平均年齢70歳の、男の料理サークルの講師をしています。⑨
気が進まないまま引き受けた「半年だけの」男の料理サークルの講師。
だけど、やるからには喜んでもらいたい、とがんばってしまう性格の私。
「男の料理」とか「シニア 料理」とかで検索したり、図書館に行ったり、
これだ!となかなか決められずに初回が近づいてきます。
ここの市民センターの調理室にはごく基本的な調理道具しかなく、できる料理が限られます。
なぜか電子レンジが1台だけ、それも箱に入って棚にしまわれていて簡単に使えない状態。公共施設あるある、です。
時短と危険回避に便利なレンチン料理はやりづらいわけです。
私はどちらかというと「手をかける料理」を伝えているので電子レンジは滅多に使わないのですが、そういう料理にシニア男性がついて来れるか?は疑問。
私が受け持つ半年は、基本的な料理を一通りやってもらうことにして、
市民センターに掛け合い、卵焼ききを調理台の数の分購入して頂くことに。
そして第1回のレシピはこれになりました。
ちなみにこのレシピ、後々とても重要な気づきをもたらすのであえて当時のまま載せます。
厚焼き卵
12×18×深さ3.5センチの卵焼き器の場合
卵Mサイズ 4個、砂糖小さじ1、塩ひとつまみ、酒15cc、サラダ油適量、大根おろし、だし30cc(なければ省略可)
作り方
1、 卵をボウルに入れて割ほぐし、菜箸をボウルの左右にうちつけるように30回ほど混ぜる。調味料を入れて混ぜる。
2、 卵焼き器を熱してサラダ油少々を入れ、ペーパータオルにすわせて菜箸でまんべんなく油を広げる。更に熱したら卵で一筋書いてみる。すーっと固まったらいったん火から下ろす。ぬれ布巾を傍に置いておいて卵焼き器を7、8秒おいてあら熱をとる。
3、 お玉に一杯弱の卵汁を流し入れ中火にかけて焼き始める。卵が半熟状になったら菜箸で向こうから手前へ、3センチくらいの幅に折り畳んで行く。空いた所に油を塗る。
4、 卵を向こうへ戻し、空いた場所に油を塗ったら再び卵汁を流す。卵の下にも入るようにして半熟状になったらくるくると巻いていく。
5、 同じ事を卵汁がなくなるまでくりかえす。全部焼いたら側面も下にして焼き、まきすにとって巻き、5分ほど落ち着かせる。大根おろしを添えて食べる。
肉じゃが
材料(2人分)
牛こまぎれ肉100g、じゃがいも2〜3個(正味250g)、人参1/2本、玉葱1/2〜1個、しらたき100g、いんげん 2〜3本、サラダ油小さじ1、砂糖大さじ1、みりん大さじ1、酒大さじ1、醤油大さじ2〜2.5
1、 人参は薄く皮をむき、細いところは1センチ厚さの輪切り、太いところは半月切りにする。玉葱は皮をむいて縦半分に切り、輪切りに。じゃがいもは洗い4つに切ってから皮をむき、水にさらす。シラタキは湯通しし長かったら切る。インゲンは3〜4センチに切ってゆでておく。
2、 玉葱と水大さじ2、塩ひとつまみ(分量外)を鍋に入れて火にかける。中弱火で混ぜながら焦がさないようにじっくり火を通す。(水炒め)
3、 牛肉を加えて炒め、肉の色が変わったら他の野菜を入れて肉の油が絡まるように炒める。
4、 水をひたひたに加えて火を強めて煮る。
5、 竹串を芋にさしてみて3〜4ミリ刺さるくらいのタイミングで調味料を砂糖、みりん、酒、醤油の順に加え、人参を加えて蓋をし、10分ほど煮る。
6、 なべを傾けて煮汁がやっと見えるくらいまでにつめたらインゲンを加えてできあがり。
当日市民センターに行くと満面の笑顔のおじさまたちがきっちり準備をして待っていました。
話を聞くと、サークル運営をしていくために班分けをし、ゴミ捨てや布巾の洗濯、備品の保管などを分担制にしたとのこと。この平等な役割分担も、この後長く続くサークル運営の秘訣だったと思われます。この件もいずれか。
実はこの時の様子は記録が残っていません。
最初の頃はfacebookに投稿していなかったのです。なので記憶も曖昧で。
厚焼き卵を成功させるために調理台を右に左に走り回って、割と盛り上がった記憶だけ残っています。
「いつも弁当に入れてもらって普通に食べてたけど、こうやって何回も巻いて作ってるんだなぁー」
男は外で仕事をするもの。家事をするなんてありえないくらいの世代の方々。
こうやって少しでも料理のこと、知ってもらえたら嬉しいな、と思います。
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