見出し画像

Just Like Honey③

ライブハウスの外で1人佇んでいたケイトの第一印象は、影が立ってるの?って思うぐらい、冬なのにうっすら日焼けしてて、タレ目でおとなしそうで人畜無害そう、、、。
ケイトは私のことなんて思ってたんだろう。


さて、じゃあ5人で飲みに行きますかーって、妙に楽しくてテンションが高かった。

駅まで歩いてる時、シマ君に初めて下の名前で呼び捨てにされて、その時なぜだか「あ、私この人と結婚するわ」ってピシャっと浮かんでしまった。
なんでそんな事思ったかというと、、、ちょっとまた後で。

チャリンコで来てたシマ君だけ現地集合にして、4人で地下鉄に乗ってる時、ケイトがマイルドでおとなしそうな印象とはちょっと違い、案外喋るしおもしれーやつだって事がわかった。
今書きながら思い出したんだけど、菓子パンの「サンミー」で話が盛り上がって4人でえらい笑ってたな。まじでなんで?

ほんとこの日のことは細かいことまでよく覚えてるなって、自分でもびっくりする。
多分ここに辿り着くまで、私もハナも周り道しまくったからかなと思う。
少し前にバンドやってる系の子たちと、スケボーやってる系の子たち、それぞれつるんでる期間があったかけど、なんか実らなかったことがあってその頃と比較してたのかなー、みたいな。
それに比べると、タイミングがぴたっと合って楽しく思ったのかもね。

くそ寒い中1人チャリンコでやってきたシマ君とも無事合流し、どこ行こっかって迷いながら入った焼き鳥屋では、まさかのケイトの後輩が働いてた。
こういう時って偶然が重なるね、不思議。

その後輩もおもしれーやつで、テーブルに来たついでにちょっと話したりなんかして、みんなでワーワーしてると、映画の話になった。
これは私の悪いクセみたいなもので、今も昔も映画の話になると、周りが見えてないオタクみたいになっちゃうんだよね。
周りが見えてないうえにベロベロになりかけだったけど、ハナが助け舟を出してくれた。

ハナ「こないだ観たって言ってたサーフィンの映画、なんてのだっけ?」
私「“ショックウェーブ”じゃない?ずっとサーフィンしてみたいと思ってるけど、どうやって始めんの?」
ケイト「俺やってるよ〜(ゆるっ、ヘラッ)」
シマ君「そういえばケイト君、してる言ってたね」
ケイト「(私にむかって)え?行く?」
タニ君「ほんならLINE交換して、行ったらええやん!ほら、はよ!」

ここで私の運命は決まったと思う。
やっちまったよ、まったく。

だからと言ってこの後すぐケイトと急接近したかというと、そうは問屋がおろさないんだなこれが。
その前にシマ君と一悶着ある、超青くてチクっとすることが。


みんな同じライブに行って、たまたま会えて、タイミングって不思議だなと思う。
多分タニ君がいなかったらLINEの交換もしてなかっただろうし。
何より、ケイトと出会ってなかったら、多分私の人生は今より随分と楽しいことが少なかったような気がするし、相変わらず他力本願で空っぽだったろうなって時々考える。

変わるきっかけをくれたケイトにはもちろんだけど、ハナとタニ君、シマ君には感謝しかないよ。

なんか涙出そうになってきた。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?