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死にたいのに死ねないので『死にたいのに死ねないので本を読む』を読む 全世界のパパゲーノに捧ぐ応援歌

わたくし なにをかくそう パパゲーノ です。

パパゲーノ ってご存じですか?

元々はオペラ『魔笛』の作中 自殺を思いとどまる登場人物パパゲーノ
に由来する言葉で
マスメディアが自殺を思いとどまった人の例を挙げることで自殺抑制の効果があることを
パパゲーノ効果といい、
そこから派生して

死にたい気持ちを抱えながら、その人なりの理由や考え方で“死ぬ以外”の選択をしている人

https://www.nhk.or.jp/heart-net/papageno/

のことを言うそうです。

私が初めてこの言葉を知ったのは
2022年に放送されたNHKの特集ドラマ「ももさんと7人のパパゲーノ」

とはいえ この派生した意味
色々調べてみたけれど 辞書ではみつからなかったので、
派生させたのはNHKなのか?
全世界には通用しないのかも。

ご存じの方いたら教えてください。

このドラマ
主人公のももさんが死にたい気持ちを抱えながら
同じ思いを抱えて生きている人を訪ね歩く旅に出る というストーリー

絶対生きろよ!死ぬのは悪いことだぞ!

というような強制的なメッセージは全くなくて
見ていてありがたかった記憶があります。


ちなみに由来元 『魔笛』の
パパゲーノさん
何故自殺を思いとどまり 生きる道を選んだかというと

強制的に別れさせられた恋人が戻ってきたから

再開後 パパゲーノさんは喜びに満ち溢れて
パパゲーナという素敵な女性と

パパパの二重唱

なる歌を歌います

これ、さっきまで死のうとしてた人かよ というくらい

パパパパ パパパパ 歌います

沢山子供作るぜ!


パパパパ パパパパ 歌います

オペラをきちんと見たことはなかったけれど
・・・なんだよ 面白れぇじゃねえか

ご興味ある方はyoutubeでも見られますのでどうぞ


話は戻して

私の場合
パパゲーノ(死にたい気持ち)98%くらいになると
これはもう、激励などのポジティブワードなど全く耳に届きません。

そんな時、救ってくれるのは
やっぱり同じ境遇の人たちの話や作り出した世界でして。

まさにパパゲーノ効果ってやつ

そして今の自分の支えになっているのが

吉田隼人・著 草思社
『死にたいのに死ねないので本を読む 絶望するあなたのための読書案内』

吉田隼人さんは歌人であり、パパゲーノです。

かといってこの本が、
吉田さんの死にたがり体験ばかりを書いているかといえばそんなことはありません。

読書案内とある通り
多種多様な書物に関するエッセイ
というのが基本的なスタンス

登場する書物は、
小説・エッセイ・哲学書、はては18禁のゲーム(・・・もはや書物ですらない)
と多岐に及んでいて
難解な本も多いし、そもそも手に入らない作品もあるのだけれど
読んでみたいなぁ
と思わせてもらえるものばかり。

ワタクシ、この本を昨年末にたまたま入手し
そこからもう何度読み返したか分かりません。

この本が手元にあるというだけで

まあ無理して生きなくていいけど 死ぬのもいつでもできるか

と勝手に同士を見つけたような穏やかな気持ちになれるのだから不思議なもんです


全世界のパパゲーノに告ぐ

安心しろ、おんなじ気持ちの同士はここにもいるぞ
前なんて向かなくていいし、生きなきゃなんて思わなくて大丈夫
止まない雨はあるし 晴れない明日もある

パパゲーノ万歳!!


【参考】
吉田隼人 著
 草思社
『死にたいのに死ねないので本を読む 絶望するあなたのための読書案内』
『霊体の蝶』
 書肆侃侃房
『忘却のための試論』

W.A.モーツァルト 『魔笛』

NHK わたしはパパゲーノホームページ
わたしはパパゲーノ~死にたい、でも、生きてる人の物語~ - NHK


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