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しあわせぶとり。の話

 おはようございます。こんにちは。こんばんは。学生ライターのめておーらです。近頃この「学生ライター」と名乗るのは少々違和感を隠せないのですが、これといった納得のいく言い方も浮かばないので、このように表記しています。


 

はじめに

 さて今回は「幸せ太り」について書きたいと思います。またInstagramのほうで概要版を載せようかなと思っております。ぜひそちらのほうもいいね、フォローよろしくお願いします。
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幸せ太りと感じたのには理由があって

 新生活を初めて4か月が過ぎようとしていた。思えば突っ走って、挫折して、また立ち上がろうとしているそんな4か月だった。4月から始めたものは続かなくて諦め、また新しくチャレンジをしようとしている。そのチャレンジも続かなかったどうしようと少しびくびくしていながらまた歩こうとしているわけだが。
 バイトをやめて2週間が経った。飲食のバイトだったため、土日のどっちかは出勤しなければならなかったし、「止まるな動け」という精神のもと足掻き続けたが心は限界だった。帰宅して食欲は満たして、座椅子で寝るという一連の流れが日課になった。ミスしても落ち込まない、落ち込んだことによって迷惑をかけない、その呪文が出勤ごとの目標になった。
 そんなバイトから解放されて2週間。ライターの仕事はもらっているためこなしつつ、部屋で好きな小説と映画に囲まれ、家事をしていたらいつの間にか夕方になっており、21時には眠気が出てきて早寝をし、朝エアコンをつけなくても過ごせる時間帯に起き部屋を喚起する生活だった。
 何を考えたのかふと腹をつまんでみた。するとつまむことを希望する脂肪たちが集まってきた。驚いた。新生活が始まってストレスで体形が変わり、肉がつかないことが怖くもあったからだ。

思うに

 思うに、これが幸せ太りなのだろうか。新生活にも慣れて、私のしたいこと、やりたくないことが分かってきて、授業後に教授に話しかけに行く余裕もできた。料理することが実家暮らしのように楽しめるようになってきた。これくらいで幸せかと思う方もいるかもしれないが、これくらいを幸せと感じるほど、穏やかな日常の訪れを待っていたかもしれない。
 お腹に脂肪がついてきた、それはあまり喜ばれることではない。(特に女性は気にする人が多いだろう。)私に集まってくれた脂肪はなんて幸せなものだろう。存在するだけで喜んでくれる人がいる。もちろん何も食べていたわけではないし、なんなら爆食をすることが多々あった。気持ち悪いくらい白米を口に入れたこともある。何回も口にものを入れても、実家暮らしのような賑わいは生まれず、孤独に慣れなかった。それでも体形に変化はなかった。これは十分な皮肉だと感じる人が多いだろう。しかし考えてみてほしい。気持ち悪いくらい食べても食べても、満足感がなく、そのうえ変わらない体つき。それが3か月以上続く苦しさ。さすがに18歳過ぎて、「もしかして太らない体質だった⁉」と気づくなんて言うものはありえない。実際に大学受験の時は部活を引退して全然太っている。
 ということでぜひ皮肉ではなく、私にとって重大な問題であったということに共感してほしいのだが、その私も最近贅肉がついてきたのだ。今抱えているストレスはあまりなく、最近も虫と格闘していたぐらい心に余裕が持てた。もちろんストレスは日々感じているが、不意に涙が流れたり、座椅子で寝ることがなくなるくらいのストレスである。私は初めて悟った。なるほどこれが幸せ太りかと。
 普通幸せ太りというものは新婚さんに向けて言うことであり、一緒にご飯を食べるという幸せがお腹のふくらみに出てしまったということである。私は別に結婚もしていないし、誰とも食卓を共にしていない。しかし、最近のお腹のふくらみを見てなぜか幸せ太りしたと思ってしまった。食べたものの中で不要なものが排出され、必要なものが溜まっていく、その一連の流れの成果物が目に見えた「幸せ」。ちゃんとご飯を食べ、生きていくためのエネルギー源が溜まっていたことが分かった「幸せ」。このことを幸せと感じる私は一部の人は哀れに、惨めに思うだろう。こんな極限状態でもっと他に幸せに感じるものがあるだろう、と。今はそんな雑音はいいのだ。この日常を平常のままで気を荒立てないで過ごせることが「幸せ」なのだ。

最後に

 そんなことを考えていたら、お手洗いに行きたくなった。そうして私はあることに気づいたのだ。手を洗ってしばらくしてお腹をつねってみた。なんとつねることのできた脂肪の量が少なかったのだ。そう、幸せ太りではないかとルンルンしていた、まさにこんなに文章が浮かぶほどウキウキしていた状態を生み出したのは厳密に言うと幸せ太りだからではなく、便秘だったからだ。なんと滑稽な結末だろう。
 この感情をショックではなく、笑い話と書きあげられたのは勘違いの幸せ太り脂肪のおかげだろうか。


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