「⾃分を選んでもらうため」の⼈間関係構築において、活⽤すると効果的である 「営業⼼理学」についてを、Webディレクター目線でまとめました。
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01. Web業界のディレクターの仕事って何だろう?
「営業ではなく、ディレクター」「完璧な提案書を作るから大丈夫」「ディレクション力を高めたい」
そんな声も聞こえてきそうですが、案件を依頼していただく事でディレクションする業務が発生します。ですので、案件獲得のための受注活動も非常に重要です。
02. 受注活動におけるディレクターのタイプ
「⼈脈を活⽤する」 「知識に⻑けている」については、時間・経験、ご⾃⾝の努⼒・勉強が特に必要となります。 そこで、今回は、⽐較的取り⼊れやすい 「営業⼒」の中の会話術にフォーカスして、説明します。
03. 営業活動のポイントって何だろう?
エムハンドのディレクターの仕事を例に挙げると、
そのため、下記のようなことは⾏っていません。
既に、HPをリニューアルすること⾃体は決定しているお客様へ、弊社のサービスのご説明やご提案を⾏うことが中⼼です。
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つまり、サービスの利用(サイトリニューアルすること)自体は決定しており、 自社(⾃分)を「選んでもらえるか」「選んでもらえないか」 が重要なポイントとなります。
04. そもそも営業⼼理学って何?
【心理学】
⼼理学とは、⼈は無意識のうちに「こうされたらこう感じやすい」「こういう状況ではこうなりやす い」などの⼈間の⼼理を研究した学問のことを指しています。営業⼼理学とは、その⼼理学の1種です。他にも犯罪⼼理学‧恋愛⼼理学など様々あるそうです。
【営業⼼理学】
営業⼼理学は、⼼理学を営業活動のシーンに置き換えて、 考えたものです。
05. どんな技法‧話法があるんだろう?
今回、営業⼼理学の中でも もっともポピュラーな下記7項⽬に絞って説明します。
❶ 単純接触効
【⼀般的に⾔われていること】
人は何度も繰り返し触れるものに対して好感をいだく現象のことです。
営業では成約に⾄るまでの間、顧客の元を何度か訪れるのが⼀般的でしょう。
これは、⻑い時間相⼿を拘束して予定を崩さないようにする効果もありますが、単純接触効果を利⽤するためでもあるのです。
単純接触効果においては、どれだけ⻑い時間を過ごしたかよりも、どれだけ頻繁に時間を過ごしたかが重要です。
成約したい営業マンからすればもどかしくも感じるものですが、1回の商談は短めにして営業回数を増やすようにしましょう。
【⽇々の⽣活における具体例】
【営業活動における具体例】
提案前までにお客様と接する頻度を増やすことは、好感を持ってもらうという⾯で有効です。
❷ 好意の返報性
【⼀般的に⾔われていること】
⼈は「⾃分に好意・好感を抱いている⼈」に対して、良い印象を持ちやすいと⾔われています。
【⽇々の⽣活における具体例】
【営業活動における具体例】
まずは⼩さな好意を提⽰することを繰り返し、 最低限、クライアントから好感を持ってもらうことから意識してみることもありでしょう。
❸ YESドリ(イエスセット、yes set、YES誘導法)NO消し
【⼀般的に⾔われていること】
【⽇々の⽣活における具体例】
【営業活動における具体例】
いかにして『⼩さなYESを積み重ねていくか』『NOと⾔わせない会話・質問をしていくか』が⾮常に重要です。
❹ フットインザドア・ドアインザフェイス
【⼀般的に⾔われていること】
【⽇々の⽣活における具体例】
【営業活動における具体例】
⼩さい要望から⼤きな要望へ、⼤きな要望から⼩さな要望へ ⽬的に辿り着くために、上記のような⼯夫をしてみるのも有効です。
❺ 第三者話法
【⼀般的に⾔われていること】
⼈は、第三者の意⾒を取り⼊れることで信憑性が⾼まるため、 相⼿がこちらの主張を受け⼊れやすくなる。と⾔われています。
【⽇々の⽣活における具体例】
【営業活動における具体例】
時には有名な方のお名前をお借りしてみてはいかがでしょうか。
❻ 両⾯提⽰の法則
【⼀般的に⾔われていること】
⼈は、何事にもメリットとデメリットがあることを理解しています。 そのデメリットを隠しメリットだけ強調されると、不信感に繋がってしまいます。
メリットだけでなく、デメリットも伝えることは重要です。
デメリットを公開することのメリットは、誠実であるという印象を持ってもらえること、 そしてそのデメリットを補ってあまりあるメリットがあるということを、逆説的に伝えられることです。
【⽇々の⽣活における具体例】
【営業活動における具体例】
時にはデメリットも伝えることで信⽤を⾼める⼯夫も重要です。
❼ 分析⿇痺(選択クロージング) 極端の回避性(松⽵梅の法則)
【⼀般的に⾔われていること】
⼈は選択肢が多いほど「分析⿇痺」に陥りやすい。(決定することが困難になりやすい)
⼈は「選択肢が少ない⽅が幸福度を感じやすい」ということが統計的にわかっている。そうです。
三段階の選択肢があった場合、多くの⼈は真ん中のモノを選ぶ
【⽇々の⽣活における具体例】
【営業活動における具体例】
提案する数‧⾒積の数を調整し、ご自身を選んでもらうようにする工夫は重要です。
05. その他の手法
下記は一般的ではないですが、その他の話法等についてご紹介します。
ピーク‧エンドの法則
吊り橋効果
損失回避の法則
当然意識
04. 最後に
上記の例は全ての場合にあてはまるわけでありません。 お客様のタイプを⾒抜き、それに合った⽅法で使い分けていくことが重要です。
ただし、『知らないことは使うことができません』 使う、使わないは、皆さんの⾃由ですが、 「営業⼼理学」というものを知っておくことで、使う必要がある場⾯が来たら使ってみると良いと思います。
数学の公式などと同じで、「●●の⽅式」など法則の名称を覚えただけでは意味がなく、プレゼン時や電話対応などのシーンなど、日々の業務に当てはめて活⽤することが重要です。