メザイ・べンジ

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マガジン

  • 【旅行記】尾道で過ごした一夜について

    2017年に旅した尾道を2024年に振り返ってみる

  • 旅が好きだ

    旅はDNA。 旅は、人が人であるための行為。 旅について書かれているエッセイをこちらに載せたいなと思います。 素敵なクリエイターさんの作品もまとめさせていただきます。

  • 【旅行記】エジプト〜ギリシャ

    2022年9月〜2022年10月までカイロ、ルクソール、アテネで暮らした記録

  • 【旅行記】長野県

    2020.11のこと

最近の記事

29歳の胃カメラ体験記

今年2回目、人生2回目の胃カメラを先ほど終えた。 この記事は、胃カメラへの恨みつらみをひたすら書くものです。 これから胃カメラをする人は読まないことを推奨します。 マタニティハイとか、産後ハイとか、そういう言葉が巷に溢れているけど 胃カメラハイという言葉も仲間に入れてほしい。 午前中、胃カメラを終えてきて満身創痍という感じだ。 達成感が溢れて胃カメラ以外のことは全てちっぽけに見えている。 6月に胃カメラを宣告され、約1ヶ月胃カメラの恐怖に怯えて過ごしてきた。 胃カメラ

    • 【旅行記】 初夏の北海道を3泊4日した記録

      2024年7月、北海道を4日間かけて旅行した記録。 「初夏の北海道」というフレーズはなんと魅力的な響きんだろう。 私が住んでいる街には、毎年この時期、雨がたくさん降る。そしておまけにとても暑い。まあ日本中どこもそんな感じだとは思うんだけど、年々過ごしにくい天気になっているなとひしひしと痛感する。 東南アジアのような蒸し暑さ、というと聞こえはまだいいものの、湿気と暑さが同時にやってくるこの季節、しんどい。 そんなとき、「北海道には梅雨が存在しないらしい」、という驚きの事

      • 尾道での日々⑤〜夜ってたまにそういうことするよね〜

        尾道旅についての記録はこちらのマガジンで公開中です。 読んでもらえると嬉しいです。 2017年7月の記録。 夜って、そういうことたまにするよね。 尾道を案内をしてくれた学生は終電があるからといって、先に帰った。 関東から来た学生と私が残り、帰路に着く。 しかし偶然目の前に猫が現れた。猫に視線を奪われた私は、猫を追いかけながらひたすら突き進んだ。関東の彼も巻き添えにしてしまった。猫を追いかけながらというのも変だけど、そこではじめて彼とちゃんと話をした気がする。 そして海

        • 尾道での日々④〜23時にはじまる古本屋〜

          尾道旅についての記録はこちらのマガジンで公開中です。 読んでもらえると嬉しいです。 2017年7月の記録。 夜11時から店を開ける、という古本屋があった。 尾道ラーメンを食べたあと、店を出て皆で商店街を歩く。 店内にいた別のお客さんたちはいつの間にかいなくなっていた。帰って寝るらしい。気が付けばそんな時間になっていた。 朝から移動の連続で疲れがたまっていた。古本屋のために眠気に負けまいと、夜の商店街を歩いた。 3時間前のにぎやかな商店街はどこかに消えていた。その代わ

        29歳の胃カメラ体験記

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        • 【旅行記】尾道で過ごした一夜について
          5本
        • 旅が好きだ
          2本
        • 【旅行記】エジプト〜ギリシャ
          1本
        • 【旅行記】長野県
          6本

        記事

          尾道での日々③〜みはらし亭と恋と坂〜

          尾道旅についての記録はこちらのマガジンで公開中です。 読んでもらえると嬉しいです。 2017年7月の記録。 泣きそうだった。写真を撮るのももったいないくらいそこにいたかった。 尾道のみはらし亭にて沈む夕日を見ながらそんなことを思っていた。 こんな遠くの街に私はリュック一つで来た。誰も私のことを知らないけれど、私はこの街がもう好きだ。 皆の目に見えない、しあわせなどこかの「ふつう」を大切に抱きしめている街、そんな感じがした。私はこの街に来たことがあるような気持ちになった

