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3-生き方を考えることが勉強のやる気にも繋がる

勉強をしていてやる気がでないとき、それが一時的なものではなく、長い期間無気力状態が続いているのであれば、一つ疑った方がいいのではないかと思うものがあった。

それは、教育心理学などで言われている「自己効力感」と呼ばれるものである。

これは簡単に言うと「自分ならできるぞ」という感覚で、これがある人はもちろん勉強にやる気を出すことができることになる。

ちなみにこれは周囲の人間がその人を「自身のある人だな」と感じるかどうかでも、謙虚さや口だけの自信でもなく、本人が心の内側で「自分ならできそうだな」と感じているかどうかである。だから、口では自信満々で「自分はできるんだ」と言っていても、心の内では「できないかもしれない」と思っているというのは往々にしてある。

さて、できれば一度自分の本心に耳を傾けてもらうといい。実は自信が無いという状況はかなり危険だ。自信のなさを自分で隠している場合がある。

それでは、「自分ならできるぞ」という感覚の無い人に向けて、ここからは自己効力感の話をしていく。


まず、人は何かをしようと思った時に「効力期待」と「結果期待」というものを考慮する。

例えば、試験勉強をしなければいけないとしよう。
そんな状況で、自分がいくら勉強しても点数なんか上がるわけがないと考えたとしたら、それは「効力期待が低い」状態である。つまり「自分が何かをしても、何も影響を与えられない(効力が無い)」と考えてしまっている状態である。

逆に「自分は勉強をすればちゃんと点数が上がるはずだ」という状態は「効力期待が高い」状態である。
この「効力期待」はなんとなく分かるのではないだろうか。
つまり、単純に考えて「自信があるorない」ということである。

ここまでの理屈だけで言えば、人間は成功体験を積み重ねさせて、その人に自信をつけてもらえればよくて、そうすれば勉強をしてくれると考えられるだろう。
しかし、現実では自分ならできると思っていても勉強をしない人は多いはずである。
その人達はその自分の状態を「めんどくさい」や「なんのためにするの?」という言葉で表現することがある。
これは「結果期待が低い」状態である。
よく言われる「勉強したら点数は上がるだろうし、成績も上がるだろうけど、そもそも良い成績を取ることが別にそんなに嬉しくない」であったり、「勉強しても将来使わないからやる意味なくね?」というもので、なるほど確かに、それは真実である。

このような状態の人に「やればできる」という自信をつけさせる言葉は無意味なので、アプローチを変えなければいけない。
かといってそのアプローチがなんなのかということは個人の悩み次第なので、ここでその答えが出せるというわけではない。

効力期待を高める、つまり自信をつけさせるというのは比較的単純で、成功体験の積み重ねである。
それに対して結果期待は、その勉強が本人の信念にとって重要かどうかと言う話になってしまう。
料理人になりたいと思っている人には物理の運動方程式は必要ないし、数学の公式も必要がない。そんな料理人を目指す人に勉強のやる気を出してもらうのは正直言って無理な話である。

とまあ、あまり救いの無い話にはなってしまったのだが、となると、勉強のやる気を無くしている人には一度勉強を休んで自分を見つめ直す時間を与えることが重要になるように思う。
そしてこの自分を見つめ直すというのは家で一人でいる時間かもしれないし、友達と遊ぶ時間かもしれないし、悩みを相談する時間かもしれないし、一人旅かもしれない。
何がきっかけになるかは分からない。

勉強においてかなり直接的で分かりやすい対策はオープンキャンパスに行くということではあるが、気をつけてもらいたいのは、必ずそれがやる気を出す方法として成功するわけではないということである。
特に親御さんが干渉する場合には気をつけてほしいことである。
その干渉で子供が心を閉ざす場合があり、そうなってしまうと解決はより難しくなるからだ。

なので、先ほども少し触れたように、意外にも勉強とは全く関係無いような友達との時間や一人の時間がその糸口になることもあるのだということを親御さんは(本人ももちろんだが)念頭においておき、生き方に迷っている中高生の可能性を広げてあげてほしいと思っている。

正直なところ、途方もない話である。簡単に「勉強を頑張る」と素直にやるような人ばかりではない。解決は難しいだろう。
だからこそ多くの人に相談ができるような環境づくりをしてあげてほしいものである。

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