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【活動報告】フェムテック振興議員連盟 第9回総会に出席しました(2022/02/09)

こんにちは。メディカル・フェムテック・コンソーシアム(MFC)事務局です。

今回は2022年2月9日に行われた、フェムテック振興議員連盟第9回総会への出席についてご報告させていただきます。

「フェムテック振興議員連盟」の第9回総会が開催され、MFCからも、松本理事長をはじめ、メンバーが出席しました。


今回は、日本医療政策機構の今村優子氏に登壇いただき、事業主が女性従業員の健康課題に取り組むことの重要性についてお話いただきました。

まず、「働く女性の健康増進調査2018」をもとに、PMS(月経前症候群)や月経時の仕事のパフォーマンスの変化、ヘルスリテラシーと仕事のパフォーマンスの関係、婦人科への受診について説明がありました。

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次に、「現代日本における子どもをもつことに関する世論調査」を参照し、初めての婦人科受診の年齢についてや、月経異常や器質性疾患等に関するヘルスリテラシーの調査結果に関する説明がありました。

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以上の結果を踏まえ、今村氏から、以下の4つの政策提言が述べられました。

(1)女性特有の心身の変化に関するヘルスリテラシー向上のための支援の強化
・従業員のライフステージごとに必要な知識を提供する研修等の実施など

(2)婦人科へのアクセス向上のための体制整備
・企業や健康保険組合、協会けんぽと医療機関の連携促進
・婦人科・産婦人科を受診しやすくするための適切なサポート体制の整備(オンライン相談、診療の導入)など

(3)症状のある女性従業員が重大な病気が隠れている可能性があることに気づくことができる仕組みの構築
 ・婦人科症状に関する項目を企業の健診の問診項目に入れることなど

 (4)女性の健康課題に関するさらなる調査・研究の推進
・女性の月経、PMS、更年期障害等を含む婦人科疾患が日常生活に与える社会経済的インパクトについて、定量的に明らかにできる調査への助成など

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議連の会長を務める内閣府特命担当大臣の野田聖子議員からは、「女性のウェルビーイングのためにも、早くから自分の体を知ること、また男性も女性の体について知ることが重要」とのコメントをいただきました。


次に、厚生労働省より、企業における従業員の不妊治療・妊活支援の取り組みについて説明がありました。

社会的機運の醸成のための取り組みとして、事業主等向けシンポジウムの開催や、子育て応援コンソーシアムの活用が挙げられました。

また、制度的対応としては、次世代育成支援対策推進法に基づく「行動計画策定指針」を改正し、一般事業主計画に盛り込むことが望ましい事項として「不妊治療を受ける労働者に配慮した措置の実施」を追加したこと、また「くるみん認定制度」の評価基準に「不妊治療と仕事との両立」に係る基準を追加し、取り組む企業にインセンティブを与える、といった取り組みをしているとのことでした。

さらに、企業の取り組み支援として、不妊治療を受けやすい職場環境整備に取り組む中小企業への助成金や、休暇制度の導入を図る事業主への研修会等の開催についても紹介されました。

また、産業医や産業保健スタッフ等の、女性の健康課題に関する知識向上のために、来年度からこの分野に関しての専門的な研修を行う方針であるとのことでした。加えて、母性保護規定、母性健康管理措置、母性健康管理指導事項連絡カードについても紹介されました。


続いて、経済産業省からも、同テーマに対する取り組みについて説明がありました。令和3年度の「女性活躍度調査」に、企業のフェムテック活用事例に関するアンケート項目を新設し、その回答をもとに、注目企業について数社を選定し、今後公表予定とのことでした。

さらに、健康経営度調査においては、令和3年度より女性特有の健康課題への対応を選択必須項目として設定し、妊娠・不妊に関する教育や不妊治療の支援を行っている企業が評価される仕組みとなっているとの説明がありました。


以上を受け、会場では、以下のような意見が出されました。

月経に伴う諸症状によるパフォーマンスの低下を、感覚ではなく数値等で可視化することによって、月経時の諸症状について周囲から「個人の感覚に過ぎない」といった受け止めをされることがなくなるのではないか。そのような研究への助成が必要ではないか。

 ○健康診断の結果は、問題点を指摘して終わりというのが現状。従業員の行動にどう結びつけるかを考える必要がある。

 ○健康診断の結果について、「経過観察です」と伝えるだけでなく、どんなリスクがあるかを具体的に伝え、健康への意識を喚起することが必要ではないか。

女性の健康課題に対する従業員の意識を喚起するような企業内研修が行われるよう、事業主へのインセンティブが必要ではないか。

健診項目に、婦人科領域に関する内容を入れることを促進する必要がある。 

○生理だけでなく、更年期の健康課題等も含め、女性の一生におけるフェムテックの関わりについても議論したい。 

以上のように、自分自身、また周囲が、女性の健康課題に対する意識を高める方策の必要性や、フェムテックが女性の一生における健康課題と関わるものである等の認識が共有され、引き続き議論が行われていくこととなりました。


過去のフェムテック振興議員連盟についての記事はこちら↓


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