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なぜ仕事を辞めたのか〜20代の頃②

夢と現実の間で、思い悩む日々が続いた20代後半。私の生活が変わるきっかけになったのは、属していた集団を辞めたことだった。その後は、条件の良い派遣の仕事も始めてフルタイムで働くようになった。

楽しかった派遣社員時代

生活も安定するようになり、お金を貯めて、生まれて初めて飛行機に乗って沖縄に旅行に行ったときは、こんなに楽しんでいいのだろうかと思うくらい、とても感動した。休みの日に遊びに出かけたり、たまに外食をしたり、洋服を買ったり、誰かにプレゼントを選んだり、、、今までできていなかった暮らしが、とても楽しかった。

派遣の仕事を続けるうち、派遣会社の契約社員になる事ができた。多くはないがボーナスも出た。このまま続けられたらいいな。 

そう思っていたとき、震災があった。

価値観が変わった

初めて体験した大きな地震。その時私は、品川の勤務先のビルにいた。今まで体験したことのないような大きな揺れ。ガシャンガシャンとビルが揺れるたび音がする。埋め立て地に建てられた高層ビルだったから余計に揺れたのかもしれない。壁もぼろぼろと落ちてきて、「死」というものを強烈に意識した。

オフィスで一夜を過ごし、翌日なんとか家までたどり着いた。報道で被災地の被害があまりにも大きいことが、どんどん分かっていく。

「生きるとは。」ということを強く考えるようになった。どう生きるのか。納得して生きたい。震災を体験して、今までの価値観がガラッと変わった。

条件で選んだ派遣の仕事。その仕事が何のためのものなのか、人々にどんな影響のあるものなのか、恥ずかしながら考えたことがなかった。これからは、誰かを少しでも幸せにしたり、自分の中で意義を見出せる仕事がしたい。そう考えるようになった。

30歳のとき、前職に出会った。

会社の理念に惹かれて入社した前職は、始めはフルタイムのアルバイト採用からのスタートだった。周りの同僚は私より年下が多かったが、仕事へのモチベーションが高く、驚くほど皆「いい人」ばかりだった。派遣のときみたいに、誰かの悪口を陰で言ったり、マウンティングしたりなどがない。派遣の時と比べて給与も低くなったが、好きだと思える仕事ができて幸せだった。この会社でステップアップしていきたいと思った。












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