青い空、白い入道雲とは対照的なモノトーンなあの部屋の灰色が心に広がる。

兄貴と二人アパートで暮らす夏休みの始まりの日だった。

時間はあれども何もしない、兄貴と二人でテレビを観る、そんな時間のスタートだった。

気の重い時間であったが容赦なく夏休みはやって来た。

しかし、今ではそんな事もいい思い出となっている。

あんな事があったな、と話すれば兄貴も喜んでくれる。

その頃は自分のことで精一杯だった。

兄貴の事など考えてやる気持ちの余裕は無かった。

でもなんの不平も言わない兄貴がいた。

今は感謝しか無い。

陰気だった夏休みの始まりの日は少しずつ浄化されてきたように思う。

いつも始まりの決まっていた日にちで脳に刷り込まれている私には以前通りの日にちが来れば祝日や行事が動き出す。

これもある意味条件反射、私は知らぬうちにパブロフの犬となっていたようだ。

出来れば、猫の方がよかったが。

カレーを食べながらくだらぬ事を考えて頭の痛みも考え事も忘れてしまい夜は更けていったのである。

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