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四方四季の庭 夏


Atelier METEORITE_SOLE
2年目記念リリース
「四方四季の庭-garden of eden-」


五行と四季を重ね、五臓(内臓)の働きに合わせプレミアムオイルをマリアージュさせたオイル
「四方四季の庭」

春夏秋冬と土用の5種のブレンドにて全身を余すことなく花々の饗宴を施し包み解します。

今回は夏のご紹介

朱く翔ぶ夏の愛:ローズ×ガーデニア


万物が健やかに育つ夏
日差しケアも得意なローズをメインに
5種のブレンドをお作りしてます。


運命の果実の夏


遠くで誰かが呼んでいる気がする



「はぁ…はぁ…っ」
繁る夏の緑の中を紅玉が転がるように揺れる姿が一つ

鳥たちが歌う夏の鮮やかさに縁取られた緑の中に
生命が空気に溶けることがあったらその空気はこんな感じなんだろう、と唐突に理解をさせる領域を纏い一際高い桃の木が、一つ。
息を切らせて駆けてきた紅玉の様な少女が見上げて喜びを綻ばせる。

「あった!今年も実ってるわ!」

途中転んだのかその身に纏う美しい装いや顔に泥をつけてるが、そんなことはお構いなしに裾をたくし上げ少女は木を登っていきたわわに実った桃を一つ、二つともいで行く。

「うふふ、良い香り。分けてくれるのを祝福してくれるのね、ありがとう。」
馥郁たる香りを漂わせる桃の木に実を取らせてくれることへの感謝を、長い友人や家族にする様に話しかける
「お友達に食べてほしいの。
好きな人達に、私の大好きで大切なアナタを知って欲しくて」

恋を語る様に熱のある思いを告げる少女に
さわ…っ、と風が吹いたのか桃の葉が揺れる。
いいよ、嬉しいわ、と話しかける様に。


私の生まれた日は遠雷が凄かったそうだ。
乳母の朱莉(しゅり)曰く、
「日になんど雷がなったかわからないが生まれた瞬間はこの地の全てが焼け落ちるんじゃないか?
と思うくらいの遠雷が落ちたんですよ!」
棺に王が生まれた後に産まれる四季の姫は真の四季姫と言われるけれど私が忌み子なんじゃないか?と、母が出産の苦しみと混乱で泣いたほどだと聞いている。

程なくして、遠雷が落ちた場所にはもう盛りの過ぎた春の花々が咲き誇りうちの夏と南を司る鳳凰の地に仙桃の木が実を実らせて成ったそうだ。
本来癒晏季(エテメンアンキ)と呼ばれる王と四季姫が住む四季殿の奥の奥のそのまた奥の王の社の庭にしかならないといわれる仙桃が、
夏の姫だけが入れる薔薇の門の奥に夏の姫の誕生を祝う植樹のように成ったのだ。


さすが棺に王が産まれた年だ、と喜びに国中が賑やいだそうだけど私には知らない話。
だって私が私を私だと、この世界を知った時からその仙桃は私の生まれ育ち住む夏の鳳凰にあったのだから。


いつだって私は今しかしらない。
未来はこれからだし、
過去だって自分が見てきたものだけ。


朱莉が話してくれる王の話も真の四季姫の話も「昔、昔この国に」から始まるものばかり。

「昔、昔かぁ…」
私たちもいつか昔、昔になるのかな?
まだ出会ってもいないのに。
明日、四季殿での行儀見習いが始まるからようやく会える。
早く会いたい。
どんな人達なんだろう、王も他の四季姫達も。

「仲良くなれるかな」

薔薇の色は数あれど南と夏を司る鳳凰の翼が如く赤いのは真紅の薔薇。
そんな薔薇の様に鮮やかに、どんな暗がりにもどんな白い眩きにもその色で照らし出す様な真紅の色を持ち、滑らかで豊かな赤い髪を結われながら夏の姫・御世子は言った

「なれますとも。姫様の母君達も神巫としての行儀見習い中、それはそれは仲良く四季殿にてお過ごしになられたのですから」

「王様は?王様はいなかったのでしょう?
王様も仲良くなれるかなぁ…」

この世の祝福を一心に受けて産まれてきた、
その想いをこめてつけられた御世子という名前。
この姫の生まれた時の遠雷の凄さを乳母朱莉は思い出し

「姫様が産まれた時に王様が喜ばれたから仙桃の木がこの鳳凰の地にも成ったんですよ」
お忘れですか?あんなに勝手に食べてたのに、と軽いお咎めをうけながらも御世子は笑う

「そっかぁ、そうだよね。うふふ、あの桃美味しいもんね。私しか取りに行けないのが勿体無いくらい」
「それよりもばあやは御世子様のお言葉遣いが心配です。ばあやの前では良いですが、皆様の前では綺麗に話してくださいましね。
他の姫様がびっくりしてしまいます」
四季の姫さまということは、この神籬(ひもろぎ)の国母でもあるのですから、と乳母は言う。

国の母、か細い肩と幼さが残る顔に不釣り合いな言葉を。

「うん!大丈夫!じゃなかった、
ええ、勿論ですわ…こうかな?」

照れくさそうに微笑むまだ年端もいかない少女のその笑みは大輪の薔薇が咲いた様に綻ぶ。


朱莉とのやりとりを思い出し、くすりと笑う
「ちゃんとしましょうね、って言われて四季殿で行儀見習いしてるのに!って怒られちゃいそう」
でもまぁ、いっかと御世子は桃に顔を寄せる
「今年のはみんなにあげよう!真魚は桃は好きっていってたし。菊理も梨杏も好きかなぁ…好きだといいな」

私の大切な桃が、みんなと一緒に食べれたらいいな。そしたら、ずっと仲良くいられる気がする。


夏の華が咲いたのだ。
遠雷の祝福を受けて。

大好きな
わたしの初めてのお友達



世界の全てに愛を注ぐ。この世の祝福を花束にしたような 
鮮やかな夏を香りに閉じ込めて。



かくて君は久遠を生きるこの四姫の集う庭にて。
世界は黄衣にそまる
您确定要这么做吗?


タロットはじめました🌟

Atelier METEORITE_SOLEは新宿の片隅で、
占星術からみるアロマや五行からみる経絡アプローチなどを用いアロマリンパドレナージュをオールハンドトリートメントにて施術をする小さな隠れ家サロン。
心と身体の調律をどちらかだけではなく、両方からしてまいります。
夏を楽しむ支度は進んでる?
体内の不調やボディライン、どちらもお任せください🍀✨

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