          尾道での日々③〜みはらし亭と恋と坂〜

          尾道での日々②〜坂を縫う〜

          7年前の尾道旅を振り返ります。 ①はここから読めます。 2017年7月の記録。 「行きたいところある?」 そう聞いてくれたのは先ほどゲストハウスで会った地元の同い年くらいの大学生。私は友人から事前におすすめされていた珈琲店の名前を迷わずあげた。尾道は店じまいが早いらしい。5分遅れで入ることが出来なかった。 それから坂をのぼった。尾道の代名詞でもある坂。 坂を上る、というより縫うようにしてやや急な階段を上っていく。 途中で踊り場のような少しひらけた場所にでると、彼はお

          尾道での日々②〜坂を縫う〜

          【旅行記】尾道旅①〜7年前の尾道旅を振り返る〜

          はじめに 7年前に旅した尾道を今更ながら振り返る。 当時は大学生最後の年で、何も考えずに行きたい場所に、行きたいタイミングで行っていた。スタンプカードなんてないのに、旅に行くほど人生得をする、と体のどこかで盲目的に信じていた。 だから尾道行きの新幹線に吸い込まれるように乗った。 2017年7月記載、一部編集済み 尾道に行きました。広島県は初上陸。 瀬戸内海に面していて海に望む門前町。山と海の間を電車が走り抜ける街に行った。この街を飾るキャッチコピーはいくらでも思い

          【旅行記】尾道旅①〜7年前の尾道旅を振り返る〜

          【感想】光る君へ〜清少納言と中宮定子の尊すぎる関係性について〜

          NHK大河ドラマ「光る君へ」第21回の放送を観た。文章を書くのが好きな人間として、今回大河ドラマが採用した『枕草子』という作品が書かれた背景についての解釈が気に入ったこと、そして中宮定子と清少納言の魅力に惹かれたので、感想を書き留めておく。(泣ける、本当に泣ける。。。) ちなみに私は古典文学の知識はほぼないが、『枕草子』は「日本最古のエッセイ」ということで何年か前に読んでいた。 大河ドラマで知識を幾許か補って読み返すことで、『枕草子』に対して全くもって新しい視点を持つことが

          【感想】光る君へ〜清少納言と中宮定子の尊すぎる関係性について〜

          ダナン旅行の記録①、2023年9月のこと。

          書こう書こうと思いながら1週間が過ぎて1か月が過ぎた。 そうしてついに年が明けてしまって、少し重みを増した罪悪感と薄くなった記憶を頼りにダナン旅を振り返る。 今スマホのアルバムを振り返ると、「もっとちゃんとしたいいカメラで旅の瞬間を自分の手に所有しておけばよかったな」とじんわり後悔が湧いてくる。 それほどダナンの旅は美しかった。写真を撮るのが上手くなりたいと思うけど上手に撮れないのが悔しいな。 良かった場所なども載せるので、これからダナンに行く人の役に立つと嬉しいです。

          ダナン旅行の記録①、2023年9月のこと。

          1ヶ月半のエジプト旅を終えた次の日に考えていたこと

          渡航前に塗ったラメいっぱいのネイルが剥げ終わったとき、カイロへの旅もちょうど終わった。 . 日本で履いていたパンプスを久しぶりに出してみたら、日焼けした足の甲が白い生地に映えていた。 わたしの今の体はカイロで食べたものでできていて、わたしの汗はカイロの露店コンビニで買った42円の水で出来ていて、 わたしの涙は帰国前日に流し込んだオルゾスープの塩分で出来ていて、 わたしの肺は何度も吸ったシーシャの煙で汚れてる。 カイロが染み込んだ自分の体が愛おしい、と思える自分がいることに

