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美しいコンポジションのために知っておくべき事【シンメトリー&主題の明確化の基礎編】

さて、前回は一歩先の被写界深度使いとリーディングラインの基礎を学びました。今回はこちらの二つ。

step.5 シンメトリー

シンメトリーは古代から美の象徴として我々の意識の中に存在します。

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シンメトリーは安定感、キャラクター間の均衡の取れたバランス、また、単体で中央に配置する場合はキャラクターの意思や揺るぎなさを表現します。

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例えば、リーディングラインをきっちり意識した、こちらのフレーミング。

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シンメトリーを意識した、こちらのフレーミングと印象がかなり変わるでしょう。

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実は2枚目の方がより強固なリーディングライン(ちょうど目の高さにラインがくる)があるのも一つの原因なのですが、シンメトリーにすることで、画面により安定感をもたらします。

step.6 メインの被写体(主題)を明確にする

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映画は情報です。そのため、そのショットで何を伝えたいか、その伝えたいものをきちんと観客に届けるために何が必要かが大事なポイントになります。

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例えば、この写真の中で、この真ん中の家が主題とするならば、このフレーミングはNGです。リーディングラインはもちろん、真ん中に配置されている以外に何が重要か提示されていません。

最も、簡単な方法は画面を主題で埋めることです。

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例えば、このように手前がガラ空きの場合、逆にこの空いたスペースに視線が行き、主題がわかりません。

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このように、主題以外のものを大きく入れることも視線誘導の混乱を招くことになります。

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この主題の明確化はリーディングライン、被写界深度をうまく利用することで、解消できます。

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ちなみに、念の為、上がNGでしたがOKの理由も述べておきます。
決定的なのは手前にいる人の視線です。実は登場物の視線もある種のリーディングラインとして機能します。そのため、手前の被写体がメインの主題よりも大きく写っていたとしても、明確に何が大事か観客は捉えることができます。

今回は以上です。次回は基礎編ラストです。

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