          1ヶ月半のエジプト旅を終えた次の日に考えていたこと

          年の瀬の上越新幹線で思うこと

          15時40分発、帰省する新幹線で窓辺に視線を移すと、山を縁取るように夕陽が燦々と照っていた、高崎だった。 長いトンネルを抜けると、空は灰色で屋根にはこぼれ落ちそうなくらいの雪が積もっていた、上毛高原だった。 太平洋側から日本海側へ駆けるこのルート、いつも日本海側が少し未来に進んでいる。 最近、文章を書かなくなったことで自分の日本語が枯れてきているような気がして、薬に縋るように枕草子を買ってみた。景色を描写する言葉と知識が足りないと思ったからだ。 新潟の冬はとても寒いので

          年の瀬の上越新幹線で思うこと

          DAY5 3年前の私へ

          当初はフルで働くつもりでいたこの1週間、 一分一秒ごとにこの土地と街と人が愛おしくなって、ついに私は午後休みをとった。 小心者の私は丸一日休みを取れなかった。 昼は、松本でとても人気だという食堂に行った。休日はとても混むらしい。 小雨降る肌寒い金曜日、待たずに入ることができた。 メニューは、地元の農家や商店のものを使用されていて、 一品一品絶対に残したらアカンという感じがした。 それは脅しとかではなく、 カウンターから店主が料理をしている姿から 食材を我が子のように愛し

          DAY5 3年前の私へ

          DAY4 寒さの中にも

          ここに来て気づいてしまったのだ。 ゲストハウスのお兄さんがとてもタイプだった。 わたしの才能といえば、どこでもすぐにタイプの人を見つけられること。 可愛い顔をしている人見知りそうな、冷めた目をしている柔らかい笑顔の、そういうどうしようもならない人がイイナ思うのだ。 それだけで本当に楽しい。 そんな4日目、松本にも慣れつつ 友人とコワーキングスペースにて仕事をした。 この日の予定はユルく暇なチートデイになるはずだったものの突発的な仕事が続いて疲れてしまった。 おまけ

          DAY4 寒さの中にも

          DAY3_Googleマップにオススメされない店

          昼も夜も振られた3日目。 1人で仕事をした。 ゲストハウスで、周りの声を聞きながら仕事をしていた。時間の流れが心地よい。 昼は、チャイナスパイス食堂という名前の薬膳中華の店を狙って歩いたが定休日。 急遽予定を変更し、第二希望のおきな堂という洋食屋へ行った。平日は良い、普段なら並んで待つ場所にサクッと入れる。 大人のお子様ランチを出す天国のようなレストラン。わたしはオムライスとプリンを頼み、満腹になった。 昼食の帰り、松本城に寄った。 おじいちゃんとおばあちゃんがた

          DAY3_Googleマップにオススメされない店

          DAY2 グッモーニン、塩尻

          ゲストハウスは、古い家の匂いがする。 煙たいような漆喰のような。 石油ストーブがさらに匂いを濃密にする。 コーヒーを淹れる香りが加わったらそれはもう。 いつもより早く起きた2日目、モーニングは松本名物だという水飴トーストとリンゴジュースを食べた。 いつもは感じない余裕と幸福感がお腹に広がる。 宿を出て、友人が住む塩尻へ向かう。 電車の本数が思ったより少なく、時刻表見る癖のない私は遅刻をすることになった。 塩尻駅の前は、松本駅よりさらに高い建物がなく その日は底抜けの青い

          DAY2 グッモーニン、塩尻

          DAY1-2 松本の土地の匂いについて

          @月曜日からビールを飲む 松本は寒かった。 腕をさすりながら改札を出ると、 そこは別世界だった。 大袈裟だ思うかもしれないが、 もうこれだけで来てよかったと思った。 東京とは全く違う匂い。 土地の香りは確実にある。 冷たくて静かで艶のある空気が、 鼻に口に流れ込んでくる。 ザクザク編みのおしゃれセーターの隙間には、 容赦なく寒さが飛び込んでくる。 秋、などという生易しいものではなく、 指先が痛くなるような厳しい寒さであった。 宿までは徒歩10分。 完全に着てくる服

          DAY1-2 松本の土地の匂いについて